電車で行ける、秩父「あしがくぼの氷柱」が想像以上に幻想的でした。
日本

秩父路3大氷柱のひとつで、気軽に電車で行けるのは「あしがくぼ氷柱」だけです。毎年1月上旬から2月下旬にかけて、横手町の兵ノ沢(ひょうのさわ)地域の谷を利用して、地元の人たちに手によって造りだされています。
幅125m以上の氷柱は、様々な角度で観ることのできる氷柱として人気があります。太陽の陽射しがある明るい時間帯に観る氷柱と、夕暮れの早い山間部でライトアップされる氷柱を、この時期にしか観ることのできない楽しみ方でマニアックにご紹介します。

トンネルを抜けたらビックリ! 都心から約1時間30分で一面の雪景色

●2【あしがくぼ氷柱-43秩父鉄道トンネル④】●(700px) P1140709
年末年始は意外に温かったのですが、やはり冬と言うべきでしょうか……。1月中旬にかけて猛烈な寒波が押し寄せてきました。
寄り道好きなワタシの旅は、クルマかママチャリで紹介することが多いのですが、観光協会に問い合わせた際に「周辺の道路が、路面凍結している場所があるので、できればお勧めしません。」と聞かされたことから、珍しく電車で向かうことにしました。
●3【あしがくぼ氷柱-78秩父鉄道雪景色】●(700px) P1140744
都心部池袋からアクセスも良く、西武秩父行の電車なら乗り換え不要ですが、運行本数が多くありません。西武池袋線の飯能駅で西武秩父線に乗り継ぎが必要になります。「あしがくぼ氷柱」期間中、普段は停車しない特急レッドアロー号の一部(土・日曜日を中心)が臨時停車しているようです。
普通電車でも乗客サービスとして「氷柱」が観える付近では、スピードを落として「氷柱」を楽しませてくれています。外は風が冷たいですが、陽射しが車窓から入ってくるおかげで温かく感じます。
飯能駅から芦ヶ久保駅に向かって正丸峠を越える長いトンネルを抜けると、一面の雪景色にちょっと感動しちゃいます。
●4【あしがくぼ氷柱-89秩父鉄道雪景色】●(700px) P1140755
温かい電車とはお別れです。山間部を吹き抜ける冷たい風が、頬を刺すように吹き付けてきます。モモヒキも履いてカイロも持って、完全防寒してきたつもりですが、それでも寒いです……!

芦ヶ久保駅から徒歩10分で「あしがくぼ氷柱」

●5【あしがくぼ氷柱】観光マップ(元)700px修正
芦ヶ久保駅にあったパンフレットを観てみると、駅から氷柱まで徒歩10分ほどのようです。
●6【あしがくぼ氷柱-97雪景色】●(700px) P1140763
水色のノボリを目印に歩いていけば良さそうです。
●7【あしがくぼ氷柱-99雪景色】●(700px) P1140765
沿道のすぐそばには、「道の駅あしがくぼ」があり、軽い食事をするには便利ですね。
●8【あしがくぼ氷柱-112雪景色】●(700px) P1140778
駅から坂を下ると川があり、案内板に沿って川沿いに進みます。
●9【あしがくぼ氷柱-116雪景色】●(700px) P1140782
里山の道は雪かきされているうえ、「おがくず」が敷詰められているので、靴も汚れることも無くとても歩きやすくなっています。
●10【あしがくぼ氷柱-119雪景色】●(700px) P1140785
多少のアップダウンはありますが、苦にならない程度ですね。
●11【あしがくぼ氷柱-123雪景色】●(700px) P1140789
歩を進めると、沿道に小さなプレハブ小屋が観えてきます。「あしがくぼ氷柱」を観るために、プレハブ小屋の受付で環境整備協力金200円(鑑賞料)を支払う必要があります。
●12【あしがくぼ氷柱-125雪景色】●(700px) P1140791
駅からココまで徒歩10分、西武秩父線の線路をくぐると到着です。

心洗われるような透明感のある氷柱

●13【あしがくぼ氷柱-128雪景色出会いの氷柱】●(700px) P1140794
「出会いの氷柱」と書かれた案内板があります。
●14【あしがくぼ氷柱-153雪景色】●(700px) P1140819
谷間から差し込む陽射しを浴びた氷柱は透明感があり、キラキラした氷柱を観ていると、心が洗われていくように感じます。
●15【あしがくぼ氷柱-148雪景色】●(700px) P1140814
ほとんど紹介されたことの無い「冨士淺間神社」という鳥居があります。「あしがくぼ氷柱」は神聖なエリアにあるんですね。有り難く拝見させて頂きましょう。
●16【あしがくぼ氷柱-158雪景色】●(700px) P1140824
氷柱の斜面中央を流れる沢です。氷柱づくりには、清らかな沢の水が欠かせないようです。
●17【あしがくぼ氷柱-159雪景色おさわり氷柱】●(700px) P1140825
氷柱の散策路で唯一触れる場所にできた「おさわり氷柱」です。
冷たい風が吹くなか、かじかんだ手で触るには、「好奇心が余程強くないと触れないよ~」って言いながら、ついつい触ってしまうんですよ……ね。
●18【あしがくぼ氷柱-145雪景色】●(700px) P1140811
積雪のため、氷柱の上から雪が覆っている場所もあります。氷に閉ざされた小枝の1本1本が、顕微鏡で覗いたように良く観えます。

氷柱エリアのメインはV字谷

●19【あしがくぼ氷柱-164雪景色】●(700px) P1140830
V字谷には、折り重なるようにして氷柱ができています。雪が積もっているせいで氷柱が目立ちませんが、雪が積もっていなければ昼間でも観ごたえがあると言われています。
●20【あしがくぼ氷柱-162雪景色荘厳の氷柱】●(700px) P1140828
圧倒的な存在感から「荘厳(そうごん)の氷柱」と名づけられているようです。
●21【あしがくぼ氷柱-156雪景色】●(700px) P1140822
谷底から見上げると、山の中腹に休憩スペースがあるようなので向かってみましょう。
●22【あしがくぼ氷柱-177雪景色天望の氷柱】●(700px) P1140843
休憩スペースまでの坂道の途中にある「天望の氷柱」です。V字谷の氷柱全体の大きさが一番わかり、良く観えるポイントです。

心もカラダも温まる「おもてなし広場」

●23【あしがくぼ氷柱-190雪景色】●(700px)拡大
「あしがくぼ氷柱」は2017年1月6日(金)~2017年2月26日(日)の期間、午前9時~午後4時まで鑑賞することができます。
山腹にある休憩スペースは「おもてなし広場」と呼ばれて、おもてなしレディ(地元のボランティア)が作ってくれた甘酒や地元産の紅茶を、坂を上がってくる鑑賞客に1杯無料で振る舞ってくれます。プレハブでは、温かいおでんが販売されているうえ、コカコーラの自動販売機が設置されています。
●24【あしがくぼ氷柱-183雪景色】●(700px) P1140849
「TBSテレビのあさチャン」の番組企画で放送された、氷の彫刻家・清水三男さんが造った「氷彫の鳳凰」が飾られています。すでに溶け始めているので、いつまで原型をとどめているかは不明ですが……。
●25【あしがくぼ氷柱-186雪景色】●(700px) P1140852
山腹にある「おもてなし広場」は、西武秩父線を見下ろせる眺めの良い場所ですが、谷底よりも吹き抜ける風が強く感じるので、考えていたよりも寒い場所です。
午後4時すぎの時点で、ライトアップ鑑賞目的の人がワタシを含めて、中高年ばかり20人ほどいます。
●26【あしがくぼ氷柱-192雪景色】●(700px) P1140858
暖をとれるように、ドラム缶ストーブが3台用意されていて、想像以上にカラダが温まります。とは言うものの、ドラム缶ストーブに向かっていれば顔も火照りますが、背中には谷を吹き抜ける風が容赦なくあたります。十分な防寒のうえでお出かけになることをオススメします。
ライトアップまで時間に、温かい甘酒とドラム缶ストーブのおもてなしは、冷え切ったカラダにとても有り難く感じます。心もカラダも温まるサービスに感謝! 感謝!

想像以上に綺麗な「あしがくぼ氷柱」ライトアップ

●1最初+27【あしがくぼ氷柱-358ライトアップ】●(700px) P1140922
ライトアップは、金・土・日曜日のみ日没から午後8時まで実施されます。
日が暮れると続々と、20代~30代のカップルや女性同士を中心に鑑賞客が集まり、昼間の5倍以上の人で賑わいます。
●29【あしがくぼ氷柱-219ライトアップ】●(700px) DSC_0509
「おもてなし広場」から谷底を覗いてみると、九十九折に坂道沿いに明かりが灯されて、雰囲気が盛り上がりますね。
坂を下りながら、見どころのライトアップを満喫しましょう。
●30【あしがくぼ氷柱-222ライトアップ】●(700px) DSC_0511
氷柱の上部を目の高さで観ることのできる「天望の氷柱」です。

V字谷を照らすライトアップは角度によってハート型に観える

●31【あしがくぼ氷柱-234ライトアップ】●(700px) DSC_0519
これまで誰も気づかないのか? 混雑するのがイヤで発信者がいないのか?
特にわかりやすいのは、赤い色彩がミックスされた時に注目です。観る角度によって、ハート型に観えると思いませんか?
●32【あしがくぼ氷柱-261ライトアップ】●(700px) DSC_0537
寒さが厳しくなれば氷柱も成長して、わかりやすくなるのかもしれません。
女性に人気の「あしがくぼ氷柱」ライトアップの秘密が、ココにあるのか?
●33【あしがくぼ氷柱-286ライトアップ】●(700px) DSC_0555
密かに、恋愛成就のパワースポットになっているのかもしれませんね。
●34【あしがくぼ氷柱-ライトアップ】●(700px)正面4配色修正
V字谷の氷柱を正面の「荘厳(そうごん)の氷柱」は、ライトアップになると更に存在感を増します。
約10秒ごとに色が変化するので、気になる色彩になるたびに立ち止まってしまいます。
●35【あしがくぼ氷柱-420ライトアップ】(700px) DSC_0659
「おさわり氷柱」はライトアップされると、更に透明感のある氷柱に観えます。
●36【あしがくぼ氷柱-410ライトアップ】(700px) DSC_0650
西武秩父線は30分間隔で通過します。「あしがくぼ氷柱」と西武秩父線のショットなんていかがでしょうか?
●37【あしがくぼ氷柱-450ライトアップ】●(700px) DSC_0688
「冨士淺間神社」鳥居付近からも観ごたえがあります。
●38【あしがくぼ氷柱-465ライトアップ】●(700px) DSC_0695
明るい陽射しの中で見た「出会いの氷柱」からの光景とは違い、ライトアップされると幻想的に観えてきます。谷の起伏が独特の演出しているように感じて、印象に残るのではないでしょうか?
観る角度や自分の感性によって、色々な夜景を観せてくれる「あしがくぼ氷柱」は、女性に限らず魅了されるライトアップと言えます。
●39【あしがくぼ氷柱-488ライトアップ】●(700px) DSC_0718
知らない土地での夜歩きは、不安になる女性も多いかと思いますが、「あしがくぼ氷柱」と芦ヶ久保までの散策路もライトアップされています。駅から徒歩10分で観ることのできる氷柱のライトアップは、寒さを我慢できれば魅力的なスポットになるはずです。
パンフレットにもありましたが、芦ヶ久保にはいちご狩りできる場所も多いので、「あしがくぼ氷柱」と合わせてバレンタインデートなんて良いかもしれませんね。

あしがくぼの氷柱
埼玉県秩父郡横瀬町大字芦ヶ久保

この記事を書いた人

MAKIJI

MAKIJI

秋田生まれ東京育ち。中年デビューのスピリチュアル系フリーライターとして、都市伝説でウワサされる神秘的なエリアをotaku感覚で追いかけます。日本人が忘れかけている魅力的なスポットの隠された謎を一緒に紐解きしませんか?五感をフル活用した情報であなたの背中をそっと後押したいと思います。

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