秩父市街からバスで40分ほど。秩父名物わらじカツ丼発祥の地・小鹿野(おがの)には、ライダーが訪れるパワースポットが鎮座しています。その名も小鹿(おしか)神社。交通安全のご利益で有名で、ライダーたちの安全な旅をサポートする神社です。もちろんライダーでなくても交通安全のご利益はいただけますよ! 小鹿野は古き良き日本の牧歌的な景色が美しく、わらじカツ丼はもちろん老舗和菓子屋など魅力たっぷり。都会の喧噪から離れて、エネルギーチャージするのに最適なパワースポットなんです!
のどかな町・小鹿野がライダーに愛される理由

埼玉県最西部に位置する秩父は関東有数の観光地でもあり、秩父神社・宝登山神社・三峯神社などパワースポットも有名ですよね。・・・とはいえ、ひと言で秩父といっても、その範囲は広くエリアごとに魅力があります。今回はその中でものどかな景色とレトロな街並みが美しい「小鹿野」エリアに注目したいと思います!
小鹿野は江戸時代には秩父街道の宿場街として栄えて以来、町民が演じる小鹿野歌舞伎やレトロな着物好きに愛される秩父銘仙の産地としても知られていますが、実は近年ある方々のあいだで脚光を浴びているんです。

それがタイトルの通り、ライダーの方々! 秩父でツーリングを楽しむライダーたちを町が一丸となって歓迎しているのです。そのきっかけが、秩父名物にもなっている「わらじカツ丼」。わらじカツ丼は小鹿野にある安田屋が発祥の地なのですが、20年ほど前に安田屋に立ち寄ったライダーが、わらじカツ丼のビジュアルと味のインパクトをネットで拡散したところ話題になり、次から次へとライダーたちが立ち寄るようになったのだとか。
ライダーの聖地・小鹿神社

小鹿野の町中でライダーが立ち寄るのが、今回ご紹介のパワースポット・小鹿神社です。国道299線沿いの大鳥居をくぐると、そこは自然の息吹が感じられる静かな境内なのですが・・・同時にゆるキャラ「おがニャッピー」が異彩を放っている独特な空間でもありました。

秩父をツーリングするライダーたちがこぞって参拝する小鹿神社では「バイク祈願」が一大5,000円~可能とのこと。「転倒防止」の「てんとう」とかけてテントウ虫マークのお守りも人気です。

実際に筆者が参拝している間にも何台もライダーたちが参拝しているのを目撃しました。電車の駅が無い静かな町の神社がなぜ「ライダーの聖地」になったのかというと、それは宮司さんがモーターサイクルショーでライダーのための交通安全祈願を行ったのがきっかけなのだとか。

ショーのメインステージで10年ほど小鹿神社の宮司さんによる安全祈願が恒例となり、ライダーの間で知名度を確かなものにしたという経緯がありました。

さてそんな小鹿神社ですが、創建については諸説あるものの、古くからこの地を護る神社として鎮座していました。現在の小鹿神社は18世紀後半の建造とご由緒に記載されています。
【ご祭神】
・武甕槌命(たけみかづちのみこと)
・天児屋根命(あめのこやねのみこと)
・伊波比主神(いわぬしのみこと)*経津主神(ふつぬしのみこと)の別名
・比賣大神(ひめがみ)

諸説ある中で、日本武尊と鹿の逸話が個人的に印象的でした。東征中に道に迷った日本武尊道を鹿が道案内し、その鹿が力尽きた場所に祠を建てたのが小鹿神社の起源というお話。道案内をし、道中を護ったことから、「交通安全」のご利益につながっているようです。

拝殿脇には豊守稲荷が祀られています。

手作り感あふれるお狐様の赤い耳かけと羽織から、氏子の方の思いやりが感じられますね。

さらに奥へ進むと・・・神宮遥拝所を発見! かねてより筆者の記事では「本殿裏へ回って裏参りをしましょう」とお伝えしていますが、小鹿神社でも例に漏れず裏へ回ったところ、神秘的な雰囲気の末社群が待っていたかのように佇んでいました。

個人的にこのような景色には心を奪われてしまいますね。古来から鎮守の杜に宿る神様を見るようですから。

たくさんの参拝客で賑わう有名どころも良いのですが、山中に鎮座するパワースポットを訪れご神気に触れるのが、この上ない悦びでもあります。
●小鹿神社
埼玉県小鹿野町小鹿野1432
小鹿野の町を散策

公共交通機関はバスのみと限られた条件だからこそ、古き良き日本の田園風景が保たれている小鹿野の町。小鹿神社の参拝前後にぜひとも町歩きを楽しんでいただきたいです。まずは小鹿野町観光交流館本陣(えびす屋)で情報収集。

町の方手作りの「おがの散策まちなかマップ」を入手すると良いでしょう。ちなみにこちらのえびす屋は宮澤賢治も宿泊した旅館をリノベした建物。このえびす屋に面したバス通りは、宿場街時代のメインストリートでもあったことからレトロな建物が目立ちます。
イチオシ! 老舗和菓子の羊羹

なかでもイチオシなのが老舗和菓子屋さんです! マップをみると複数の和菓子屋さんがあるのでハシゴするのも一興。今回筆者が訪れたのは創業1803年の老舗中の老舗「太田甘池堂」。江戸日本橋の老舗「甘林堂」で伝授された技を持ち帰り、以来繊細なお味の羊羹を練り続けています。

素材と製法にこだわり、これまで皇室を含めた各宮家への献上を数十回果たすなど、その実力は老舗の名に恥じません。

●太田甘池堂(おおたかんちどう)
埼玉県秩父郡小鹿野町小鹿野263
AM9:00~PM6:00
0494-75-0132
水曜日休み
小鹿野へ来たら必須!元祖わらじカツ丼

バス通りを歩いたら、ぜひ路地に入って裏通りも散策してみてください。昔の人のデートスポットだった小さなお社や、レトロ喫茶店などなど都会では見られない景色にあふれています。そしてその路地裏の中でもひときわ人で賑わうのが、冒頭でお伝えしたわらじカツ丼の老舗「安田屋」です!

大正時代に創業した安田屋は元祖わらじカツ丼のお店。筆者はこれまでに何度かわらじカツ丼を食したことがありますが、安田屋さんのは薄切りなのにボリュームがある豚肉と、しっかりタレのしみこんだ衣が食欲をそそり、あっという間に完食してしまいました。
一見小さな町の食堂なのですが、人気のお店ということもあり行列必至。なくなり次第終了なので、お早めの来店をオススメします。
●安田屋小鹿野店
埼玉県秩父郡小鹿野町小鹿野392
11時すぎ~13時30分ごろまで・17時~18時まで
(ご飯がなくなりしだい終了)
水曜日休み
現金のみ
秩父そのものがパワースポット

これまで秩父を何度も訪れていますが、来るたびに思うのは「秩父自体が大きなパワースポット」だということ。神々しい大自然のエネルギーにはいつも癒やしと活力をいただいています。
そんな秩父にはまだまだ見どころがたくさんあるんです!
筆者未踏のパワースポットも数多くありますので、今後も現地を取材して皆さんにご報告したいと思いますので、乞うご期待!!