一番韓国らしい場所!?世界遺産「河回村」に自力で行ってみた
韓国

河回村

河回村と書いてハフェマウルと読みます。マウルは村という韓国語なので、河が蛇行している村という意味だそうです。河回村は、ソウルからバスで3時間ほど離れた安東にあります。400~600年前の朝鮮時代の光景をそのままに残している歴史と伝統の村です。

2010年にはユネスコ世界遺産に登録されています。1999年、韓国を訪問中だったイギリスのエリザベス女王が73歳の誕生日を迎えるにあたり、「いちばん韓国らしいところで誕生日を迎えたい」とリクエストしてこの地を訪れ、それをきっかけに世界的に有名になったと言われています。

現在でも両班(ヤンバン)の伝統的な生活様式を守りながら伝統家屋で生活しています。600年前の李氏朝鮮時代から続く悠久の歴史の中へタイムスリップしてみませんか。

東ソウルバスターミナルからバスで3時間の小トリップが始まります


ソウルで2番目に大きいバスターミナル、東ソウルバスターミナルです。地下鉄2号線の江辺駅からすぐの場所にあります。ここは高速バスと市外バスの両方が発着していて、朝から賑わっています。

「安東!」と言うと、チケット売り場のお姉さんが手際よく出発時間を説明してくれて、購入もスムーズに完了。飲み物や朝ごはんのキンパフッ(海苔巻き)を仕入れて、いざ出発。

シートは2席と1席の3列シートで、足置きも出る快適で清潔なバスでした。安東まで2回のトイレ休憩をしながら進みます。料金は約1万6000Wでした。
バスターミナルが漢江沿いにあるので、ソウル1大きな川を見ながらソウルともお別れです。バスは安東のバスターミナルに就き、そこから市内循環バスで河回村を目指します。

至る所に両班の屋敷があった

市内の中心部から40分ほどのところに、藁葺や瓦葺の韓屋が多数点在しています。ここが河回村です。豊山・柳氏が600年前から現在までずっとここで生活してきました。ここの住民は、柳という同姓村です。

両班は、高麗、李氏朝鮮時代の官僚機構で、両班、中人、常人、賤民という支配階級があって、身分の上では最上位についていたグループのことを指します。韓国の時代劇を観ていると出てくる、特権を持つ貴族階級のです。

こちらは、修理中の家です。伝統を守るために、住民もまた大事に家を使っています。

韓流の時代劇の撮影にも使われたそうです。

中には宿泊もできる施設もあって、韓国文化を直接体験できます。筆者が行ったときは、欧米人のツアー客で満員でした。

こちらは「美しき日々」などの韓流ドラマで知られる俳優のリュ・シウオンさんの実家。彼は両班の出身なんですね。
ご家族もこちらに住んでいるといいます。領議政(国務大臣)を務めた柳成龍の十四世孫だといわれています。

村の名にちなんだ川、洛東江に向かいます

洛東江という川の蛇行に沿って三方を川で囲まれている村が、河回村。絶景が広がります。
対岸に広がる山。こちらには芙蓉台があり、ここからは、河がS字状に広がっている様子が一望できます。
川に沿って並木道が広がります。なかなかロマンチックです。2005年には、アメリカの大統領だった、パパ・ブッシュがこちらを訪問。韓国文化の奥深さを堪能したといいます。

写真を撮り忘れたのですが、仮面劇「河回別神クッ」は韓国の重要無形文化財で、庶民が両班を風刺しているものです。常設劇場で1年を通して観劇できます。その仮面は何ともユーモラスで韓国語が分からなくても楽しいひと時が過ごせます。入場無料なので、チップをお忘れなく。

2時間以上歩いたので、〆は安東チムタッ!


今やソウル市内でも食べられるようになった安東チムタッですが、その名の通り、ここが発祥の地。1980年代に安東市場で、鶏肉と野菜を入れて作ったのが始まりです。鶏肉は骨付き肉で、肉にも野菜にも甘辛いタレがしみ込んでいて、これで何倍でも白いご飯が食べられますよ。中に入っているチャプチェにも使われるタンミョンが美味! たまりません。散策の後の名物料理でソウルからのプチトリップ終了です。

河回村

この記事を書いた人

atsuko-h

atsuko-h彷徨えるフリーライター

東京生まれの東京育ち。毎年三社祭で神輿を担ぎます。食べるの大好き、お酒も大好き。映画もラグビーも好きですが、なんたって旅。旅はいつだって自分を成長させてくれます!

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