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ケバブを食べずにマルセイユは語れない…ソウルフードなんです。
フランス

KEBAB(ケバブ)、ご存知ですか?

もともとは、中東諸国料理のケバブ。国によって、少しずつ形も発音・綴りも違うものだったのが、今では、世界中で知られるファストフード的存在として広がっています。

そういえば、この頃では、日本でも見かけますよね。でも、やっぱり国ごとに少しずつ特色あるようで、NYでは、串焼き肉料理のシシカバブと呼ばれるタイプをホットドッグのパンに挟んで売られているし、フランスで知られているのは、ドネルケバブという巻きつけ肉タイプを切り出して、サンドウィッチにしたもの。

フランスでは、どれくらいポピュラー?

パリなら、(どの地区にもありますが)とくに右岸のサンミッッシェルの一角のギリシャ人街が名物のひとつ。スタンド的な店々や、レストランの入り口脇にテイクアウトコーナー窓口を併設させているところも。

観光客だけでなく、学生たちやビジネスマン達のランチにも重宝されています。私も、近くのソルボンヌ大学の文明講座に通っていた頃に、覚えた味。

サンドウィッチよりは割高だけれど、ボリュームもあるし、学食メニューより安いし美味しいので人気です。でも、いつもいつもと通う人はいなかったし、ファラフェルならマレー地区(こちらは追って改めて)、ケバブならサン・ミッシェルという、界隈名物的なイメージ強い存在かも。

マルセイユではソウルフード。ブイヤベースとはまた対極の名物。

南の玄関口にあたる地中海の街・マルセイユでは、地中海文明つながりのお陰もあってか、もっと生活に溶け込んだ感じ。

それぞれの中東の国にルーツを持つ人たちも少なくないし、街のあちこちの軽食スタンドで見かけるメニューです。ソウル・フードというんでしょうか。

酒井選手でも知られるマルセイユのサッカーチームOMの大きな試合がある日には、オランジュ・ヴェロドロームスタジアム前にはいくつもケバブの屋台が出ます。一律5ユーロ。ワンコイン感覚ですね。こんな感じ。

そうでなければ、スタジアムのあるメトロの駅のひとつ、Rond Point du Prado駅を出てすぐの交差点向かい側には、いつもあるこのスタンド。

早朝から開いていて、試合のある日には遅くまで。TV中継も見られるので、ふらりとビールを一杯という人たちの姿もよく見かけます。この写真から、そのまま身体を右に向けてもらうと……青く輝くオランジュ・ヴェロドロームスタジアム。

写真は、試合開始後1時間ちょっと、午後10時過ぎ。ちょうど人もはけて静かな時間帯なので、ケバブの中身と作る過程を写真に撮らせてもらいました。

この店は、普段ならどれも4ユーロ50。試合のある日は(屋台達と同じ)5ユーロ。パンも中の具材もソースも細かく選べて、自分好みにカスタマイズできます。それでは、注文してみますね。

日中なら Bonjour! 夜なら Bonsoir! 注文前に、まずは必ず挨拶を!

まずは、以前もチラリとご紹介した通り、フランスではどこでもBonjour!ボンジュー(ル)、夜ならBonsoir!ボンソワー(ル)の挨拶から。これが、あるとないとでは、対応が大きく変わります。気を悪くしているというよりは、挨拶しないでぬーっと立たれていると……怖いでしょう?

ちゃんと挨拶すると、この通り! 素敵な笑顔と反応が返ってきますから、Un Kebab, S.V.P.(アンケバブ・シルヴプレ:ケバブひとつ下さい)。

S.V.P.(シルヴプレ:お願いします)も、いつもお忘れなく!

まずは、Pain(パン)を選びます。Baguette(バゲット)とGalette(ギャレット)、どちらにしますか?

(Pita(ピタ)を置いているところもありますが、この店ではこの2つで、何も言わないとGalette(ギャレット)?て訊かれるはずですから)、Baguette S.V.P.(バゲット・シルヴプレ)、または、Galette S.V.P.(ギャレット・シルヴプレ)

カタカナ読みで、十分わかってくれます。

 

バゲットなら、仕上がりはこんな感じ。

ギャレットなら、こちら。薄いギャレットで巻き込んだあと、パニーニみたいに焼いてくれます。

本当は、この店では、ギャレットの時には、フライドポテトは別に包んでくれるんですが、私はこの方が好きなので、一緒に包み込んでもらっています。(中身がわかりやすいように、半分に切ってみました。普段は端からそのまま丸齧り)

お肉は、その場で切り出して、焼きなおしたアツアツ、フライドポテトもいつも揚げたて!(普通に思われるかも知れませんけど、フランスのファストフードの場合、揚げたて率はとっても低いんです)

奥に串刺しになっている逆円錐型のものが、お肉の塊。

もともとは羊肉がポピュラーだったんですが、今では、マルセイユでは1軒のみだそう。この店も含めて他のどこも、鶏肉を使っています。

さて、Legumes(レギュム)、お野菜

定番なのが、 レタス、トマト、たまねぎ。1つ1つ選んで注文する店もありますが、この店では何も言わなければ全部入れてくれます。だから、「Legumes(レギュム)?」と訊かれたら、全部好きなら、Tous(トゥース)

嫌いなものがあれば、Sans(ソン~)。たとえば、Sans letus(ソン・レチュ、レタス抜き)、Sans tomates(ソン・トマト、トマト抜き)、Sans oignons(ソン・オニョン、たまねぎ抜き)にプラスしてS.V.P.(シルヴプレ)。この日は、たまねぎなし。

ソースは?

定番的には、Sauce blanche(ソース・ブロンシュ)という白いソース。他にも、マヨネーズやアリッサ(唐辛子ソース)、サムライ、とか、アンダルーズというものもあるんですけど、私はいつもこれ。スーパーマーケットのマヨネーズ類の脇にズラリと並んでいて、試食販売していたときに、ひとしきり試してみたんですけど、やっぱり、1番しっくりくる気がして。

Sauce blanche(ソース・ブロンシュ?)と訊かれたら、Oui(ウィ)、+S.V.P.(シルヴプレ)。(もしくは、Non, Merci.(ノン・メルシー:いいえ、いりません))

というわけで、野菜の上からお肉をどっさりのせてもらい、ソースもたっぷり……

そして、くるくると巻いてくれて……パニーニタイプの出来上がり!

オペラ帰りに深夜のケバブ、の醍醐味……もマルセイユならでは。

そんなざっくばらんなケバブですが、夜中に小腹の空いた時にも、重宝する存在。たとえば、オペラ座近くにも羊肉を使っている”老舗”があって、舞台や映画帰りやちょっとしたパーティーの後に、ちょこっと立ち寄るのが愉しみ……だったんですが、残念ながら、このお店、先月オーナーがリタイアして売りに出されてしまったところ。

今まで通りの味わいが楽しめるのか、いつリニューアルオープンなのか、今のところわからないまま、です。でも、もし機会あったら、オペラ座の正面出口を出てすぐ左に曲がった1つ目の角の店です。

ただ、港近くのこの辺り、深夜を廻った辺りから開店する会員制クラブなどもあって、あまり安全とは言えない地区なので、ご留意を。私も、午後7時以降には1人で行ったことはありません。

時間と場所の使い分けを知っていれば、マルセイユは美味しくて愉しい、素敵な街です。

C'est Kebab! ケバブはお袋の味より懐かしいもの、らしい。

14才の息子が、1週間の山奥での林間学校から戻ってきました。細菌性胃腸炎でバタバタと倒れた中の1人だった彼。
数日間食事もままならず、さぞかし心細く、私の手料理が恋しかっただろうと、「マルセイユに戻ったら、1番に何食べたい?」とSMSしたところ、

「ケバブ!」

……皆に、どれくらい愛されているか、おわかりいただけますか? サッカーの練習帰りにユニフォームのまま行くと、たいていの店が、黙っていても大盛りにサービスしてくれたりします。日本だと、ラーメン屋さんみたいな存在、でしょうか。

この記事を書いた人

ボッティ喜美子

ボッティ喜美子仏日通訳翻訳・ジャーナリスト

フランス在住。東京で長らく広告・PR業に携わり、1998年に渡仏。パリとニースで暮らした後、2000年からパリジャンの夫の転勤で南米ブエノスアイレスへ3年、出産も現地で。パリに戻り、地中海の街マルセイユへ転勤して13年。南仏拠点で時々パリの実家へ、家庭優先で仕事しています。Framatech社主催の仏ビジネスマン対象のセミナー『日本人と仕事をするには?』講師は10年目(年2回)。英語・スペイン語も少々。
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