フィレンツェの大聖堂の正面に位置するのはサン・ジョヴァンニ(洗礼者ヨハネ)洗礼堂。フィレンツェの守護聖人である洗礼者ヨハネに捧げられています。
フィレンツェで最も古い歴史を持つ建物のひとつで、1世紀のローマ時代の建物の上に建設されました。
9世紀頃には大聖堂だったのですが、八角形に建て替えられ1128年に洗礼堂となりました。
大聖堂の3つの扉、天国の扉とは
外観はロマネスク様式で白と緑を基調としています。聖アンブロシアヌスは「地上での7日間の生活の後、8日目に人間は救済に至る」と書いているように、「八」角形の洗礼堂は、救済や洗礼の秘蹟の意味があります。
3方向に3つの扉があり、それぞれに名前があります。南扉はアンドレア・ピサーノ作 洗礼者ヨハネの物語、北扉はロレンツィオ・ギベルティ 新約聖書と4人の福音書記者と4人のラテン教会の博士。3つの扉の中で一番有名なのが、大聖堂正面部分に面した東扉です。北扉を作ったロレンツィオ・ギベルティが、今度は旧約聖書の物語を主題とする「天国の扉」を制作しました。あまりの美しさに、ミケランジェロが「まるで天国の扉のようだ」と言ったことから扉の名前がついたと言われています。それぞれ本物は、大聖堂博物館に展示されていますので興味のある方は見に行ってくださいね。
2015年11月のローマ法王フィレンツェ訪問に合わせて、1年間近く外観の修復を行いました。挿入写真は全て修復後の写真となっています。
お得な共通チケット!
中に入るには、入場券が必要です。15ユーロの入場券を購入すれば、48時間以内に、①大聖堂クーポラ、②ジョットの鐘楼、③大聖堂内サンタレパータ教会地下遺跡、④洗礼堂入場、⑤大聖堂博物館の見学が可能なチケットとなっています。(2016年3月現在)
内部はシンプルでとても静かです。天井は圧巻の美しさですよ。
キラキラ輝くモザイクでできた「最後の審判」を中心とする聖書の物語になっています。
1271年には、ほぼ完成したモザイクですが作業は1300年代まで続けられました。
床はオリエンタルな象嵌模様になっています。ちょうど天国の扉の裏手には下記の写真のようなレース編みの象嵌模様があります。
よくみると星座になっていますので、中に入ったら自分の星座を見つけてみてくださいね。
映画の舞台になります!
ダン・ブラウンの書いた「ダ・ヴィンチ・コード」の続編は「インフェルノ」。フィレンツェを舞台にした作品でこの洗礼堂内も物語に出てきます。
去年、ハリウッド映画の撮影が行われ2016年秋封切りとなっています。どんな映画になるのか楽しみですね。
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