日本人ショコラティエールが2月にパリでオープンしたお店「レ・トロワ・ショコラ」にショコラアドバイザーの筆者が訪れました。2017年10月には福岡で2号店もオープンした、今注目のお店。
パリで作って、日本へ空輸する程のこだわりのショコラに迫ります!
パリの「Les trois chocolats」
サンタントワンヌ通りから少し入った所に「Les trois chocolats(レ・トロワ・ショコラ)」はあります。メトロで行かれる方は、Saint-Paul駅かSully-Morland駅が近いです。サン・ポール・サン・ルイ教会とシュリー館の間あたりの、わかりやすい場所です。
ショコラティエールの佐野恵美子さん
(写真右から2人目が佐野恵美子さん、4人目がお父様)
ショコラティエールの佐野さんは、福岡・博多で1942年から続く老舗「チョコレートショップ」の3代目です。ですがOLとして社会に出た後、先祖の店ではなくフランスのトゥールやモニストロル・シュル・ロワール等で菓子作りについて学ばれました。
5年ほど前からはジャック・ジュナンやクリストフ・ミシャラクの元でも修業され、もう10年以上フランスにいるそうです。フランスの様々な地域で暮らしたが『パリが好き』と今年パリのマレ地区に自身のお店をオープン。
『ショコラに魅了されちゃって』と笑顔でお話しして下さいました。優しい口調でショコラ愛をポツリポツリと話して下さり、とっても親しみのある素敵な方でした!
店名の「トロワ(trois)」は、フランス語で「3」です。『ホワイト・ミルク・スイートの意味と、祖父・父・私、3つのチョコレートをかけております。』と教えて下さいました。想いの詰まった3のロゴの中には、カカオポッドが描かれています。
店員さんも日本人で、丁寧に説明して下さいました。私が訪れた時間帯はパリジェンヌばかりでしたが『今週は、サロンデュショコラに合わせてお越し下さる日本人のお客様が多く嬉しいです』との事でした。
こだわりの「ショコラ」
パリコレで話題になったシュガーレスチョコレート「ZERO」やチョコレートショップの歴史あるスイーツはなく、「レ・トロワ・ショコラ」の為に作られたショコラ達が並んでいました。ボンボンには、ニブが敷かれています。こうすることで香りが逃げづらくなるそうです。
フランスの方には「抹茶」や「きなこ」が人気だそうです。他にも「ゆず」「ごま」「醤油」等、和のフレーバーが目立ちました。この日は、「味噌」が売り切れで23種類ありました。
9・16・24個入る缶の他、グラム売りのパックもありました。
筆者は、店員さんにお任せして詰めてもらいました。帰国して数日経ってから食べましたが、カカオのいい香り!
桜……可愛い! 桜の葉のフレーバーがカカオのほろにがさと合っていました。
3が描かれたスペシャリテシリーズももちろん美味しかったですが、筆者のお気に入りはこちら。グレープフルーツやクレメンタインの酸味・甘味と、カカオの酸味・渋味のバランスが良い感じでした。
フランスでの修業×日本人の繊細さが生み出す、ヘーゼルナッツのプラリネも美味しかったです!
ボンボン目当てで訪れましたが、魅かれたのはタブレット。可愛すぎませんか? フェイクスイーツでよく見かける垂れたチョコレートの本物バージョンです。
金色や銀色などフランスらしくキラキラ光る美しいカラー! 口どけが良く美味でした!
『こちらを食べ歩く方もいらっしゃいます』と聞き、パリジェンヌ気分を味わってみようとお願いしました。パリッと薄いコーティングを噛むと、中はチャイがしっかりと効いたブラウニーでした。
ガナッシュが練りこまれていて、フランス人に好かれそうな食感の1品でした。
「博多の石畳」のパリバージョン「3 CHOCOLATS」も人気だそうです。「MOCHI FRAISE」もファンが多いそうで、なんと中には小豆も入っているそうですよ。
美しく日本を表現したケーキや
フランスのチュイール等もありました。お店には次から次へと人が訪れていて、勝手ながら誇らしかったです。
福岡の「レ・トロワ・ショコラ」で販売しているショコラは、パリから輸送しているというお話には大変驚きました。つい「日本人がパリで作って、日本のお店に空輸ですか?」と聞いてしまうと「ここでしか作り出せない味を楽しんでもらいたいんです。」と。
素敵なこだわりですよね。佐野さんが日本向けに作ったショコラも是非食べに行ってみたいです!