パリ・2017年のイルミネーションは派手さはないけど、やわらかい光に包まれる。
フランス

今年も、始まりました。パリのイルミネーション。2017年は、こんな感じ。

大通りや目抜き通りの派手な装飾は年々なくなってきている分、心ほーっとさせられる、やわらかい光に包まれたNoël (クリスマス)の飾り付けが、街のそこここで見られます。

従来、1番勢いのあったはずの2ヶ所(オスマン大通りシャンゼリゼ大通り)は、今までのようなきらびやかな電飾ではなくなったけれど、エコに取り組むパリ市ならではの工夫されたイルミネーションが、各界隈で見られます。だから、今回は、他の地区も加えてご紹介しますね。

シャンゼリゼ大通りは、今年はちょっと静かなクリスマス。

恒例のクリスマス・マルシェが中止になってしまった今年のシャンゼリゼ大通り。あの真っ白く連なるシャレーがなくなってしまったので、夜の帳がより深く感じられて、イルミネーションも少し淡い印象になっています。


でも、坂道を下りきった先、La Grande Roue de la Concorde (コンコルド広場)の名物の大観覧車は例年通り戻って来てくれているのが嬉しいですよね。来年5月5日まで。

オスマン大通りは、きらびやかな電飾の世界から、華やかなシンプルモダンスタイルに。

そして、毎年恒例のオスマン大通りのデパートのショーウィンドーたち。数年前には、建物全体を覆うように電飾が施されていましたが、去年はまったく違ってシンプルでクールな華やかさに。そして、今年は一転、カラフルで、シンプルモダンになっています。

まずは、プランタンデパート。なんともいえない優しいニュアンスたっぷりの色合い。うんときらびやかだった頃より、今のほうが素敵(と思いませんか?)。



なんだか、おとぎ話の世界ですよね。

隣に続くギャラリーラファイエットは、国旗をイメージさせるカラーの縁取り。ショーウィンドー内の色のトーンもやや濃い目です。

ショーウィンドーそれぞれの前に設置されている階段つきの橋のようなものは、小さな子ども達でも十分に中が見られるようにとの配慮から。

ここに来ると、なんだかとてもノスタルジックで幸せな気持ちになるのは、子どもの頃、読んで想像していた童話の世界が、飛び出してきて広がっているような感覚を覚えるからかも。

これだけテクノロジーが進化していても、昔ながらのクリスマスのショーウィンドーの存在が愛されているのは、思い出も含めて五感を刺激してくれるからかもしれませんよね。

サントノーレ通りから、ヴァンドーム広場へ。

この時季、お店が閉まったあとのサントノーレ通りの散歩も、ちょっといい感じなんです。

ウィンドーショッピングも心置きなく……そして、途中で、ヴァンドーム広場に抜けると、パッと視界が開ける瞬間がなんとも心地よくて。

シックで品のあるこの広場の飾りつけは、寒くなければ、ずーっと眺めていたいぐらい。私にとっては、パリに来る前にイメージしていたパリそのままの場所です。

マレ地区にも行ってみましょう。

パリに来る前といえば、マレ地区のイメージは、とことん新しいタイプのパリというか、アヴァンギャルドなイメージで、アーティスティックな人達のための界隈と思い込んでいました。

でも、来てみたら、クラシックな部分とモダンの、下町風と富裕層の混在する地域で、ラフではあるけれど安っぽさがないのが、なんとも魅力的なんです。イルミネーションも、今年1番お薦めなのは、マレ地区でしょうか。

私にとっては、パリ市庁舎の反対側、BHV(というデパートとも総合雑貨店ともいえる存在)から北側のほうがすでにマレ地区という感覚なんですが、そのBHV。

今年は、こんな真紅。カラートーンは、昔ながらのクリスマスに回帰(たとえば、去年は紫でしたから)。でも、設えはモダン。ショーウィンドーは、ブルー基調……でも、こうして遠目に観ると、トリコロール(フランス国旗の色)基調に思えませんか?


そう、ギャラリー・ラファイエットも、そういえば赤と青ですよね。トリコロール(愛国心)を表現しているのではないかと、私は感じています。

この10月31日で、ようやく非常事態宣言が解除になって、2年ぶりに常時のクリスマスを迎えられるフランス。街の警戒態勢もすっかり落ち着き、ほーっとした空気になって来ています。

さてさて、私が今年マレ地区をお薦めしたい理由は、たとえば、こんな感じ。

そして、ボージュ広場から入り込んだ先に存在するこちらのホテルLe pavillon de la Reine。シックな5ツ星です。

これぞパリ、でしょう?

Paris est une fête パリほど素敵な街はない。

邦題『移動祝祭日』というヘミングウェイの小説の原題は、Paris est une fête。どう訳したら一番伝わるのかと、何度か思い巡らせたんですが……的には、"パリほど素敵な街はない"。

2年前のテロの後に、この本は、タイトルがその後の市民たちのスローガンになったこともあって、改めて注目されて、とても売れました。というより、すぐに売り切れました。そしてその後、何度も延長を繰り返してきた2年間の非常事態宣言は、実は結構皆、心理的ストレスがありました。

フランスで暮らしていると、不便なことだらけで、うんざりさせられることもいっぱい。それでも、季節の行事の楽しみもいっぱい。そのひとつが、クリスマスのイルミネーションです。

この記事を書いた人

ボッティ喜美子

ボッティ喜美子仏日通訳翻訳・ジャーナリスト

フランス在住。東京で長らく広告・PR業に携わり、1998年に渡仏。パリとニースで暮らした後、2000年からパリジャンの夫の転勤で南米ブエノスアイレスへ3年、出産も現地で。パリに戻り、地中海の街マルセイユへ転勤して13年。南仏拠点で時々パリの実家へ、家庭優先で仕事しています。Framatech社主催の仏ビジネスマン対象のセミナー『日本人と仕事をするには?』講師は10年目(年2回)。英語・スペイン語も少々。

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