りんごが美味しい季節がやってきましたね! スーパーや直売所の店頭にりんごがズラリと並ぶ光景をよく見かけるようになりました。産地を見るとやはり多いのは青森、長野。最近は黄色い群馬のりんごも見かけるようになりました。りんごを食べる時にやはり気になるのは「甘さ」。糖度の表示があればわかりやすいですが、時々あれ? と思うものを買ってしまったという方も多いと思います。今回、ご紹介する「加積りんご」はどれも甘い! いったいどんなりんごなのでしょうか?!
幻のりんご「加積りんご」とは?
「加積りんご」という名前を聞いたことがある方は少ないのではないでしょうか。それもそのはず。実はあまり市場に出回らず生産農家さんや周辺の一部直売所でしか手に入らないのです。収穫量がもともと少なく見かけることも少ないので「幻のりんご」とも言われています。
「加積」とは富山県魚津市にある地区の名前。現在はこの加積地区の他に西布施、上野方という3地区で主に栽培されています。実は加積りんごは100年以上の歴史があり「氷見牛」や「黒部米」「白エビ」などと同様に2008年に特許庁から「地域ブランド」に認定されました。
手に入れるには生産農家さんへ!
加積りんごを手に入れる方法は生産農家さんを直接訪れることです。魚津市観光協会のホームページにりんご農家さんの地図があります。
加積地区をはじめ約30近い農家さんがありますが、ほとんどが地方発送などの対応をしています。生産者さんと直接会話をして購入するのは最近なかなかないことなので、最初は緊張しますが、勇気を振り絞って訪れてみましょう! 今回訪れたのは加積地区の「田林りんご園」さん。国道8号線から少し入った所にある農家さんです。
加積地区のあたりを走っていると急にたくさんのリンゴや農家さんの看板が目につきます。大々的にお店を構えているわけではないので最初は少し不安になりますが、加積りんごのポスターが貼ってあるので大丈夫だろうと少し戸惑っていたら「中に入って見て行ってー」と優しく声をかけてくださりホッとしました。
入口はこちら。贈答品としては使えない少し傷がついたものや形がいびつなリンゴなど袋詰めにされて販売されています。あまりにも傷がついているものはジャムやジュースなどの加工用にできます。
この一袋がなんと1000円。9個入っていました! 「甘いですか?」と聞くと試食させてくれましたが噂通り「甘い!」
なぜ加積りんごは甘いのか?
なぜ甘いのか農家さんが説明をしてくださいました。
「青森や長野に比べると春の訪れが早く花が咲くのが2週間ほど早くなる。りんごが熟すには6℃~14℃と寒さが必要。しかし、加積地区はりんごの産地としては温暖な地域で寒くなるのも遅く、そのため収穫が2週間ほど延びる。ということは、全部で4週間は長く樹で育てることができるので、どんどん甘くなる。(11月の中旬に訪れましたが、木々にはたくさんのリンゴがなっていました)今年はうまく蜜が入らなかったが、蜜が入っても入らなくても加積りんごは甘い」と教えてくれました。
実際に購入したりんごは全て甘かったです! 毎年だいたい9月頃から12月くらいまでは販売しているそうです。営業時間や休業日は農家さんごとに違うので訪れる前に確認するのが良いでしょう。毎日りんごを食べて今年の冬も元気に過ごしたいですね!
●田林りんご園
富山県魚津市吉島618