• フランス1治安の悪いマルセイユを、公共交通で楽しむ。 | TRIP'S(トリップス)

    フランス1治安の悪いマルセイユを、公共交通で楽しむ。
    フランス


    この写真、一瞬、どこのリゾート地かとも思えるでしょう? でも、マルセイユ市内の生活圏、海岸沿いのバス通りから見下ろした風景なんです。

    くねくねとカーブを繰返しながら少しずつ表情を変える地中海の海岸線の町並みや浜辺・岩場を、自転車や路線バス(!)で堪能できてしまうこと、まだまだ知られていませんよね。

    マルセイユでは、公共交通のメトロとバス、トラムウェイが1時間以内ならチケット1枚(もしくは回数券1回分)で乗り降りし放題。私の住まいから市役所やオフィス、ブティックの集まる港近くの繁華街に行くには街を突っ切って徒歩30分ほどなんですが、お天気のいい日は海岸線沿いにバスで行くことも。

    バスで行くとプチヴァカンス気分で気持ちいいことはモチロン、チケット1回分(つまり1時間以内)で済ませてしまおうと思うと、テキパキ動けてしまう効果もあります。

    治安ワースト1なマルセイユ。でも、選ばれる理由

    治安の悪いことフランス1で知られるマルセイユですが、自然に恵まれていることもフランス1。スキー・ヴァカンスの記事にも書いた通り、パリジャン達が南を目指すのはヴァカンスや定年後だけではなくて、子育て世代で生活拠点として南仏暮らしを択ぶ人たちが、年々目立つようになっています。

    壮大な景観は息を呑むほど(!)だし、カランクと呼ばれる石灰岩が織りなす国立公園は、都心部から車ですぐ。週末は、ジョギングやウォーキングしに行く習慣の人にもよく出会います。バスでも行けてしまうアクセスの良さなんですが、ハイキングコースは難易度によって色々。カランクを語りだしたら尽きないので、そちらはまた改めて。

    今日は、街と海岸線を自転車でしゅーっと、そして、バスに乗ったり降りたり。目にも胃袋にも美味しい過ごし方についてお届けしますね。

    83番のバスで地中海の”コーニッシュ(曲がりくねった道)”自由自在

    マルセイユのメトロは2路線しかないんですが、バス網が発達しているのと、バス停間の距離が短いお陰で、初めてでもずいぶんフットワークよく動けます。

    チケットは、駅や売店(Kiosque)で事前に割安の回数券や乗り放題券を買っておいてもいいし、思いつきで飛び乗っても、2ユーロで1時間乗り替えし放題。

    たとえば、(石鹸博物館のある)ヴューポー港から海岸線沿いに南下して、最後に曲がって、(OMのオランジュ・ヴェロドロームスタジアムのある)メトロ2号線プラド駅終点まで(もしくはその逆コースで)ボーっと乗ったりするのも楽しいし、目につく場所ごと、行き当たりバッタリに乗ったり降りたりを繰返すのも、そろそろ気持ちのいい季節。

    たとえば、こんな感じ。83番のバスで、プラドから港に向かう路線。ダビデ像を曲がって海岸線を上って曲がった最初のビューポイントで、さっそく途中下車してみましょう。

    そうそう、バス停表示に83の隣にある緑の数字は、深夜バスの番号。本数は限りがありますが、昼間の料金の倍で利用できるので便利。

    これが、コーニッシュの始まりです。時間帯によっては、ジョギング姿が行き交ったり、ここで釣り糸をたらしている人たちやランチを広げている人たち、と様々。向こうに見えているのは、岩窟王(モンテ・クリスト伯)の舞台にもなっているイフ島

    地中海に向かって左側に体を向けると、ポワント・ルージュの浜辺やマドラグ地区。

    小さな鯨のような島の辺りが、星の王子さまの作者でも知られるサン・テグジュペリの乗った小型飛行機が消息を絶った場所で、その沖合いの海底からダイバーが発見したイニシャル入りのブレスレットは、パリの航空博物館に納められています。

    そして、すぐ目の前の下を覗き込むと……ずーっとこんな感じが続くんです。ちょっと遠回りでも来たくなる気持ち、お分かりいただけるでしょう?

    この岩場、簡単に降りられる箇所がいくつかあって、そこで釣りをしている人もいるし、読書やピクニックも。

    知る人ぞ知る岩場は、とあるバス停裏の階段を下りた先。

    さて、バスはちょうど10分おきの時間帯だったので、バス停2駅分歩いて、すぐ次に来たのに乗りました。目指すは、Fausse Monnaie。

    3分ほどで到着。バス停広告に入っているように、港(のバーガーキング)まで車で10分の距離。バスだと15分ぐらい。

    ここから、次の2駅までの間に、ちょっとした美味しいものの集まっている商店街があります。

    マルセイユで1番美味しいという人の多いピザ屋さんもあるし、3本の指に入ると言われるパン屋さんは、ガレットを買いに来る名店のひとつ(1月中にはいくつも何度も楽しむ習慣なので)。あ、Sushi(お寿司屋さん)も。

    お肉屋さんも、Bioオーガニックの店もあるし、炭焼きの鶏の丸焼きのお店では、1人前サイズ、ウィング1本でも買えるので、そのまま岩場に降りてピクニック出来ちゃいます(パン屋さんも八百屋さんもありますしね)。

    そうそう、ピザのお店やステーキなどをメニューに掲げているビストロなどで、”Feu de bois”とあったら炭火焼の意味。フランスの食いしん坊たちの間では、択ぶ基準のひとつな重要ポイント。やっぱりひと味違いますよね。

    さて、この日このロティスリーで、偶然行きあった女性と雑談になって、なんだか気が合って話が弾んで……そのまま友達になりました。お向かいの不動産屋さん勤めとわかったので、せっかくだから1枚撮らせて!と。

    ミストラル(地中海へ向かって吹く南仏の風)が急に吹き荒れることも少なくないマルセイユマダムのオシャレの基本は、薄手のロングスカーフ、薄手の皮ジャケット、そして、(強い陽射しだけでなく風除けにも便利な)サングラス。

    ネットが普及している時代とはいえ、地元の物件はメモ書きだけで近所の不動産屋さんが持っていることが多いマルセイユ。ここでも、夏に向けて、短期貸しのアパルトマンや家があっという間にうまっていくようです。

    夏は、泥棒よけも兼ねて、留守宅を賃貸に出す家庭も目立つフランス。マルセイユも、夏場はすっかり住人が入れ替わるように感じられるくらいなんですよ。

    そして、このお店のすぐ右手数メートルにあるのが、さっきの写真のFausse Monnaieのバス停。その後ろ側にある小さな階段を下りると、こんな素敵な場所が待ってます。

    ここは海岸線大通りの真下。上から見下ろす岩場には、こんな風にアクセスできるんです。

    向こう側がさっき通ってきたバス道です。中ほど右側に小さな機関車型の電気自動車が通っているのが見えますか? プティ・トランといって、丘の上のノートルダム寺院までノンストップです。帰りは別のコースで、発着場所はヴューポー港。

    この右脇に階段があるので上っていくと……すぐ傍らには、3ツ星レストランを備える5ツ星の宿泊施設”Le Petit Nice Passedat”の塀が続きます。

    その真下の岩場は、この通り。読書したり、日焼けに精を出したり、サンドウィッチを頬張る姿が見られるのももうすぐ。

    より風を感じるには、Velo(市営のレンタル自転車)も!

    フランスの多くの街町には、市営のレンタル自転車があって、しくみはパリのレンタル自転車で紹介したのと同じ。地方の方が、料金は少し安価です。

    このバス道沿いにも、いくつも(貸し出し返却併用の)ステーションがあるので、便利です。たとえば、こちら。商店街の先(商店街の中にも1つあります)。

    突き当たりは展望台。右に曲がると、すぐにこんな風景。向こう側に広がる海岸線が、先日の記事でご紹介したコートブルーの始まり、レスタックです。写真では見えないけれど、向かって左に線路が延びていて、ニヨロンへ(なんとなく土地勘がつきそうでしょう?)。

    そう、下を覗き込むと、この光景が待っているポイントです(そちらの地区については追ってまた)。

    マクロン新大統領は、OMサポーター!

    さて、5年毎の大統領選(今回は特に波乱万丈でした)は、日本でも報道されている通り、いろいろな意味で前代未聞のエピソード続きの結果となりました。

    そのマクロン新大統領。選挙活動期間中に OM(マルセイユのサッカーチーム)のサポーターだと公言していて、スタジアムに観戦しに来ていたときには計算されたパフォーマンスかと思っていたら、本当にファンらしいです。OMの試合進行状況を携帯でチェックしている様子が新聞社の動画で流れて、賛否両論出ているんですが、マルセイエーズの身としては楽しいです。

    欧州でのサッカーのサポーター達の雰囲気は独特なものだし、北フランス出身のマクロン氏が南の玄関口のマルセイユのチーム贔屓というのが、いい効果をもたらしますように!

    この記事を書いた人

    ボッティ喜美子

    ボッティ喜美子仏日通訳翻訳・ジャーナリスト

    フランス在住。東京で長らく広告・PR業に携わり、1998年に渡仏。パリとニースで暮らした後、2000年からパリジャンの夫の転勤で南米ブエノスアイレスへ3年、出産も現地で。パリに戻り、地中海の街マルセイユへ転勤して13年。南仏拠点で時々パリの実家へ、家庭優先で仕事しています。Framatech社主催の仏ビジネスマン対象のセミナー『日本人と仕事をするには?』講師は10年目(年2回)。英語・スペイン語も少々。

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