賞味期限は2日間。今や世界中で大人気、フランスのメレンゲ菓子とワッフルのお店とは
フランス

気候風土の違いのせいか、北フランスと南フランスでは食習慣がちょっと異なりますが、南仏が地中海沿いの隣国イタリアやスペインと食の繋がりがあるように、北フランスだとパリまで、もしくはパリからいきなり他国の都市に進出展開する店も少なくなくて、ここもそのひとつ。

その名もAux Merveilleux de Fred(オゥ・メルヴェイユー・ド・フレッド)。その名の通り、おとぎ話に出てきそうなお菓子の店です。

北フランス・リール発祥ですが、数年後の2008年にパリ店をオープンしたら、あっという間に大人気。瞬く間にパリの他の界隈にも、いくつもブティックが出来ました。

そして、そのまま南下して展開する代わりに、隣国の都市(ベルリン・ジュネーブ・ブリュッセル)や海を越えてロンドン、そして、ニューヨークへと展開。今では、こんなに店舗が広がっています

メレンゲのお菓子はフランス伝統。でも、ここのお菓子は新食感&新感覚。


メレンゲのお菓子自体は、フランスではとてもポピュラーなもののひとつで、よくパン屋さんのカウンターにも大きな白い塊(中にナッツやドライフルーツが混ざっていたり、ピンクのものも)を見かけますよね。バゲットやクロワッサンと同じぐらい、昔から親しまれている存在のようです。

そういえば、単品でなく、スイーツの素材としても、レモンのタルトの飾り付けや、モンブランの栗クリームの内側に仕込まれていたりもしますよね。

でも、この店の場合は、スポンジケーキの代わりみたいにメレンゲを使用しているのが特徴で、その周りをふわふわ淡いクリームで包み、さらに、異なるトッピング素材をまぶし固めたAux Merveilleux(オゥ・メルヴェイユー)という名の小さな一口サイズのお菓子たちが、主役。毎日飛ぶように売れています。

こちらが、店頭ショーケースに飾られているAux Merveilleux(オゥ・メルヴェイユー)の詳しい説明。それぞれに、個性的な名前がつけられているんです。

このen mini (オン・ミニ)のほかに、individuel(アンディヴィデュエル=1人用普通サイズ)、Gateau(ガトー=4人用から24人用のケーキ型)もあるんですが、1人用も存在するのは、写真上半分の3種だけ、ケーキは上の2種類だけ。

一口サイズが根強い人気なのは、ぱくぱくっと口に運びやすいことだけでなく、全種類が楽しめることも魅力だからかも。想像以上に軽くて、口溶けまろやかで、あとを引く美味しさ。

オーナー・パティシエは、1963年リール生まれのFrederic Vaucamps(フレデリック・ヴォーキャン)で、店名「Aux Merveilleux de Fred」のFred(フレッド)というのはFrederic(フレデリック)という名前の略称。

店名を直訳するなら、「Fredericが創り出す素晴らしいもの達」という意味になります。

夢あふれる空気漂う、ちょっとゴージャスな作り。なのに扉をくぐりやすい。

パリのお店はどこも、少しずつ外観が違うのも、各界隈に馴染んでいて魅力的。

大きなシャンデリアが照らし出すお菓子の並べ方や、漂う空気は、全く同じ。シックなんですが、温かさに包まれていて、決して敷居が高くはないんです。

こんな風に、大きく扉が開かれていると……つい入って眺めたくなるでしょう?

作る人も、詰める人も……笑顔のエッセンスたっぷり。


そして、大きく開かれた扉の向こうに足を踏み入れるのをためらわさせないのは、こんな笑顔たち。楽しそうに作っている様子は、本当に美味しそうで、惹きつけられます。


こんな風に、ひとつひとつ丁寧に作られていきます。写真を撮らせていただきたかったので、平日の遅めの時間、空いているタイミングを狙って出かけました。週末などは、店内もガラス窓の外側も人でいっぱいなので。

並ぶのが嫌いなことで知られるフランス人達。でも、美味しいもののためなら厭わないようです。一口サイズで、異なるものをいろいろ並べるのも素敵だし、大きなサイズを切り分けるのを楽しそうだし……迷いますよね。

だから、ちょっと混んでて並んでても、楽しいんです。あれこれ心置きなく悩めるから。そうそう、ブリオッシュも美味しいんです!

2つ上の写真の左端にちらりと写っているのがそうなんですが、シンプルなお砂糖味、粒々チョコレート入り、レーズン入りの3種類。実は、このお店に最初に入ったのは、通りがかりに見かけた、このパンの方に惹かれて……。

メレンゲのお菓子は、食わず嫌いというか興味がなくて、そう正直に話したら、薦められたのがゴーフル。そのゴーフルが、とびきり美味しかったので、また買いに寄った時に、試しに買ってみたら、予想を全く(嬉しく)裏切ってくれたのが、この一口サイズたちだったんです。

一口サイズのen mini (オン・ミニ)は定型箱があって、好きな種類の組み合わせに出来るんですが、1番小さい箱は6個入り(で、11ユーロ50)。

従来は6種類(ブラックチョコレート、ホワイトチョコレート、コーヒー、さくらんぼ、プラリネ、キャラメル)だったので、今までは、この6つをひとつずつ……

だったんですが、今回は、プラス、新製品!のピスタチオが出たところなので、全種類買おうとすると、1つはみだしてしまうことに。決められないので、2箱にして、おまかせで詰めてもらいました。

そして、(上で書いた)こちらのオリジナルスタイルの薄焼きワッフル!も。もうひとつの隠れた名物で、他所では見かけたことのない一品です。フランス語では、gaufres(ゴーフル)というんですが、このお店のは、楕円形で極薄。

中にラム酒のきいたバタークリームが挟んであって、あらかじめ6枚ずつ包まれた箱入りの状態で並んでいます(7ユーロ50)。どちらも、サイズがコンパクトで、価格的にも買いやすいですよね。

そのままでもモチロン美味しいんですが、オーヴンでちょっと温めると、出来立て感たっぷりで、より美味しくいただけます(お店の方の受け売りですけど)。

アフタヌーン・ティーにも、デザートにも。口の中いっぱい、部屋いっぱい、シアワセ広がります。

Aux Merveilleux de Fred
2 Rue Monge, 75005 Paris, フランス 他
公式HPはこちら

パリからのお土産好適品のひとつ

このお菓子、賞味期限は2日間。しかも、低温を保って運ばないと、どろどろに溶けてしまう恐れがあるので、買ったらうろうろしていられません。

そして、ワッフルは、冷蔵庫に入れてしまうと硬くなってしまうので、夏の暑すぎるときや冬の暖房たっぷりの時には出しっぱなしにしておけない……と、買うタイミングと取り扱いには、ちょっと気配りが必要なんです。

だからこそ、お土産に(というかちょっと贈り物として)、TGVに乗る日に購入して、翌日には渡すと喜ばれる品のひとつです。

この記事を書いた人

ボッティ喜美子

ボッティ喜美子仏日通訳翻訳・ジャーナリスト

フランス在住。東京で長らく広告・PR業に携わり、1998年に渡仏。パリとニースで暮らした後、2000年からパリジャンの夫の転勤で南米ブエノスアイレスへ3年、出産も現地で。パリに戻り、地中海の街マルセイユへ転勤して13年。南仏拠点で時々パリの実家へ、家庭優先で仕事しています。Framatech社主催の仏ビジネスマン対象のセミナー『日本人と仕事をするには?』講師は10年目(年2回)。英語・スペイン語も少々。

チャンネル

チャンネルをもっと見る