観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地

沖縄のパワースポットと言えば、久高島や斎場御嶽(せふぁーうたき)。これらは琉球の国作りの神々、アマミキヨとシルミキヨゆかりの聖地でもあります。しかし沖縄にはもう1つ、龍神夫婦による国作りの神話があることをご存知でしょうか。

最初に琉球に降り立った夫婦神とその子孫の合計12柱の龍神への信仰の印として、沖縄本島には龍神ゆかりの聖地が点在しているのです。というわけで今回は、観光客が訪れない龍神パワースポットを4箇所ご紹介します!

まるでジブリの世界!? 最初に降臨した龍神の聖地

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


那覇の海の玄関口・泊港からほど近い天久(あめく)地区。東側は元米軍基地から返還されてから再開発が進み、現在では高級住宅地やマンションが立ち並ぶ瀟洒な界隈である一方、海に面した西側は崖の地形で、埋め立て前の海岸線跡がそこかしこに見て取れます。そんな海に近い西側こそが、実は今回ご紹介したい龍神の聖地なのです。

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


古来より沖縄の人たちは、海辺の岩礁などに御嶽(うたき)を設け、神々への祈りを捧げ続けてきました。そんな沖縄の信仰に触れる今回の旅で最初に向かうのは、「天龍大御神父龍(てんりゅうおおおんかみふりゅう)」の御嶽。通称「父龍」と名がつくように、琉球に最初に降臨した龍神と言われています。

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


海に近い崖下の道を進み、ガレージとマンションの間の路地に入ると、水のせせらぎが耳に入ります。敏感な方ならその時点で空気が一変するのを感じるかもしれませんね。

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


せせらぎの正体は苔とシダ植物に覆われた、湧き水であふれる泉。今でも地域の方々が使っているのでしょう、水は透き通っています。泉の近くに降りる際、踏み石が滑りやすく、ぐらつくことがあるので足元にはご注意を!

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


そして、湧き水の向こう側―大きなガジュマルの木に守られるように、父龍の御嶽が鎮座しています。そこはまるでジブリアニメのような神秘的な世界が広がっていました。神々しい貫禄をたたえたエネルギーに満ちているので、あなたもきっと自然と頭を下げ、手を合わせたくなることでしょう。

●天龍大御神父龍

沖縄県那覇市天久1174

つがいの龍神―母龍

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


元来た道へ戻りさらに北上すること数分で、通称「母龍」こと、父龍の妻・天久臣乙女王神(あめくしんおとめおうかみ)の御嶽に到着。こちらも車道からマンションと住宅の間の路地へ進む形になるのですが、突き当たりの拝所が目印になるでしょう。

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


珊瑚礁とおぼしき岩壁の裏側へ回ると、母龍の塚が視界に入ります。父龍の御嶽とは雰囲気が異なり、母龍だからかどこかまろやかで包み込むような優しいエネルギーを感じました。興味がある方は、ぜひ実際に足を運んで両方のエネルギーを肌で感じてみてください。

(但し崖下の地形上、土砂崩れの危険性もあるため参拝の際にはご注意を)

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


ちなみに沖縄の龍神信仰については、本記事の最後に簡単に解説するのでぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです!

●天久臣乙女王神

沖縄県那覇市天久

琉球八社「天久宮」の龍神

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


沖縄の神社を語る上で欠かせないのが「琉球八社」と呼ばれる代表的な8つの神社。その中の一社「天久宮」は、父龍と母龍の御嶽にほど近い坂の上に鎮座しています。

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


神秘的な創建の逸話が伝えられているのに加え、龍神「弁天負泰彦大神(べんてんよりひこおおかみ)」も祀る神聖なパワースポットなのです。

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


天久宮は構造が独特で鳥居脇の階段を降りて境内に入ります。さらに地下へ降りるとそこには、上階からの光に照らされ神々しさを漂わせた泊ユイヤギウタキ(御嶽)がありました。

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


沖縄の神社は元々御嶽がある場所が多く、天久宮も例に漏れません。沖縄土着の神様に加え本土由来の熊野三神・弁財天を合祀する神社。スピリチュアル要素も歴史的要素も兼ね備えており、訪れる価値大のパワースポットです。

天久宮
沖縄県那覇市泊3丁目19-3

昔は海の底だったパワースポット

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


最後にご紹介する龍神スポットは、天久から少し南下した泊港にほど近い若狭地区にある、用水路沿いの夫婦瀬公園内に鎮座しています。一見何の変哲のない、地域住民の憩いの場なのですが、足を踏み入れてみると大きな岩がいくつもそびえ立つ不思議な空間・・・

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


実はこの岩は「夫婦岩(みぃーとぅじー)」と呼ばれ、大昔は海に浮かぶ小島だったのです! もともとはこの辺り一帯まで海が広がっており、近代埋め立てられてできた陸地なのだとか。そんな背景を知って岩の間を歩いていると、まるで海中散歩のような不思議な気分になりました。

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


ある大きな岩の上へ登ると、そこには弁天負久知姫神(べんてんよくちひめのかみ)の御嶽が佇んでいます。案内板があるわけではないので、「呼ばれていないとたどりつけないパワースポット」といっても過言ではないでしょう。筆者自身も数周園内を探してもみつからず、最後には直感頼りで手がかりを探し、やっとの思いでたどり着くことができたのです。

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


龍神の御嶽はあくまでもご当地の方々の神聖な場所。楽しみ気分の観光客に開かれた場所ではないということを理解しておく必要があります。それでもあえて場所をお伝えすると、園内のトイレを背中にして正面にそびえ立つ岩がヒント。あなたが龍神様とご縁があるならば、きっとたどりつけることでしょう。

●弁天負久知姫神

沖縄県那覇市若狭3丁目32

沖縄の龍神信仰を少しだけ解説

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


今回は沖縄の龍神スポットを4つに絞ってご紹介しましたが、実際には沖縄本島には12の龍神の御嶽が点在しています。その理由も含め最後に少しだけ、沖縄の龍神について解説させてください。

最初にご紹介の父龍と母龍が、日本神話で言うところのイザナギノミコトとイザナミノミコトと似た役割を担う国生みの夫婦神です。そして琉球の龍神信仰ではこの二柱を「神代1代」と考えており、その子(神代2代)と孫の世代(神代3代)まで続き、合計12柱の龍神が揃います。

観光客が知らない沖縄のパワースポット―那覇の「天久」に鎮座する4つの龍神の聖地


12という数でピンときたあなたは鋭い! そう、十二支と同じ数ですよね。沖縄の龍神信仰は干支とも密接な関わりがあり、それぞれの龍神に十二支が当てられているのです。


例えば今回ご紹介した龍神だと

・天久宮の弁天負泰彦大神:神代3代の龍神、干支は午

・若狭の弁天負久知姫神:神代3代の龍神、干支は巳


どちらも父龍と母龍の孫に当たる神様ということがわかります。沖縄の龍神は本土の龍神とはまた異なる性質があり、知れば知るほど沖縄の奥深さを感じます。そして、今回ご紹介したパワースポットはほとんどの観光客が知らない場所なので、静かで神聖なエネルギーが感じられるはず。あなたも次の沖縄旅行では、スピリチュアルな世界に触れてみませんか。

この記事を書いた人

ユルワ

ユルワ

占い師兼英語コーチ兼ライター。有名どころ~マイナーだけど霊験あらたかな穴場に至るまで、パワースポットを発掘するのが得意です。他にも西東京~西埼玉・西武線界隈をうろついたり、本好きにはたまらないスポットもご紹介しています。 モノはないけど海が超絶きれいな太平洋上の島国と激安激ウマのベトナム・ダナンで通算3年間に及ぶ海外暮らし経験有。次はどこで暮らそうかなと思案中です。

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