南仏プロヴァンスが好きな人たちの間では、知る人ぞ知る存在のCassisカシ。地中海沿いにカランクでも繋がるマルセイユの隣町で、とても魅力的な町です。
ずっと以前は、バスの便がよくなくて、かといって最寄の鉄道駅からは浜辺に面した中心地まで数キロ。車でないと不便な場所だったので、知っていても行きそびれたままの方もいるかも。
ところが、ここ数年、どんどんバスが充実して、すごく便利になりました。マルセイユへは、通勤・通学圏!ですから。
そんなCassisカシ、ぜひ、知ってください。
Cassisカシって、どこ?どんなところ?……ひとことで言うなら、ほーっと過ごせる場所
Cassisカシは、マルセイユ市内中心から約25km。マルセイユに勤めながら、カシやその先の町で暮らす人は案外います。
小さな港とそれを取り囲むように広がる旧市街は、評判のビストロやいかにも南仏!な陶器や小物、手作り家具の店やもちろんアンティーク・ブティックも。マルセイユとは全く違う、こじんまりとした街並みで、港町だけれど、潮の匂いよりは都会的な香り。ちょっと独特の空気感。
カランクめぐりのミニクルーズはいくつか種類があって、時間と予算次第
カランクめぐりのミニクルーズもマルセイユよりカシ発着の方がポピュラーなぐらい。
上の写真から、左に90度カラダを動かすと、その船着場です。コースはいくつかあって、時間と予算に合わせて選べます。たとえば、こんな感じ。
さらに、左に90度カラダをまわすと、南仏では特にあちこちで見かける光景……ペタンクに興じる人々が。
一見、よくある一般開放された公園スペースのようですが、ここはペタンク(競技です)専用スペースなので、通り抜け危険!と表示されています。ご留意を。
ところで、カシエンヌ……って?
そして、カシ出身でマルセイユ在住の女子やマダム達は、自分達はマルセイエーズじゃなくてカシエンヌだと言うこだわりを持っているひとに出会うこともしばしば。
東京と横浜、大阪と神戸、という空気感に、ちょっと似てるかも。
ここだけの絶景! カランクまで徒歩数分
それでは、カランクに向かいましょう! カシの大きな魅力は、街と自然が隣接していること。
店が連なる先を進んでいくと、突き当たり、階段を上って坂道に出られるんですが、それを左へ。
道の左右には家屋が連なりますが、段差があるので、ところどころ、こんな風に地中海を見下ろすことができます。
岩場に降りられる小道も……
そのまま、ゆるい坂道を数分。待っているのは、こんな光景!です。
モチロン、これだけじゃ、ありませんよ。
もう少し進むと、右側に広がるのは、こんな光景……。
見下ろすだけでなく、降りられるんです。
コンクリートの石段になっているところもあるので、普通の靴で大丈夫です(でも、滑りやすいので気をつけて)。
船着場。でも、それだけでなくて、この辺りの岩場は、洞窟風だったり、草原風だったり、散策もたっぷり楽しめます。
カランクは国立公園です。ハーブは摘まないこともお約束
さて、意外と知られていないままですが、カランクは国立公園。
「自然保護の法律があります」と書くと堅苦しい印象になりますけど、この場を借りて伝わればと思うのが、ハーブや植物を、気軽に摘まないでほしいこと。
「こんなにたくさん自生しているんだから、少しぐらいいいじゃない」と思われるかもしれませんけど、国立公園として認定されて、まだ10年ほど。
次世代にいい状態で残していくために、そうした保護が必要だからと、ボランティアの人たちが長いこと動いた結果です。
知人のひとりも、週末、カランクの入り口で、持ち帰りを呼びかけるゴミ袋を配っていました。
だから、子ども達にも、摘んでいる姿やごみのポイ捨ては見せないことで、訓えていける感覚・習慣だと思っています。
夜はこんな感じ。冬時間の愉しみ風景
さてさて、夏と冬では、日照時間が極端に違うフランス。夏はいつまでも、太陽燦々の活気を楽しめますが、秋冬は日没が早い分、こんな光景も。
夕暮れのCap Canailleカップ・カナイユ。
ハワイのダイヤモンド・ヘッドを連想しませんか?
国も規模もゼンゼン違うけど、街と自然と両方楽しめて、ほーっとする空気は、通じるものがある気がして。
カシの魅力も、重装備なしに、普段着のまま、両方を楽しめるところ。
そして、夜の帳が降りはじめる頃……
悪くないでしょう?
名残惜しいですけど、このへんで……。