「ラプンツェルの城」とささやかれる古城・ヴェルニゲローデ城に会いに行く
ドイツ

ドイツに「ラプンツェルが過ごした城」ともいわれる古城があるのをご存じでしょうか。それが、ドイツの中央よりもやや北に位置するハルツ地方にある、ヴェルニゲローデ城。

日本では知名度の低いヴェルニゲローデ城ですが、城のガイドが「第2のノイシュバンシュタイン城」と胸を張るほどに美しい、知る人ぞ知る名城です。

ドイツ・ハルツ地方の可愛らしい町「ヴェルニゲローデ」

ヴェルニゲローデ城
魔女が棲んでいたという伝説が残るハルツ地方は、今もどこかミステリアスな雰囲気を残す土地。ここには、ドイツの他の地方とは趣の異なる、中世の面影を残す個性的な町々が点在しています。

ハルツ地方のなかでも、特に古い町並みを残していることで知られるのが、ヴェルニゲローデ。ドイツ鉄道とハルツ峡軌(きょうき)鉄道が乗り入れる、ハルツ地方の観光の中心地です。

ヴェルニゲローデの町で目を奪われるのが、個性豊かで可愛らしい木組みの家々。
ヴェルニゲローデ城
なかでも、絵本から飛び出してきたかのようなとんがり屋根の市庁舎は、町の人々の誇り。この市庁舎を目の前にすれば、「こんな建物が現実にあるなんて!」と、ひと目で恋に落ちてしまうことでしょう。

町を見下ろすヴェルニゲローデ城

ヴェルニゲローデ城
そんなヴェルニゲローデのシンボルが、町を見下ろす丘の上にそびえるヴェルニゲローデ城。

その美しさや独特の雰囲気から、ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」で一躍有名になった、ラプンツェルが過ごした城のモデルではないかともいわれています。

ヴェルニゲローデの町はずれから眺める孤高の姿は、確かに物語の舞台になってもなんら不思議はない、幻想的な雰囲気をたたえています。

この城はもともと、12世紀のはじめにヴェルニゲローデ伯が要塞として建てたもの。時代とともに城主は入れ替わり、改築や拡張を繰り返しながら17世紀後半にはバロック様式の城となりました。

さらに1858年の大改築では、ネオゴシック様式が取り入れられ、バロックとネオゴシック、2つの建築様式が混在する現在の姿となったのです。

ミニ観光列車でヴェルニゲローデ城へ出発

ヴェルニゲローデ城
標高350メートルの高台に位置するヴェルニゲローデ城へは、歩くと町のはずれから30~40分ほど山道をのぼる必要があります。

そのため、市庁舎の近くなど町の中心部から出ている「ビンメルバーン」や「シュロスバーン」と呼ばれるミニ観光列車を利用するのがおすすめ。

ガタゴトと音を立てながら、木々が生い茂る坂道を進んでいくミニ観光列車はムード満点。より中世の雰囲気を味わいたいなら、馬車を利用する手もあります。

「これぞヨーロッパの城!」とでもいうべき風格

ヴェルニゲローデ城
ミニ観光列車で城のふもとに到着したら、はやる気持ちを抑えつつ、階段をのぼっていよいよ城へ。城の全景が見えた瞬間、その堂々たる風格にきっと感動するはずです。

ドイツには大小さまざまな城がありますが、ヴェルニゲローデ城は「これぞヨーロッパの城」とでもいうべき、重厚さと壮麗さを兼ね備えた古城。城のガイドは「ヴェルニゲローデ城は間違いなく第2のノイシュヴァンシュタイン城です」と胸を張ります。

その一方で、日本はおろか世界中でその名を知られるノイシュヴァンシュタイン城に比べ、ヴェルニゲローデ城の知名度はいまひとつ。しかし、実際に訪れてみると、日本ではほとんど無名であることが信じられないほど、ヴェルニゲローデ城の貫録は際立っています。

人気の観光地ではあるものの、ノイシュヴァンシュタイン城に比べると観光客であふれかえっているわけではないので、ヴェルニゲローデ城はまさに穴場の古城といえるでしょう。

城のテラスからの見事なパノラマ

ヴェルニゲローデ城
ヴェルニゲローデ城に着いたら真っ先に待ち受けているのが、城のテラスからの素晴らしい眺望。

オレンジの屋根が連なるヴェルニゲローデの町と、緑深いハルツの山並みが織り成す風景は、まさに絶景。古い町並みと自然を大切にしてきた、ドイツらしい景色に心癒されます。

豪華絢爛な城内

ヴェルニゲローデ城
城内見学のスタート地点となるのが、雰囲気たっぷりの中庭。メルヘンチックな丸屋根とツタ、美しい木組みの構造があいまって、おとぎ話に出てきそうな非日常感が漂っています。

城内には50ほどの部屋があり、ルネッサンス時代から19世紀までの家具や工芸品、絵画といったかつての貴族の暮らしぶりをしのぶ豪華な品々を目にすることができます。
ヴェルニゲローデ城
数ある部屋のなかでも華麗を極めるのが「祝宴の間」。豪華な壁紙や巨大な絵画、重厚な木の彫刻で埋められた壁に、天井からはまばゆいばかりのシャンデリア……優美かつ壮麗な空間に、誰もがうっとりとせずにはいられません。
ヴェルニゲローデ城
城内には教会もあり、ここを貸し切って結婚式を挙げることもできるとか。中世の面影を残す本物のお城で結婚式だなんて、主役の2人はもちろん、参列者にとっても忘れられない式になりそうですね。

ハルツ地方の小さな町にたたずむ、知る人ぞ知るヴェルニゲローデ城。「ラプンツェルが過ごした城」「第2のノイシュヴァンシュタイン城」、そんなキャッチフレーズにもうなずけるほど、外観も内装も見事な城は、きっとあなたを非日常の世界へと連れて行ってくれるはずです。

ヴェルニゲローデ城
Am Schloß 1, 38855 Wernigerode, ドイツ
公式HPはこちら

ガイドブックでひと目惚れしたヴェルニゲローデ城

2015年11月にドイツに移住した筆者は、ドイツ到着後さっそくドイツのガイドブックを購入しました。ガイドブックをパラパラめくっていたときに目に留まったのがヴェルニゲローデの市庁舎の写真。現実とは思えないほど可愛らしいその姿にひと目惚れし、ずっとハルツ地方に行く機会を狙っていたのです。ついに念願叶って憧れのヴェルニゲローデの市庁舎に対面! そのときの興奮は忘れられません。

こうして、もともとは城というより市庁舎目当てで訪れたヴェルニゲローデでしたが、実際に訪れてみるとヴェルニゲローデ城の見事なたたずまいにも驚かされました。ドイツ人でも知らない人がいるくらいのヴェルニゲローデ城ですが、その知名度の低さが信じられないほど素敵なお城。これまでドイツの町をあちこち旅してきましたが、ヴェルニゲローデはありきたりではないドイツ旅行を楽しみたい方にイチオシの場所です。

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼドイツ在住ライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野で9歳年下のドイツ人夫と出会う。 2015年11月、ドイツ移住を機に、トラベルライター&ブロガーに転向。ドイツを拠点に、各国を飛び回りながら執筆中。特に目がないのが、旧市街など、歴史を感じる街を歩くこと。 これまでの訪問歴は54ヵ国220都市。旅の「ワクワク」をお伝えします。

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