フィレンツェの西に位置するサンタ・クローチェ教会。有名人や著名人のフィレンツェの財力者のお墓があります。その数、なんと270基!
お墓以外にも、最後の晩餐がありますよ。
え? 最後の晩餐ってミラノにあるんじゃなかったの?
こんな体験ができます!
サンタ・クローチェ教会は、アッシジの聖人フランチェスコの弟子が、1218年にやってきたことに始まる歴史を持っています。
1294年から建設が始まり、未完成だった正面部分ができたのは1800年代のことです。
有名人のお墓があることで、多くの観光客が訪れています。
こちらはミケランジェロのお墓です。
彫像の前に3人の女性像がありますが、彫刻、絵画、建築という3つのミケランジェロの生涯の仕事を示しています。
女性像はそれぞれ、小さな彫刻や、絵筆、コンパスを持っています。実際に行って観察してくださいね。
こちらはピサ生まれの科学者ガリレオ・ガリレイのお墓です。
多くの芸術家のスポンサーだったメディチ家は、ガリレオの後援者でもありました。
宗教裁判のあと目が見えなくなり、フィレンツェ郊外で生涯を閉じています。
フィレンツェには、ガリレオ・ガリレイ博物館もありますよ。
壁面には他にも、君主論を書いたニッコロ・マキャベリ、音楽家ジョアキーノ・ロッシーニなどのお墓があります。
壁面のお墓は、絵画と彫刻と建築が一体化したひとつの芸術品のようです。
この教会は、壁面だけでなく床までお墓だらけです。摩耗してしまい誰のお墓なのか識別が困難なものさえあります。
中世からルネッサンス期にかけてフィレンツェには多くの銀行家がいました。
しかし、銀行業務としての仕事「利子で儲ける」ことはカトリックの上では禁じられていたのです。
巨額の富を得た名家の人びとは、清貧をモットーとするフランチェスコ会のこの教会に埋葬されることを「謙虚に死をむかえた」と考え、自身のお墓のために莫大な利益を出費していました。
勿論、銀行家だけでなく、資産家、著名人などのお墓が並んでいます。
中央主祭壇には、14世紀アーニョロ・ガッディが描いた、「聖十字架物語」の美しいフレスコ画があります。
イタリアの芸術品の数は世界有数を誇っていますが、実はその修復費用は慢性的に不足しています。
近年、日本人の篤志家で画家の黒田哲也氏が寄付し、修復が行われたことでも話題になりました。
教会内はその他にも、ジョットの壁画やチマブエの十字架像など見どころたっぷりです。
左奥の扉からいったん教会を出て、南側の建物に入ってみましょう。
会議などにも使われているこの空間ですが、かつては教会になる予定でした。
途中で変更され、こちらは後年食堂になりました。
このフレスコ画の下部には、よく見ると「最後の晩餐」が描かれています。
最後の晩餐ってミラノにあるんでしょう!? と日本人のお客様から聞かれます。
レオナルド・ダ・ヴィンチがミラノで描いた最後の晩餐が有名すぎて、他にも沢山の画家たちに描かれている事は意外と知られていません。
実は、1400年代以降、修道院の食堂に最後の晩餐が描かれるようになりました。
フィレンツェには、ほかにも最後の晩餐の壁画が何ヶ所か残っています。
さて、見どころいっぱいの教会の入場料は大人6ユーロ、11歳から17歳までの子供は4ユーロです。(2016年3月現在)
親子ファミリー割引という面白い制度も。両親は4ユーロずつ、子供はひとりまで無料。ふたり目からは子供2ユーロとなっています。
詳しくは公式サイトをご覧ください。
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