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人気沸騰寸前のリゾート「コート・ブルー」ってどんな場所?
フランス

さて、この頃では知る人ぞ知る、南仏のもうひとつの地中海エリアをお届けしますね。住人はそう多くないままながら、オフ時間や休日を過ごしに行く人で賑わう日常の中のリゾート空間……

たとえば、こんなのいかかでしょう?

隠れ家レストランとして愉しんでいる”Cote Bleue(コート・ブルー)“のNiolon(ニヨロン)の入り江に面したビストロからの眺めです。この辺りも、世界中のガイドブックにも載るようになって、すっかり知られるようになりました。でも、景観は10年前と変わらないまま

地中海にある2つの海岸

地中海の《紺碧海岸》といえば「Cote d’Azur(コート・ダジュール)」が有名ですが、もう1つ「Cote Bleue(コート・ブルー)」もあります。

「Cote Bleue(コート・ブルー)」は、マルセイユの西に広が白い岩肌の海岸線のつづく地区の総称です。同じ地中海沿いのサントロペやニース、カンヌで知られるCote d’Azur(コート・ダジュール)とちょうど反対側。

初夏になると、もう観光客でいっぱい。だから、一般車両は線路の上の方、(入り江とはまた別の)カランクへのアクセスのある空き地手前で通行止めで、付近の住人もしくはこの地区の宿泊客の送迎車しか下まで降りることはできません。それでも、道が細いせいもあって大混雑することはしばしば。

でも、大丈夫! マルセイユの玄関口サン・シャルル駅から、在来線で20~25分(時間帯によって所要時間が変わります)で来れてしまうんです。

こんな風に地中海沿い!に。

南仏は、海岸線も山道もうねうねとしていたり標高差が出ることもあって、車酔いしがちな人や耳抜きがうまくいかない子ども連れだと時間やタイミングの工夫も必要。

でも、海沿いルートの電車なら、そうした気遣いもいらないし、誰もハンドルを握らずに済むから、ロゼワインを躊躇せずに楽しむことも出来るメリットも。

写真は、Niolon駅直前のカランク。真夏はもっとエメラルド色に明るく透き通るんですよ。ここは、ビストロのある入り江から徒歩3分ほどの岩場からの眺め。さらに10数分で、下の浜辺にも出られます。

名画の場所も楽しめるTrain Bleuトラン・ブルー路線

セザンヌの愛したエスタックやデューフィーのマルティーグなどなど、南仏を愛した画家達の名画の舞台を愉しめるこの路線は、ミラマまで1時間15分ほど。座席指定のある特急などとは違うので、お天気次第での思いつきで、チケットを買って飛び乗れるのも魅力です。

イースターの祝日だったこの日、私達が乗った電車が到着したのは12時45分。

向こうに見えるトンネルの上は橋になっていて、さっきの岩場から線路の反対側へ出られます。その先を進んで、右手に下りていくと、浜辺に到着!というしくみ。初めてでも迷いません。

電車の扉が開いた正面に飛び込んでくる光景は、こちら。

すぐ下に見えているのが、冒頭で紹介したビストロのある入り江です。その右側、緑の葉で覆われたテラスの店がそのLa Pergola Niolon。(地図はこちら

そして、後ろを振り返ると、こんな趣ある駅舎が。この脇が出入り口です。とはいえ、ご覧の通り、普段は無人駅。ホームと線路の段差はほとんどない昔ながらのつくり。電車が行ってしまうのを待って、めいめい渡ります。

夏休みには、コントローラーと呼ばれる検札係の人たち(何人もなんです)が、ズラリとホームで待ち受けているので、電車があのトンネルを抜ける頃には、窓から飛び降りて柵を乗り越えたり反対方向へと駈け逃げて行く少年達の姿を見かけることも。

初めて見た時には、驚きました。というより、あっけに取られるという言葉を初めて体感した気がします。どうりで、水着姿で手ぶらで乗っていたわけです。

“正しい道順”は、この駅舎の脇を出て通りを左へ。

まっすぐ進むと、カランクのハイキングコース。すぐに、左へ線路下を抜けて左に曲がって階段を下りると、入り江はすぐもう目の前。その前に、ちょっと寄り道しましょう。

試してみたい、パノラミックな眺めのダイニングがあるオーベルジュ


階段を下りないで、まっすぐ進むと、パノラミックなレストランスペースを持つオーベルジュがあるんです。Auberge du Merou

宿泊していなくても昼夜はビストロとして利用出来るんですが、マルセイユ住まいの子ども連れとしては、入り江の水際の方が居心地よくて、こちらはまだ一度も。

夫の友人のひとりは、もっぱらこちらを気に入っているそう。確かに、夏の朝や冬の夜に泊りがけで来るのは、格別に気持ちよさそうです。

素泊まりなら1部屋(2人)で計49ユーロ、朝食付きなら1人につきプラス6.5ユーロ、朝食・夕食付きなら(2人で)計105ユーロ。ちょっと魅力的でしょう?

ちなみに、こちらが、外階段を上がった入り口からの眺め。午後3時過ぎでも、窓際の席で食事中の方達がいたので……

下に入り江が見えるでしょう? そう、駅からの写真には写ってはいないんですけど、ここはあのフェンスからまっすぐ下ってきた地点。

こちらの写真でわかるように、本当に小さな入り江なんです。地中海沿いに、鉄道駅がポツンポツンと続く小さな集落……イタリアのCinque Terreチンクエ・テッレとちょっと通じる存在感。昔々からの、国境を越えた、共通の暮らしスタイルを感じさせられます。


さて、このオーベルジュを通り抜けたすぐ先、正面の家の向こうに白い岩肌広がる森のような広がり、あれもカランク。広がる風景はこちら。

この写真から90度左に体を向けると、最初の方で紹介した浜辺を見下ろせる崖へ。

テラス大好きなフランス人ならではの、水際の木陰のビストロ

さて、話は戻って、こちらが最初にご紹介した水際のビストロLa Pergola。かなり広くて心地いい空間です。

写真が、この店のマダム。テキパキと、でも、ゆったりと、各テーブルへ。

おなかペコペコだったので、取り急ぎ前菜にはすぐに期待できるソーセージ類の盛り合わせ。そして、地中海マグロのタルタル(セビーチェみたいな柑橘風味が新鮮)。

本日のお薦め、羊肉の1番美味しい部分。旬の紫アスパラガス(茹でると穂先が緑色になります)と。

地中海名物のイカのガーリックグリル&イカ墨リゾット。

定番、アサリ(というより厳密には種別は小さなハマグリ)のパスタは、南仏名物(バジルの)ピストゥーソースベースの濃厚味。

デザートは、この日は満席フル回転だったせいで、品切れのものが多くて、メニューとは異なるしフォトジェニックではないものだったので、写真はなし。

でも、頼んだのは、ライム風味のパンナコッタとカフェグルマンと呼ばれる3種のデザート盛り合わせ、そして、メロンのアイスクリーム。実は、頼んだものとは違ったので、なんとお店からのサービスにしてくれました。

そして、こちらがそのご主人のシェフ。木漏れ日溢れるパーゴラの空気、届きますか?

お腹いっぱいになったあとは、カランクを散策。地中海、そして、浜辺を見下ろしたら、山側へ。

線路を、そして、駅舎を見下ろせるこの場所は……そう! 最初に電車から降りたときの写真の向こうの先に見えていたトンネルの上の橋部分からの眺め。

この先、右に曲がると浜辺に降りる道、左に坂道を下れば駅。
暮らしの中のプチ・ヴァカンス時間です。

Niolon

PROFITEZ-EN 教えたくないけど、やっぱり、教えたい! マルセイユのとっておきの場所たち

シックな地区に住んで、マダムを気取って(というよりも、それなりに小ぎれいにしていないと、フランスは見た目で判断されることも多いので)来たんですが、ある朝、我が家の1本裏手の道で、年配の登山服の人たち10数人が遭難しているところに出会いました。近づくにつれ耳に入ってきた言葉は……日本語でした(かなりの衝撃)。

(一瞬躊躇したものの)訊くと、日本人ガイド女性が徒歩でノートルダム大聖堂に連れて行くところ迷ったそう。歩いていくコースはどれも我が家とはうんと離れたところが基点。「1時間半以上かかります。ちなみに、バスなら15分ほど」というと、「知ってます。でも、繁華街を通ると危ないから!」とあからさまに嫌な顔をしたそのガイドさんは、どうやら在仏の方で、ワンピース姿でひょいっと出てきた私を珍しがっていろいろ質問してくるツアー客の言葉を遮ると、やみくもにずんずん先に進んでいきました。

確かに危険はいっぱいですが、そこまで極端にずれなくてもいいんじゃないかと悲しくなりました。たとえば、高輪辺りに登山姿の外国からのツアー客がいるのを想像してみてください。靴も杖もフル装備で、目的地は東京タワー。

でも、確かに、情報が少ないままなマルセイユ。訪れる機会があるかどうかは別として、イイところいっぱい知っていただけたら。この場所も、知ってさえいれば簡単に行けるところ。出し惜しみしないことにしました。

空気が届けば幸いです。

この記事を書いた人

ボッティ喜美子

ボッティ喜美子仏日通訳翻訳・ジャーナリスト

フランス在住。東京で長らく広告・PR業に携わり、1998年に渡仏。パリとニースで暮らした後、2000年からパリジャンの夫の転勤で南米ブエノスアイレスへ3年、出産も現地で。パリに戻り、地中海の街マルセイユへ転勤して13年。南仏拠点で時々パリの実家へ、家庭優先で仕事しています。Framatech社主催の仏ビジネスマン対象のセミナー『日本人と仕事をするには?』講師は10年目(年2回)。英語・スペイン語も少々。
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