伊勢神宮・おはらい町で「名物餅」を食べ歩けば、腐った心根は清められるのか…?
日本

伊勢神宮は日本全国の神社のトップと言われています。伊勢神宮に祀られているのは、八百万の神々の最高神である御際神、天照大御神です。太陽を神格化したこの神様は、天皇のご先祖としても有名です。
 
伊勢神宮にはふたつの正宮があり、天照大神を祀るところは皇大神宮、一般的に内宮と呼ばれています。もうひとつは外宮と呼ばれるところです。
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本来は外宮を参拝してから内宮を参拝したほうが良いと言われていますが、今回は内宮の前にある「おはらい町」の名物餅をできるだけ食べて運気を上げようと、さっそく伊勢神宮を訪れました。

とりあえず参拝

筆者は心根が腐っていますが、参拝もせずに餅食って帰るといった罰当たりなことはしません。一応、家は神道ですし。伊勢神宮まできたので、参拝しに行きました。
 
12月上旬に伊勢神宮を訪れたのですが、初冬の晴天は太陽の光が穏やかで、紅葉が色づきとても美しかったです。

五十鈴川では心根は洗えない

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宇治橋を渡って神様の聖域に入ると、第一の鳥居があります。その手前に手水舎がありますが、鳥居をくぐると五十鈴川御手洗場があるので、ここで手と口を清めることをおすすめします。五十鈴川沿いに、徳川綱吉の母である桂昌院が寄進したといわれています。

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よって、その石畳は古く、切れ目から投銭した小銭がきらきらとしていました。
それを見ていると、もしかして取れるんじゃないか? ここは投銭禁止場所だし、このお金はお賽銭とは言えないでしょ。取れたらとれたらで……という邪な考えが生まれ始めました。小銭に手を伸ばしてみると、思ったより深く、やっぱり無理か、と思い手と口を清めました。

 

そして、清め終わり立ち上がった時に、スマホを五十鈴川に落としました。

 

神聖な場所で邪な考えを持った罰を受けてしまいました。川底に沈む前にスマホを回収しましたが、袖を濡らし、12月の寒風が腕に沁みました。

身も心もきれいになって参拝

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五十鈴川で袖をぐっしょりと濡らすほど、身も心も清めて参拝に臨みました。
ここでは個人的なお願い事をしてはならないといわれています。先のこともあったので、素直に日々、平和に生活できることを感謝していると伝えました。
 

宇治橋を渡り俗世に戻れば、この感謝は忘れてしまいました。筆者はこれぐらい俗っぽく薄っぺらい人間です。

名物餅を食べよう

伊勢には古来から、伊勢参りをする人たちをもてなすお餅がたくさんあります。有名なものは赤福ですが、意外と知られていない老舗のお餅がたくさんあります。今回は内宮の前にある「おはらい町」で食べたお餅を紹介します。
食べるだけで運気がアップするかもしれません。

赤福

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伊勢神宮にいったら赤福本店で赤福を食べる。これは、定番中の定番です。伊勢神宮の名物餅の中で最も有名だと思います。

赤福
1707年に創業された老舗中の老舗のお店で、赤福餅は餅にこし餡を乗せたあんころ餅のひとつです。赤福の形は五十鈴川を表し3本の波は五十鈴川の清流を、白いお餅は小石を表現しています。
こしあんは甘みが強いと思われがちですが、赤福餅のこしあんはさらっとしていて、何個でもいける軽さがあります。

太閤出世餅

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太閤といったら、豊臣秀吉。彼は農民から天下統一を果たした出世を極めた人物です。秀吉は幼名日吉丸と呼ばれていたころから、天下統一を果たすまで、度々伊勢神宮に参拝に来ていました。その秀吉がおいしいといった伊勢の焼餅が「太閤出世餅」と言われています。

太閤出世餅
ひとつひとつ手焼きしているので、焼き目がついています。焼いている上に薄いので、ちょっと固いと感じてしまうかもしれません。中身は粒あんで、ほんのりと素朴な甘みが特徴的です。創業は1565年と大変古く、全国発送も行っていますが、伊勢志摩地方のみの限定販売です。
お店は宇治橋の側にあり、その横には今回は食べなかったのですが、神代餅のお店があります。

へんば餅

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へんばとは「返馬」と書きます。へんば餅の本店は伊勢市小俣町の宮川の側にあり、そこは伊勢参宮街道の最後の宿場町です。宮川には橋がなく、旅人たちは渡しで伊勢神宮を目指しました。よって、宮川の渡し辺りで馬を返したわけです。
へんば餅は、創業は1775年とこれまた古くから、その渡しの側で茶店で売られていたお餅です。

へんば餅
米粉を使ったもっちりとした触感が病みつきになるお餅です。うっすらと焼き色がついていて、とろみのあるこしあんが中に入っています。
へんば餅と太閤出世餅は似ていますが、手前がへんば餅で、奥が太閤出世餅です。へんば餅の方はつるりとした正面に、もっちりとした触感がありました。中身も甘味の強いこしあんです。両方焼き目がついていますが、太閤出世餅の方が香ばしさが優っているように感じます。

岩戸餅

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福顔とはこれのこと、と言わんばかりの福福した顔の女性、お多福人形が店の前にある岩戸屋さん。創業は1910年で、内宮に一番近い大型土産物屋さんです。岩戸餅のほかにも豊富な生姜糖が名物です。

岩戸餅
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天の岩戸の神話をモチーフにして作られた岩戸餅は、餅をあんこを包み黄な粉をまぶしたものです。黄な粉の風味がマッチしておいしかったです。

おわりに

今回、神様が住む神域で欲深い行為を行ったため、罰が当たりました。その際、防水対応のXperiaで良かった。川底に沈む前に回収できて良かったと心底思っています。この行いによって、神様の怒りを買い運気が下がったのではないかと思い、名物餅を死ぬほど食べたわけです。
 
ここに紹介した名物餅以外にも、おはらい町には紹介しきれなかった名物餅があります。神様の怒りを買うような行いをしても今のところ心が折れるようなことは起こっていないので、運気アップの効果はあると思います。
 
八方塞がりで、心が沈んでいる方はぜひ食べてみてはどうでしょう。

伊勢神宮 おはらい町
〒516-0025 三重県伊勢市宇治中之切町48

この記事を書いた人

千津

千津ライター

幼いころは何者にでもなれると思っていたのに、成人しても特に何者にもなれず、外に探すようになりました。特に目的もなくふらふらと出かけるのが基本で、旅行も付き合いで行くという主体性のなさ。そんなことを積み重ねて、自分に厚みを出そうと思っています。

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