世界26カ国の190余の美術館が所蔵する約1,000点の西洋名画を、2000年経っても色あせないといわれる陶板で原寸大に再現し展示する大塚国際美術館。1998年の開館以来、多くの来場者を魅了してきましたが、最近は美術館が用意した衣装を身にまとって名画の中の人物になりきる「アートコスプレ」も人気。絵画鑑賞の枠を超えて誰もが楽しめる美術館をご紹介します。
大塚国際美術館とは
大塚グループ創立75周年記念事業として徳島県鳴門市にオープンした陶板名画美術館。世界中の名画が原寸大の陶板で忠実に再現・展示されていて、館内で世界の美術館巡りをしているような体験が叶います。

見学ルートは4Kmにも及び、なんと床も陶板というこだわりなので、夢中で見学している時は気にならないのですが、ふと気が付けば足が棒ってことも! とにかく広いので、歩きやすい靴でお出かけください。疲れたら無理せずに、各所に設けられている椅子で休憩するのがおすすめです。
誰もが知っている人気画家の絵画がズラリ!
「あまり美術に詳しくないから楽しめないかも…」と、気後れしている人もいるかもしれませんが、大塚国際美術館には誰もが一度は耳にしたこと・目にしたことのある絵画が展示されています。

例えばレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」。ルーヴル美術館では近づけないのに、ここではタッチOK!あ、優しくお願いしますね。

他にもフェルメール、ドラクロワ、ルノワール、ムンクら、巨匠の作品がズラリ。ゴッホの「夜のカフェテラス」は、2023年3月から追加展示されたもので、こちらも必見です。
没入感がスゴイ環境展示
美術品だけではなく、世界遺産に登録されている環境展示も圧巻。まるでその場に立っているかのような没入感を味わえます。感動のあまり、その場でしばらく動けなくなっている人も…。

イタリアの「スクロヴェーニ礼拝堂(上)」や、ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂の天井画と正面壁画「最後の審判」を再現した「システィーナ・ホール」などが地下3階にあるので、美術館で手に入るフロアマップで確認しながら見学するといいでしょう。
老いも若きもアートコスプレ
昨今大人気なのが、夏から秋にかけて開催されている「アートコスプレフェス」。2025年は7月23日から11月3日まで、全7作品のアートコスプレを楽しめます。

花の女神フローラ(ボッティチェッリ「春(ラ・プリマヴェーラ)」より)のコーナーでは、ドレスのほか、花冠や花束などの小物が用意されています。

ドレスも複数のサイズが用意されていて、服の上から羽織るだけの簡単装着。子ども用もあるので母娘でおそろいコーデも楽しめます。もちろんコスプレせずにそのまま記念撮影してもOK。SNS世代はもちろんのこと、老いも若きも楽しそうに撮影に勤しんでいる様子が微笑ましい。

ちなみにモネの睡蓮になりきるアートコスプレも。ちょっと恥ずかしいので、顔の部分は隠しています。悪しからず。睡蓮の帽子は色違いで2種あるので、家族で記念撮影も楽しそうです。
展示品をデザインに使ったオリジナルグッズが充実
大塚国際美術館で楽しみなのが、ミュージアムショップ。バスで帰る人は、最後にミュージアムショップに立ち寄る時間を考慮して行動しましょう。

実用的なものから、くすっと笑えるもの、友達に配るのに良さそうなサイズ・価格のものまで豊富に並んでいます。「夜のカフェテラス」のクッキー缶(1200円)は根強い人気だとか。「スクロヴェーニ礼拝堂」の星空コンペイトウ(550円)は記念にぴったり。徳島と香川のみで生産される伝統的な高級砂糖を使用したムンク阿波和三盆糖やヒマワリ和三盆(いずれも790円)もありますよ。

コーヒー好きの友だちにはコーヒードリップバッグ3個セット(牛乳を注ぐ女、モナ・リザ、ローヌ川の星月夜、800円)も良さそう。朝・昼・夜と3つのシーンで楽しむをテーマに、でそれぞれブレンドが異なり、例えばモナ・リザはしっかりしたテイストを味わえました。その時の気分でブレンド・絵画を選ぶのが楽しいコーヒーです。
意外と近い大塚国際美術館
大塚国際美術館があるのは、四国。四国といっても徳島県。徳島県といっても鳴門市。実は関西からとっても近いんです。神戸三宮から高速バスで80分ほどでダイレクトにアクセスできます。梅田やなんばからもバスが出ているので、スケジュールに合ったバスを探してくださいね。
徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園内