みなさんはおでかけのときに、どのような交通手段を使うことが多いですか? 近場であれば自家用車、離れた場所なら新幹線や飛行機を使う方が多い印象です。
車の運転が苦手なため、近距離、遠距離に関わらず鉄道を利用することが多い筆者。しかし、この日は、いつもと気分を変えて“船”での移動に初挑戦してみました。
今回、和歌山港から和歌山湾を横断して徳島港へ向かうルートを乗船したのは「南海フェリー」。港へ向かうまでに乗車したユニークなデザインとともに、初めとの船旅を経験した感想をレポートしたいと思います。
和歌山市駅から南海電車に乗って和歌山港駅へ
今回の旅の出発地点は、和歌山県和歌山市にある和歌山市駅。同市内には「和歌山駅」と「和歌山市駅」があるので混同しがちですが、和歌山市駅にはJR線だけでなく南海電車も乗り入れています。
現地の天気予報は曇りのち雨。この日は日本近海に台風が接近しているということで、和歌山市に降り立った時点でなかなかの強風を感じていました。このままフェリーが運休になったらどうしよう…と、少しだけ不安になりましたが、この日は終日平常運航ということだったので、さっそく和歌山港駅へ移動します。
和歌山市駅と和歌山港駅を結ぶ南海和歌山港線を走るのは、色鮮やかなブルーをまとった2両編成の電車。おおよそフェリーの出航時刻に合わせて運行されており、途中駅なしで4~5分ほどの乗車時間となります。
南海電車を利用して和歌山港へ向かい際にぜひチェックして欲しいのは、和歌山港線の電車にのみ施されているこの特別な内装。これから海辺の港へ向かうことにウキウキするような、可愛らしい海の仲間たちの絵柄が施されたシートのデザインは必見です。
電車内に配置されたつり革のデザインも、水生生物のフォルムを使用したユニークなデザイン。都市部の電車にある中刷り広告はなく、魚の群れや海藻を模したカーテンが吊り下げられていました。
和歌山港フェリーターミナルに到着! 乗船前の準備も忘れずに
和歌山港駅で下車して海の方へ1分ほど歩いて行くと、フェリーターミナルの入口に到着します。乗船券を持っていない場合はここで購入することができますが、スムーズに乗船するために、南海フェリーの公式サイトで事前予約をしておくとよいでしょう。
フェリーターミナルの中はとても簡素で売店などはないため、食事や飲み物などは電車へ乗る前にあらかじめ購入してからフェリーターミナルへ向かいましょう。
前述したように、日本近海に台風が接近していたこの日。和歌山港へ着いた頃には雨も降り始めていたので、波で揺れて乗船中に体調が悪化しないよう、事前に酔い止めを飲んでおきます。
乗船時間は2時間強! 船内では何をして過ごす?
和歌山港と徳島港の間を往復しているフェリーの名称は「あい」と「かつらぎ」。いずれも乗船時間は2時間強となっており、船旅ビギナーでも挑戦しやすい短時間の航路となっています。
船内の席数はかなり多く、悪天候かつ閑散期のこの日は、1~2割程度の乗船率でした。
好きな座席を選び放題だったので、まずは電源のある作業ブースと窓側にある広めの席をキープ。窓から遠くの景色を眺めることができるため、船酔いしにくく、体調が良いようであれば、確保しておいた電源ブースでパソコンを開いて仕事をしようと考えてこの2カ所を選びました。
電源のある席は人気が高いようで、筆者が席をキープした直後から若年層やビジネスマンの乗船客ですぐ満席に。やはりみなさん、乗船中の暇な時間はスマホやパソコンを使いたい様子です。
雨が降っていたので短時間で切り上げましたが、出航後は甲板に出て外の空気を吸うのも気分転換になります。天気が良ければ瀬戸内海に浮かぶ大小の島々を肉眼で臨めるということなので、この日が悪天候であることがとても残念に思えました。
見た目は荒波…? しかし揺れはほどほど
船内の窓から水面を見下ろしてみると、かなり波が荒れているように見えました。しかし実際は、船体に海水が当たり波打っているだけで、雨天時にも関わらず大きく揺れることはありません。
甲板に出て遠くの景色を見てみると、穏やかに波打つ海が広がっていることがわかります。
乗り物酔いしやすい筆者ですが、あらかじめ酔い止め薬を飲んでおいたことも相まって、乗船中のおよそ2時間を快適に過ごすことができました。
下船時は“萌えキャラ”がお見送りしてくれる
この日、徳島港へ到着したのは16時すぎ。乗船時は気付きませんでしたが、下船時には船体に描かれた可愛い女の子のイラストを見ることができました。セーラー服に南海グループのロゴマークが記されているので、このキャラクターは南海グループのオリジナルキャクターでしょうか? (アニメやマンガに詳しくないので、違っていたらごめんなさい…)
今回利用した南海フェリーは、車両の持ち込みがなければ片道2500円で和歌山~徳島間を移動することができます。瀬戸内海側を経由して同区間を移動するよりも時間と運賃の節約になるので、みなさんも関西~四国間を移動する際は、ぜひフェリーでの移動も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?
●南海フェリー