JR中央線沿線は、個性派揃いのお店が軒を連ねる魅力的なエリアですが、実は数々の隠れたパワースポットが多いのもご存知でしょうか。たとえば近年有名になった「馬橋稲荷神社」。参道にそびえ立つ、見るからに開運してくれそうな双龍の鳥居は、テレビを含め各メディアで何度も取り上げられています。
馬橋稲荷神社に加え、中央線のお伊勢さんとも言うべき「阿佐ヶ谷神明宮」と白蛇様を祀った「阿佐谷弁天社」も筆者イチオシのパワースポット。というわけで、阿佐ヶ谷パワースポット巡礼のお散歩スタートです!
馬橋稲荷神社

高円寺と阿佐ヶ谷の間、かつては漫才コンビ・オードリーの春日さんが暮らしていた某アパートの目と鼻の先に、まばゆいほどに鮮やかな朱赤の「馬橋稲荷神社」の鳥居がそびえ立っています。
閑静な住宅街に鎮座する神社ですが、占い師芸人の島田秀平さんが各メディアで紹介したり、テレビ番組「マツコの知らない世界」でも取り上げられたりしたことで、昨年頃から注目されるようになりました。

その秘密は二の鳥居、左右の柱に昇り龍と下り龍が施された「龍の鳥居」です。都内でも三社しかない珍しい龍の彫刻の鳥居が、馬橋稲荷神社の開運ポイントなのです!
なんでも先述の島田秀平さんの芸人仲間の方が、近くに住んでいてこの昇り龍のようにブレイクしたことを受け、開運にあやかるべく島田さん自身も馬橋稲荷神社に通うようになったのだとか。

昇り龍に手を当てて、自分の決意を告げると良いそうです。ただお願い事をするのではなく「私は~に挑戦するので、どうか見守ってください」と唱えるのが良いそうです。

馬橋稲荷神社の魅力はもちろん龍の鳥居に留まりません。参道を進んだ先にある手水舎は、それだけで一体の岩山のように立派で、荘厳なエネルギーを放っています。参道を囲むように湧き水が流れており、それが結界の役割を果たしているのか強いご神気が感じられました。

歴史を感じさせる社殿でごあいさつ。よく見ると社殿の神額が3つ並んでおり、お稲荷さん以外にも主祭神がいらっしゃることがわかります。

●ご祭神
・宇迦之魂神(うかのみたまのかみ):稲荷神社の神様
・大麻等能豆神(おおまとのづのかみ):御嶽神社の神様
・菅原道真朝臣(すがわらみちざねあそん):天満宮の神様
公式サイトによると、さらに伊弉册神(いざなみのかみ)も相殿の神様として合祀されていることから、馬橋稲荷神社がお稲荷さんのみならず、様々な神様の住み処だとわかります。ご由緒によれば、鎌倉時代末期ごろから鎮座していたと言われる稲荷神社に、明治以降近隣の神社が合祀されたことで現在の形になったそうです。

社殿の左側には弁財天(市杵島姫命)を祀った厳島神社が鎮座。何でもかつてこの地域には湧き水が点在し、各地で水神様や弁天様が祀られていたそうで、それらの神様達がこの厳島神社に合祀されています。

筆者は個人的にほかの稲荷神社とはひと味違う雰囲気を感じましたが、周辺地域の神々が集結する神社だからこそということで納得。かつては「馬橋」と呼ばれた土地のあらゆる神様のエネルギーが充満する馬橋稲荷神社なら、努力を惜しまないあなたの背中を後押ししてくれると思いました。
●馬橋稲荷神社
東京都杉並区阿佐谷南2丁目4番4号
阿佐ヶ谷神明宮

阿佐ヶ谷開運巡礼の道はまだまだ続きます。馬橋稲荷神社からJR阿佐ヶ谷駅の高架を北口方面に抜けて少し歩くと、町中に突如森が登場。その正体が、中央線のお伊勢さんとも呼ぶべき「阿佐ヶ谷神明宮(しんめいぐう)」です。

「神明」と名がつくのは天照大御神を祀った伊勢神宮由来の神社を指します。ご由緒は大変古く、日本武尊が東征から西へ戻る際に阿佐ヶ谷で休息を取ったことから、土地の民とご縁が生まれ、日本武尊を慕って創建したのが始まり。

町中の小さな神社と侮ってはいけません。社殿とその奥に広がる3つの本殿が織りなす厳かな世界は、伊勢神宮と通じるものがあります。本殿の三社は主祭神の三姉弟、天照大御神・月読尊(つくよみのみこと)・素戔嗚尊(すさのおのみこと)をそれぞれ祀るお社です。

阿佐ヶ谷神明宮で有名なのが、全国で唯一の「八難除(はちなんよけ)」と呼ばれる厄除けのご祈祷。厄年に当たる人はもちろんのこと、「最近うまくいかないな~」と停滞感を感じている人も、神聖な空気に触れてご祈祷を体験すると良いでしょう。

レース状のブレスレッドになっている「神(かん)むすび」のお守りは、女性を中心に大人気。身につける人の開運が祈願されており、最終段階では巫女さんが担っているとのことで、まさに手仕事によるお守り。公式サイトで阿佐ヶ谷神明宮独自のお守りと紹介されていることから、阿佐ヶ谷神明宮はオリジナル要素が高い神社ですね。

筆者が訪問した際は折しも桜の季節だったため、期間限定で桜をモチーフにした「神むすび雅 花盛り」が好評販売中でした。
東京都杉並区阿佐谷北1-25-5
阿佐ヶ谷弁天社

最後にご紹介するのは、巳年にオススメの白蛇様を祀った「阿佐ヶ谷弁天社」です。阿佐ヶ谷神明宮から歩くこと数分、こぢんまりとしていますが、立派なケヤキのご神木が目印になっています。

立派な太い幹のケヤキに守られるように鎮座するのが弁天社。

お社の脇には弁財天のご神使の白蛇様の祠もあります。

白蛇様画像を見ると本物のようですが、もちろん作り物なのでご安心を。
阿佐ヶ谷弁天社には妙相稲荷社も鎮座していますが、あいにくご由緒などの詳細は不明。白蛇の祠には「私有地」の記載があるので、地域の方が管理されているのでしょう。

現在とは違って、かつての阿佐ヶ谷界隈は湧き水が点在した農地だったことから、この弁天社も往年の湧き水を祀ったパワースポットと言えるでしょう。実際に今でも掃除が行き届き、きれいに管理されていることから、阿佐ヶ谷の方々が今も尚神様の住処を大事にしている様子が伝わってきました。

画像では木々がすっかり落ちてしまい少し淋しい印象ですが、調べてみると暖かい季節には木々の緑が生い茂り、都会のオアシスのような景観となり、パワースポットの趣も倍増することでしょう。弁財天は開運の神様なので、12日に1回訪れる巳の日にはぜひこちらの阿佐ヶ谷弁天社でお参りを!
●阿佐ヶ谷弁天社
東京都杉並区阿佐谷北1丁目8-6
阿佐ヶ谷は開運出世のパワースポット!?

阿佐ヶ谷のパワースポット3カ所を巡り、改めて「阿佐ヶ谷に住んでいてブレイクした芸人さんが多いのでは!?」と気づきました。
例えば、冒頭のオードリーの春日さんは下積み時代から20年間阿佐ヶ谷で暮らす間に、ベテラン芸人に大出世。2022年にはTV番組出演ランキング第1位となった上に、2024年には東京ドームでライブ開催するまでに至りましたよね。春日さんが馬橋稲荷神社を参拝していたかは不明ですが、まさに「昇り龍」のような快進撃。
ほかにも阿佐谷で長く暮らすお笑いコンビ阿佐ヶ谷姉妹も忘れてはいけません。周知の通り現在お二人は、テレビにラジオ、そしてエッセイ執筆など多方面で大活躍されています。

JR中央線沿線にはお笑い芸人や役者、ミュージシャンが集まる文化地帯。かつては著名な作家達が集まる文士村だった時代も。やはりこの阿佐ヶ谷という町は、クリエイターの運気上昇に導く神様がいるパワースポットなのかもしれません。あやかりたい方はぜひ、阿佐ヶ谷でお参り散歩をしてみませんか!