• 出流原(いずるはら)弁天池湧水を千と千尋の神隠しマニアが歩く | TRIP'S(トリップス)

    出流原(いずるはら)弁天池湧水を千と千尋の神隠しマニアが歩く
    日本

    「出流原(いずるはら)弁天池湧水」は知る人ぞ知る透明度抜群の湧水池です。
    そんな絶景のある池の近くに探し求めていた「千と千尋の神隠し」で描かれていた背景を発見!?
    不思議な世界に迷い込むあの赤い楼門のモデルではないのか? 実際に訪れて検証します。

    ソクたびおうちソクたび

    知る人ぞ知る透明度抜群の「出流原弁天池湧水」とは?

    知る人ぞ知るというのは、別の言い方をすれば、なかなか辿り着けないようなわかりにくい場所とも言えます。

    出流原弁天池は、栃木県指定の天然記念物であり、出流川の源になっている湧水池です。

    池の周囲は130mほどで、四季を通して水温は16℃に保たれ、1日に湧き出す水量は2,400トンという豊かな水量を誇ります。

    池のなかを気持ちよさそうに泳いでいる鯉が、手が届きそうなくらいハッキリと見えるくらい、驚くほど透明度の高い池です。

    池の周囲で細やかな紅葉狩りができるスポットということもあり、秋になると紅葉と池を泳ぐ鯉のコントラストがとても綺麗な場所として、人気スポットになっています。

    湧き水の美しさと一定の温度から、近くにある料亭の池や養魚場にまで引かれて使用されています。

    弁天橋を渡った先に水の神様を祀った涌釜神社があります。

    その昔、この地域を干ばつが襲った時に、ひとりの老人が現れてこの池を作ったという言い伝えがあり、地域の守り神として親しまれています。

    出流原弁天池にある涌釜神社を離れて、隣の磯山弁財天があるので足を延ばしてみましょう。白蛇の石造が見えるので、もうココは磯山弁財天の境内のようです。

    出流原弁天池
    栃木県佐野市出流原町1117

    赤い楼門のある磯山弁財天とは?

    出流原弁天池のすぐ隣に、磯山弁財天の朱塗りの楼門が見えてきます。小高い山の上にあるのが磯山弁財天です。

    千と千尋の神隠しのなかで描かれていた、赤い楼門の雰囲気に似ていると思いませんか?

    商売繁盛の神様なので弁天様を祀っています。もともとは、出流原弁天池の中にある小島に祀られていたとも伝えられています。

    ちなみに弁財天は七福神のひとりでもあり、蛇や龍の化身ともいわれています。

    磯山弁財天には、五穀豊穣、家内安全、商売繁盛の神様として知られる、白蛇様が祀られています。出流原弁天池とともに「磯山の大蛇」として、蛇の石造などがたくさん見ることができます。

    山の中腹にある磯山弁財天までは、130段の石段を上がっていきます。

    磯山弁財天まで続く石段の中間地点にある、朱塗りの珍しい鐘楼があります。紅葉狩りスポットのひとつとされているようです。

    真っ直ぐ延びる階段はやがて分岐点に辿り着きます。そこには蛇とは思えないルックスの白蛇の石造があります。

    ハラハラドキドキする磯山弁財天の本殿

    蛇とは思えないルックスの白蛇の石造がある分岐点を左に進むと、朱塗りの本殿が見えてきます。

    山肌の急斜面に建てられた磯山弁財天の本殿は、それほど大きくはありませんが、大変美しいお堂です。

    このような建物の構造は懸造り(かけづくり)と呼ばれています。磯山弁財天のように崖や、

    山肌の急斜面に組み上げられた神社建築のことで、別名「崖造り(がけづくり)」とも呼ばれています。

    柱の状態を見れば見るほど不安定に見え、大丈夫なのか?と心配になり、ハラハラドキドキしながら、お堂に入ります。

    磯山弁財天の本殿は、釘が1本も使われていない木組みだけで造られた、特徴的なお堂です。

    特に日本でしか見られない建築様式で、代表的な存在は「京都の清水寺」です。別の意味もありますが、ハラハラドキドキ感覚は決して引けを取らないと思います。

    しばらくお堂から景色を眺めていたら、千と千尋の神隠しでエアが枯れていたシーンを思い出しました。

    油屋にカオナシが紛れ込んだことを察知して、湯婆婆が豚丁横丁通りのある街の明かりを見下ろしているシーンがありましたね。

    まさに崖造りという言葉が、文字通りといった光景を目の当たりにします。石灰岩そのままを利用している点も、非常に希少価値の高い神社と言えます。

    お堂から離れてしまえば、佐野平野を一望できる名勝として、親しまれていることに冷静に納得できます。

    「清水の舞台から飛び降りる」という言葉ではありませんが、「一刻も早く、磯山弁財天の本殿から離れたい!」という、ハラハラドキドキ気分になります。

    弁財天は蛇や龍の化身ということは・・・

    前述で、弁財天は蛇や龍の化身ということをご紹介しましたが、境内の至るところに蛇の石造があります。特に白蛇は水との関わりが深いことから、出流原弁天池と磯山弁財天では、白い蛇の石造で統一されています。

    蛇とは思えないルックスの白蛇の石造のある分岐点を、お堂とは反対側に進むと、銭洗い弁天があり、湧水で小銭を洗うと財に恵まれるという言い伝えがあります。

    境内にあるたくさんの白蛇の石造を見ていると、千と千尋の神隠しに出てくるハクに見えてくるのはワタシだけでしょうか?

    千と千尋の神隠しに描かれている光景を無意識に探してしまう

    釜爺から頼まれて、仕方なく湯婆婆のところへ千尋を案内するシーンを覚えているでしょうか?

    油屋の中で道に迷ったオシラ様がついてきてしまう際、建物の中にある弁天橋を渡っていました。そんな光景を容易に想像させるような弁天橋が、赤い楼門の中に見つけました。

    「不思議な世界への入り口になる赤い楼門」「龍の化身とも言われる弁財天」「建物の中にある弁天橋」などなど……。

    ジブリマニアにとって、見れば見るほどワクワクしてくる磯山弁財天です。

    磯山弁財天
    栃木県佐野市出流原町 磯山弁財天

    この記事を書いた人

    MAKIJI

    MAKIJI

    秋田生まれ東京育ち。中年デビューのスピリチュアル系フリーライターとして、都市伝説でウワサされる神秘的なエリアをotaku感覚で追いかけます。日本人が忘れかけている魅力的なスポットの隠された謎を一緒に紐解きしませんか?五感をフル活用した情報であなたの背中をそっと後押したいと思います。

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