全世界で一番世界遺産の多い国、イタリア。
世界遺産だけでも51の数を誇りますが、それだけでなく、他にもみどころはたくさんあります。
今回はそんな魅力たっぷりのイタリアでの旅行を考えている方、実際に旅行中の方向けに、フィレンツェ、ミラノ、ローマの3地域に分けておすすめスポットをまとめました。
すべて現地に足を運んでつかんだ役に立つ情報をお伝えします。
(2016年6月21日最終更新)
フィレンツェ
フィレンツェ歴史地区
フィレンツェ中心街は、1982年よりユネスコ世界遺産、「フィレンツェ歴史地区」に指定されています。
歴史地区の範囲は、車両の入場制限や厳しい美観規制が敷かれています。
下記に紹介する大聖堂やサンマルコ美術館も歴史地区に含まれており、それらの建物自体が世界遺産というよりも、この地区全体が世界遺産に登録されています。
※詳しい記事はこちら→フィレンツェ歴史的建築物地区~過去と現在が混在する街~
サンマルコ美術館
かつてのドミニコ修道院をそのまま使っているサンマルコ美術館。中に入るとかつて修道士が瞑想をしていたであろう静かな回廊があります。
街の喧噪から逃れ神聖な気持ちになることができる美術館です。こちらには修道士でもあったフラ・アンジェリコがそれぞれの独房の壁に描いた絵を見ることができます。壁に描かれているので外に持ち出すことはできず、こちらに来ないと見られない作品ばかりです。
※詳しい記事はこちら→サンマルコ美術館にある門外不出の作品とは?
アカデミア美術館
本物の彫刻を見たいという方におすすめなのがアカデミア美術館。今でも美術学校が併設されており、彫刻家としてのミケランジェロのすごさを感じることができる美術館です。連日長蛇の列ができるくらい人気の美術館です。
※詳しい記事はこちら→アカデミア美術館で本物のダヴィデ像を見よう!
・連日長蛇の列ができるほどの人気のため、予約をとることをおすすめします。
メディチ家礼拝堂
フィレンツェの最高権力者であったメディチ家。1700年代までフィレンツェに君臨してきた一族のお墓があります。1500年代、当時法王として最高のスポンサーであったメディチ家+最高の芸術家ミケランジェロが創りだした作品が、サン・ロレンツォ教会メディチ家礼拝堂にあります。
※詳しい記事はこちら→メディチ家礼拝堂 ミケランジェロとメディチ家が織りなす物語とは?
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会
列車で移動する旅行者がフィレンツェ中央駅に降り立ち、最初に見える茶色の建物がサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局は日本でも有名ですね。
数年前に広場はリニューアルされ、昼間はベンチでくつろぐ観光客でいっぱいです。
※詳しい記事はこちら→ サンタ・マリア・ノヴェッラ教会、フィレンツェ中央駅前の地味な外観と中とのギャップがすごい!
・「緑の回廊」に入れるのは、毎週第一月曜日と、特別な宗教行事があるような日のみ。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
イタリア・フィレンツェの街の中心にそびえるドゥオーモ(大聖堂)。ピンク色の外壁で別名・花の大聖堂とも呼ばれ、誰もがその大きさに圧倒されます。映画「冷静と情熱の間」の舞台ともなったこのドゥオーモは、500年以上も前の建築物とは思えないほどで、その壮大さには言葉も出ません。
※詳しい記事はこちら→大聖堂ドゥオーモ フィレンツェで行くべき有名映画の舞台
・クーポラ(ドーム)には400段以上の階段を上って行くことができる展望台があり、夕暮れ時に行くとロマンチックな雰囲気に浸ることができます。
ジョットの鐘楼
フィレンツェで大人気の絶景スポットといえば、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)のクーポラ(ドーム)とジョットの鐘楼です。
特にイタリアで最も美しい鐘楼の一つといわれ、大パノラマが堪能できるというジョットの鐘楼は、観光客でいっぱいのフィレンツェの中心にあり、一年を通じて行列がない時が珍しいほどの観光スポット! 必見です。
・15ユーロの入場券を購入すると、48時間以内であれば、①大聖堂クーポラ、②ジョットの鐘楼、③大聖堂内サンタレパータ教会地下遺跡、④洗礼堂入場、⑤大聖堂博物館の見学が可能(2016年3月現在)
サン・ジョヴァンニ洗礼堂
フィレンツェの大聖堂の正面に位置するのはサン・ジョヴァンニ(洗礼者ヨハネ)洗礼堂。フィレンツェの守護聖人である洗礼者ヨハネに捧げられています。
フィレンツェで最も古い歴史を持つ建物のひとつで、ローマ時代の建物の上に建設されました。
もともとは大聖堂だったのですが、八角形に建て替えられ洗礼堂となりました。
※詳しい記事はこちら→サン・ジョヴァンニ洗礼堂の「天国の扉」へ。お得な共通チケットがあなたを導く!?
・15ユーロの入場券を購入すると、48時間以内であれば、①大聖堂クーポラ、②ジョットの鐘楼、③大聖堂内サンタレパータ教会地下遺跡、④洗礼堂入場、⑤大聖堂博物館の見学が可能(2016年3月現在)
・2016年秋に封切りされる「ダ・ヴィンチ・コード」の続編、「インフェルノ」にも出てきます!
ミケランジェロ広場
フィレンツェの街を一望する丘にあるミケランジェロ広場。巨大なドゥオーモ、ジョットの鐘楼、世界遺産に登録されたフィレンツェの歴史地区を見下ろす広場で、デートスポットとしても人気です。夕暮時に行くとロマンティックですね。
※詳しい記事はこちら→ミケランジェロ広場でフィレンツェのロマンティックな街並みを一望しよう
・魅力はなんといっても絶景。
・ミケランジェロのダビデ像のコピーもあります。
・あまり治安はよくないので夜暗くなってから行くのは十分に注意してください。
レプッブリカ広場(共和国広場)
フィレンツェの中心”共和国広場”は、カフェやデパート、メリーゴーランドがあり、大道芸人の姿も見かけます。昼夜問わず人がいっぱい。
歴史ある街でありながら、今ではフィレンツェで一番新しい場所といっても過言ではないでしょう。
※詳しい記事はこちら→レプブリカ広場(共和国広場)の見晴らしを堪能しよう!
・広場に面したデパートの最上階にある、見晴らしのいいカフェがおすすめ。
・アンティークなメリーゴーランドは幼児や小学生向け。
シニョーリア広場
フィレンツェの行政の中心となるシニョーリア広場。
広場には今でも市役所が入るヴェッキオ宮殿や、コピーではありますがミケランジェロのダヴィデ像、そしてメディチ家のコジモ1世の騎馬像などたくさんの彫像、銅像があります。さながら屋外の博物館のような広場です。ネプチューンの噴水の周りは待ち合わせ場所としてもよく使われます。
ランツィの回廊
街全体がまるで美術館のようなイタリアフィレンツェの中心・シニョリーア広場。そこには市庁舎をバックに約700年前に作られた彫刻などが多く立っており、その中でも特に多くの彫刻がここ、ランツィの回廊に集まっています。
屋根もあるので雨の日はもちろんのこと、ライトアップもされ夜は違う表情を楽しめます。
※詳しい記事はこちら→ランツィの回廊に古代からルネッサンス期までの彫刻が勢揃い!
・人数制限と時間制限があります。
・入場無料で、8時から19時まで開いていますが、11時から17時までは人数制限ががあることがあります。
・雨が降ると雨宿りの観光客でごった返すため、入場出来ない場合がありますので注意が必要です。
ウフィツィ美術館
パリのルーブル美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館と並び”三大美術館”と称されるウフィッツィ美術館。
莫大なお金を持っていたメディチ家が集めたルネッサンス時代の珠玉の絵画作品がおさめられた美術館です。
ルネサンス初期のジョットやボッティチェリ、ルネサンスの三大巨匠といわれるレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、そしてバロックの巨匠カラヴァッジョに至るまで 見応えがある作品ばかりです。
※詳しい記事はこちら→ウフィツィ美術館でルネサンスの絵の宝庫に触れよう!
・美術館の中にカフェテリアがあるので、休憩しながら美術鑑賞を楽しむことができます。
・オンシーズン(3〜10月)はかなりの行列ができるので、予約をおすすめします。
ヴェッキオ宮殿
外観は要塞のようなヴェッキオ宮殿ですが、宮殿というだけあって内部は華やか。
コジモ1世の時代に増改築し圧倒されるほどの巨大な五百人広間と、その妻エレオノーラの居室、レオナルド・ダ・ヴィンチに関する逸話が残る絵画など見どころたっぷりです。現在も市役所として使われています。
500年前の世界地図が見られます。
※詳しい記事はこちら→ヴェッキオ宮殿の巨大な五百人広間が圧巻!
ヴェッキオ橋
フィレンツェのアルノ川にかかる一番古い橋がヴェッキオ橋。
他の橋と違い、ここは宝飾品のお店が両端に立ち並び、常に観光客で賑わっています。かつてのメディチ家の仕事場だったウフィツィ宮(現在の美術館)とピッティ宮殿をつなぐヴァザーリの回廊がこの橋の上を通っています。
・橋から見る夕暮れがきれい。
・基本的に車は通らないのでじっくりウインドウショッピングが楽しめます。
アルノ川
盆地の中心を流れるのはアルノ川。有名なヴェッキオ橋もあり、昼夜問わず観光客で賑わっています。
夜にはライトアップされ、川や橋を照らす薄い街の灯りは、昼間と違う表情を見せてくれます。
※詳しい記事はこちら→ アルノ川さんぽでロマンティック気分。「沼タヌキ」が見られるかも!
・毎週火曜日の午前中に大規模な市場、カッシーネの市が出ます。
・美しい夕暮れの写真撮影がおすすめです。
サンタ・クローチェ教会
フィレンツェの西に位置するサンタ・クローチェ教会。有名人や著名人のフィレンツェの財力者のお墓があります。その数、なんと270基以上!
壁面には君主論を書いたニッコロ・マキャベリ、音楽家ジョアキーノ・ロッシーニなどのお墓があります。
※詳しい記事はこちら→サンタ・クローチェ教会と付属美術館で有名人のお墓参り! ここにも最後の晩餐が!?
・親子ファミリー割引という、両親は4ユーロずつ、子供はひとりまで無料になる制度があります。
ピッティ宮殿
ラファエロの作品を多く所蔵するパラティーナ美術館や、衣装博物館、陶磁器博物館、広大なボーボリ庭園を持つピッティ宮殿。メディチ家のコジモ1世の手に渡り、絢爛豪華な装飾で施されたお部屋を見ることもできます。
絵画の作品はもちろん、細部まで作りこまれたお部屋の装飾は溜息が出るほどの美しさです。
※詳しい記事はこちら→ピッティ宮殿の豪華すぎるお部屋と壁一面の絵画とは!? ラファエロの作品も多数
次ページ:ミラノのスポットをご紹介。「最後の晩餐」の見学は時間制限があります。
ミラノ
ブレラ通り
車1台がぎりぎり通るくらいの細い石畳の路地が特徴的なブレラ通り。400mほどの通りでブレラ美術館まで続きます。高級ブティック通りのモンテナポレオーネ通りとは違い画廊や雑貨店が立ち並ぶ落ち着いたシックな通りです。
※詳しい記事はこちら→ブレラ通りの個性的なお店でミラノらしいお土産を!
スカラ広場
ミラノの待ち合わせ場所としてよく使われるスカラ広場。レオナルド・ダ・ヴィンチの銅像が目印で周りにはベンチがあります。
広場に面してスカラ座があり、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアの入口もありわかりやすい場所にあるので、よく待ち合わせの場所として使われます。
スカラ座
パリ、ウイーンのオペラ座と並び、三大オペラ座と称されるミラノのスカラ座。
外観は比較的シンプルですが、プッチーニの蝶々夫人やトゥーランドットが初演された格式高いオペラ座です。
正面にあるこの博物館にはたくさんの音楽家の手の石膏型やデスマスクなどが保管されています。
※詳しい記事はこちら→スカラ座にショパンの石膏型!? 世界三大オペラ座に行ってみよう!
・博物館は通常午前は9時~12時半まで、午後は13時半から17時半までですが、日によるので確認が必要です。
モンテナポレオーネ通り
ミラノはファッションの流行最先端を行くお洒落な街。その代名詞がモンテナポレオーネ通り。約500mの通りの両側には世界でも有名なブランドのお店などが立ち並びます。お買い物はもちろん、ウインドウショッピングをするだけでも楽しい通りです。お洒落なミラネーゼもたくさん見かけます。
東京の日比谷にも支店を持つ、有名なカフェ・コーヴァがあります。
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア
イタリアの初代国王の名前がついた美しいアーチ型ガラス天井のアーケード。
ドゥオモ広場とスカラ座広場を結んでおり、上から見ると十字の形をしています。屋根付きアーケードなので雨の日でも楽しめるスポットです。そして高級ブランドショップだけではなく、意外と見どころがたっぷりな観光場所です。
※詳しい記事はこちら→ギャレリアは高級ブティックだけじゃない!アーチ型ガラス天井が美しいアーケードの意外な楽しみ方
・入口は4か所あります。ドゥオモ広場からの入口がとても立派なのでおすすめ。
ドゥオモ大聖堂
ミラノのシンボルでもあり中心部に位置するドゥオモ。天を突きさすような135本もの尖塔が特徴的なゴシック建築。
青空を背景に白さが際立つ、その迫力には圧倒させられます。
※詳しい記事はこちら→ミラノのドゥオーモ大聖堂で世界最大級のゴシック建築を堪能しよう!
・こちらのセキュリティーチェックは厳しく、かなり時間がかかるため、余裕を持って行くことをおすすめします。
サンタ・マリア・デレ・グラティエ教会
イタリアは世界遺産の数が51個で世界1位。その中でも特に有名なのがレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」。第二次世界大戦の爆撃から奇跡的に免れ、様々な技術を駆使して500年前の作品を今に伝えています。
・「最後の晩餐」は完全予約制です。1回25名で15分間のみの鑑賞。
・1分でも遅れると入れませんので、時間に余裕をもって行くことをおすすめします。
次ページ:ローマのスポットをご紹介。あの「ローマの休日」の舞台も!
ローマ
ボルゲーゼ美術館
広大なボルゲーゼ公園の中にあるボルゲーゼ美術館。完全予約制の美術館でかつてのボルゲーゼ家のお屋敷です。
所蔵されている美術作品だけでなく絢爛豪華な装飾のお部屋も見どころのひとつです。建物は2階にわかれていますが、上階は主にラファエロなどの絵画。そして下の階にはバロックの巨匠ベルニーニの彫刻とカラヴァッジョの作品が展示してあります。
※詳しい記事はこちら→ボルゲーゼ美術館で出会う、バロックの巨匠ベルニーニ。
・9時から17時まで2時間ごとの完全予約制(それぞれ120名まで)
・地下のクロークにはショップとカフェテリアもあります。
トレヴィの泉
ローマの観光地の中で必ず訪れたい場所の一つがこのトレヴィの泉。ようやく修復工事が終わり再び輝きを取り戻しました。修復工事にはイタリアのトップブランドのフェンディがお金を出したそうです。
路地を抜け急に現れる18世紀の躍動感溢れる海神ネプチューンとトリトンの彫像のダイナミックさも注目です。
・夜のライトアップもとてもきれいです。
スペイン広場
オードリー・ヘップバーンの映画「ローマの休日」で有名になったスペイン広場。残念ながら現在(2016年3月)は工事中で今はここでアイスクリームを食べることは禁止されています。こちらにスペイン大使館がありスペイン広場と名前がつきました。
ブランドのお店が立ち並ぶコンドッティ通りもあり、いつも観光客で賑わっています。
※詳しい記事はこちら→スペイン広場、ローマの休日の舞台のいまを知る
・まわりにある建築物も面白い物が多いので必見。
ナヴォ―ナ広場
古代ローマ歴史地区の中にある楕円形の形をした広場。古代ローマ時代にはここに水を張りボートを浮かべて遊び、競技場もあったそうです。周辺にはカフェテリアもあり市民の憩いの場として人気があります。
パンテオン
2000年前の建築とは思えないほど完璧な円形ドームを持つパンテオン。あのミケランジェロが「天使の設計」とたたえ、ブルネレスキはこのドームを研究し、あのフィレンツェのドゥオモのクーポラを手がけました。全ての神に捧げられた神殿で現在ラファエロのお墓があることでも有名です。
※詳しい記事はこちら→古代ローマ建築パンテオンの”完璧な設計”とは。天井には9mの穴!?
サンタ・マリア・マジョーレ大聖堂
聖母マリア様が現れ真夏の8月にもかかわらず雪が降ったとされる場所に建てられたのがこのサンタ・マリア・マジョーレ大聖堂。
ローマの4大大聖堂のひとつで、多くの巡礼者の方が訪れます。特に20016年は「慈しみの特別聖年」(11月20日まで)ということもあり、「許しの門」(聖なる門)をくぐることができるため注目を集めています。
※詳しい記事はこちら→サンタ・マリア・マジョーレ大聖堂、特別聖年にしか開かない「許しの門」をくぐれるのは今!
文化面で数多くの偉人や遺産を持つ、ヨーロッパの中でも特に人気の観光地、イタリア。
各スポットで歴史に思いを巡らせながら見てまわると、さらに堪能できるのではないでしょうか。