南仏、マルセイユのバス事情を現地在住者が徹底解説!
フランス

南仏プロヴァンスといえば……のピーター・メイルの小説以来、ゆったりのんびり、風光明媚や美味しいものを愉しむ滞在が当たり前のように思えるし、何をするにも、車を運転しないと始まらないイメージ、ありませんか?
心惹かれる史跡・名所、そして文化的なものは、いっぱい。「ここだけは見てみたい・訪ねておきたい」と絞り込んだとしても、アクセスが不便だから無理かも、と諦めていませんか?
でも、実は、簡単・安価な移動は可能です。そこで暮らしている人もいっぱいいるんですから、通勤通学の足として、それなりに発達しているものがバス。
今回はマルセイユ拠点のバス網をご紹介します。

ソクたびソクたび

バス網がくもの糸のように張り巡らされているマルセイユ

日本のTV番組や雑誌では、まるで秘境か特別な場所のように紹介されることも少なくない、南仏の魅力的な港町や村々。

ちょっと名前の知られた場所でも、近くに電車は通っていないことが多いのは確かに事実なんですが、その分、高速(急行)バス網が安価に発達しています。

通勤通学の足として必要ですから(でしょう?)。

 

街町を繋ぐナヴェットと呼ばれる高速バスの類は、Wifiや電源もあったり、バスは専用レーンを走行していく分、自分でハンドルを握るよりも早く移動できたりというメリットも。

それに大抵、街の中心地にほど近い場所にターミナルがあるので、その後のアクセスも便利。自分の車で行って、駐車スペースを探す苦労も、高い駐車料金を気にする必要もないんです。

市バスでも、大学や研究所などのある終点を持つ路線では、同じ路線でも、停まる場所が数ヶ所しかない急行バスも運行していて、料金は同じ(日本の私鉄などと同じですね)。

 

南の玄関口マルセイユを基点で捉えると、移動は案外カンタン

フランスの首都はパリ、続く2番目の都市については、どの視点で何を基準にするかでマルセイユともリヨンとも言われるんですが、一般的にはパリ・マルセイユが(いろんな意味で)東京・大阪みたいな関係で捉えられています。

パリからは、TGVテー・ジェー・ヴェー(フランスの新幹線にあたる高速特急)で3時間から3時間半程度。PACAパカという地域圏の首都で、東はコートダジュールまで。

港のイメージが強いので、小さな漁村のように思われていることも少なくないんですが、南仏自由自在ともいえる交通網を持っているので、パリからもTGVテー・ジェー・ヴェーで来て、そのまま乗り継いで行けるフットワークのよさがあります。

 

マルセイユの街に滞在して市内や隣接地を移動するだけなら、公共交通RTMはメトロ・バス・トラム(路面電車)どれを乗り継いでも便利です。交通網はこちら

10回の回数券は、プリペイドカード状態なので便利でお得。かなり移動するなら、1日から3日間乗り放題というものもあります。

 

時刻表は、「○分間隔」という表記だったりするので、重宝するのが、運行情報速報。利用する路線とバス停を入力すると、その後の到着予定時刻案内がいくつかでてきます。

サン・シャルル駅の高速バスターミナル

パリからのTGVや東西を走るTERという特急列車が到着するマルセイユの玄関口は、サン・シャルル駅といいます。

フランスの列車駅は、地名のほかにぞれぞれ名前がついているのが特徴で、パリの場合は大きな玄関口が4つ。ひとつはパリなのにリヨン駅というのが、はじめは紛らわしくて仕方ありませんでした。

 

マルセイユの場合は、駅といえば基本的にはここサン・シャルルを指すし、長距離バスターミナルという形はここだけなんですが、もうひとつ、違う駅(周辺)基点のものもあります。

そこへは、メトロ2路線どちらでもいけるので、列車との乗り継ぎで利用するのにもアクセスがいいです。

 

さて、メトロで到着したら、エスカレーターでホーム階へ。

 

左側に向かうとキオスクやカフェが続くんですが、その中ほど右側にバスターミナルのチケット売り場があります。徒歩1分程度です。

(列車で到着した場合なら、どのホームから出ても、右に曲がることになります)

 

数年前に、文化首都年を務めたのに合わせて新しくなり、駅舎の中に街路樹があるのが特徴で、気持ちいい空間です。

その中ほど、右側にガラス張りの壁があって、チケット売り場はその手前なので、すぐわかるはず。

 

でも、もし心配なら、すぐ目の前にiのマークがついている扉を押せば、ツーリスト・インフォメーションのカウンターが待っています。

ガラスの向こうがバスターミナル。

チケット売り場で時間と発着場番号を確認したら、ガラス扉の向こうへ。

 

ネットで事前購入しておくと、変更があればSMSなどで連絡が来たりするので、窓口はそう混みあってはいません。

回数券でなければ乗車時に運転手さんからも買うことができるので、飛び乗ることも可能。

マルセイユの北西・マリニャン空港へもここから。

右端のニース行きは市街ではなく空港ターミナルに着きますが、空港ターミナルで安価なエアチケットや直行便を見つけるために利用するという人もいます。

空港へは25分

マリニャン空港から各街に同様のバスも出ています。マルセイユ発着は15分おき。所要時間は、基本的には25分です。

料金は、片道8ユーロ30、往復なら13ユーロ40。

 

隣町エクス・アン・プロヴァンスへの所要時間はほぼ同じなものの、TGVの駅と在来線の駅、そしてバスターミナルの場所がそれぞれ異なるので、荷物を抱えての乗り継ぎなどのある場合は、マルセイユでの利用がスムーズです。

 

エクス・アン・プロヴァンス行きのバスは、まるでクローンみたい

……と、スポーツ新聞みたいな大仰な小見出しをつけましたが、どういことかというと、いつも数台横並びに連なって停まっているんです。

エクス・アン・プロヴァンス路線の運行は5分間隔。だから乗り遅れても、すぐ次が来るから安心!

……な一方で、ラッシュアワーには、早く着いているのに次のバスまで待たなくてはいけないことも。

 

高速道路を通っていくし、立って乗ることは出来ないリムジンバス仕様なので、すでに先発がいっぱいの状態で次のバスに乗り込み始めているわけです。

所要時間は時間帯によって30~50分と幅がありますが、混雑するのは朝昼夕。リスクも考えると、ぎりぎりには行かないようにしています。

 

料金は片道6ユーロ、往復なら10ユーロ。6回券25ユーロ20。ひと月定期券は66ユーロ60。

 

終点は、中心地のミラボー通りのロドンドの大きな噴水から、ほぼ直角に延びる大通りを徒歩数分ほど。

食事やショッピングをするにも、アートイヴェントなどもこの通り沿いや近くなことが多いし、巡回バスも通っているから、動くのにもとても便利です。

カシ、シオタ、オーバーニュなどに行くなら、メトロでカステランへ

マルセイユの南の方に位置する隣町やその先にあたる、Cassis カシCiotat シオタAubagneオーバーニュなどへは、メトロでカステラン駅へ。

 

メトロは2路線しかないのですが、2駅だけ交差していて、それが、サン・シャルル駅とカステラン駅。だから、どちらの路線に乗っても、4駅目または3駅目で着きます。

行き先(終点駅方向)さえ間違えなければ。M1M2と書いてある、青と赤の路線を参考にします。こちらは、また改めてご紹介します。

高速道路は夏よりスキーシーズンの混雑が要注意

夏は、海岸線が渋滞で連なってしまう地中海沿岸ですが、もっとひどい渋滞は、スキーシーズンの週末。

基本的に1週間単位での滞在(賃貸やクラブは土曜から翌土曜の契約)なので、土曜日が1番混雑するんですが、金曜日の夜、子どもが学校から出たらそのままという人たちも目立つので、冬の金曜夕方は、家に帰るのに大渋滞に巻き込まれて……ということにもなりかねないんです。

そして、たいていのスキー場へはノーチェーンへいけることがほとんどな南仏なンですが、いったん積もったら、チェーンをしていない車は山間部への通行禁止になるので、シーズン開始と共に、TVニュースでの雪情報は欠かせない存在です。

この記事を書いた人

ボッティ喜美子

ボッティ喜美子仏日通訳翻訳・ジャーナリスト

フランス在住。東京で長らく広告・PR業に携わり、1998年に渡仏。パリとニースで暮らした後、2000年からパリジャンの夫の転勤で南米ブエノスアイレスへ3年、出産も現地で。パリに戻り、地中海の街マルセイユへ転勤して13年。南仏拠点で時々パリの実家へ、家庭優先で仕事しています。Framatech社主催の仏ビジネスマン対象のセミナー『日本人と仕事をするには?』講師は10年目(年2回)。英語・スペイン語も少々。

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