ホーチミンのバックパッカー街ってどんなところ?実際に歩いてみた
ベトナム

アジアのバックパッカー街といえば、なんといってもバンコクのカオサンロードが有名。カオサンよりも規模が劣るとはいえ、ベトナム最大の都市・ホーチミンにも東南アジア第2の規模を誇るバックパッカー街があります。

 

ホーチミンのバックパッカー街とは、一体どのようなところなのでしょう。バンコクのカオサンとの違いは?
そんな疑問を胸に、実際に足を運んでみました。

ホーチミンのバックパッカー街

ホーチミンのバックパッカー街は、1区の南西部、ショッピングスポットとして有名なベンタイン市場から徒歩10分ほどのところにあります。バンコクのカオサンロードは、公共交通機関ではやや不便な場所にありますが、ホーチミンのバックパッカー街は、場所によっては徒歩で向かうこともできるのです。

 

バックパッカー街と呼ばれるエリアは、9月23日公園の南部。ファングーラオ通りやデタム通り、ブイビエン通りなどから構成されていて、通りによって異なる表情を見せてくれるのが興味深いところです。

 

ファングーラオ通り

グーグルマップで「バックパッカー通り」として登録されているのが、9月23日公園に面したファングーラオ通り。この通りはいわばバックパッカー街の玄関口で、バックパッカー街特有のディープな雰囲気はあまり感じられません。

旅行会社やカフェなどが並んでいるのに加え、パックパッカー向けとは思えない中級ホテルも建っていて、「お手頃なツーリストエリア」という雰囲気です。

 

デタム通り

ベトナムのローカルコーヒーチェーン「ハイランズコーヒー」とバー「アレブー(Allez Boo)」のあいだを入っていくと、そこはデタム通り。さほど大きくはない通りですが、旅行会社パラダイスとして有名な通りです。

ここに軒を連ねているのは、シンツーリストをはじめ、格安ツアーを提供している現地旅行会社。ホーチミン発メコンデルタ日帰りツアーのお値段は、なんと10ドル(約1,100円)程度と、日本では考えられない安さです。

ここで申し込めるツアーのほとんどが英語ツアーですが、日本人スタッフのいる「TNKトラベルJAPAN」では、日本語ツアーを申し込むことができます。料金は英語ツアーに比べると大幅に高くなりますが、日本人なら誰もが知るような大手日系旅行会社に比べると、お手頃。TNKトラベルJAPANの店舗前では、バックパッカー街の地図が載ったホーチミンの無料マップを配布しているので、立ち寄って損はないでしょう。

 

ファングーラオ通り

ホーチミンのバックパッカー街で、最も賑やかなのがファングーラオ通り。ゲストハウスやレストラン、カフェ、バー、マッサージ、雑貨店、タトゥーショップなど、旅行者をターゲットにしたお店がひしめき合い、夜になると怪しげなバーなどもオープンする、最もバックパッカー街らしい通りです。

とはいえ、日中のファングーラオ通りは人通りも少なく平和な雰囲気。女性一人で歩いていても、恐怖を感じるようなことはありません。アジアンファッションや少数民族デザインの雑貨ショップなど、女性におすすめのショッピングスポットもあります。

欧米人受けを狙ったとみられる、派手なバーの看板が並んでいるところが、いかにも「アジアのバックパッカー街」という感じがしますね。

 

カオサンよりローカル度高し

ホーチミンのバックパッカー街を歩いていると気付くのが、バンコクのカオサンよりもローカル度が高いこと。

カオサンはもはやそれ自体が観光スポットと化しているので、カオサンを見物に来る観光客や地元の若者などで賑わっていますが、ホーチミンのバックパッカー街には、わざわざここを見物しに来ている人はあまりおらず、ここにいる旅行者の多くが周辺に滞在している人々。しかし、日中は観光に出ているか、宿でのんびりしている人が多いので、人通りが少ないのです。

散策中は、絵に描いたような欧米人バックパッカーの姿をちらほら見かけましたが、カオサンほど観光地化されておらず、日中はどこか気の抜けたような雰囲気がありました。

少々驚いたのが、道端に無造作に置かれたカゴの中にいるニワトリ!どこかの農村のような風景ですが、これがパックパッカー街のメインストリートにあるのです。

 

裏通りに広がるディープな世界

ホーチミンのバックパッカー街のローカル度を実感できるのが、中の細道。表通りから一歩奥に入ると、そこには迷路のような狭い路地が張り巡らされていて、地元の人々の日常生活があるのです。

路地に足を踏み入れてみれば、ドアの開いた民家で人が寝ている風景や、食事の準備をしている風景など、どく普通の日常風景が広がっています。バックパッカーストリートの裏には、こんな世界が広がっていたとは!

民家の隙間にゲストハウスやホステルなどもたくさんありますが、「こんなところに宿をとったら、見つけるのが大変そうだなぁ」と思ってしまいます。旅行者の世界と地元の人々の世界が切り離されておらず、両者が絡み合っているのがホーチミンのバックパッカー街の面白いところです。

 

プロパガンダアートが安い「RICE」

ここからは、ホーチミンのバックパッカー街のショップやグルメをご紹介していきます。

 

ユニークなアートが好きな人におすすめなのが、プロパガンダアートの専門店「RICE」。独特のタッチが印象的なベトナムのプロパガンダアートは、近年外国人旅行者のあいだで人気が高まっており、ドンコイ通り近くの雑貨ショップや書店などでも買うことができます。

しかし、価格にシビアな旅行者が多いバックパッカー街では、ドンコイ通り周辺で買うよりもお得。ドンコイ通り近くのショップでは1枚18万ドン(約860円)で売られているポスターが、ファングーラオ通りの「RICE」なら、半額以下で買えました。ただし、値段は交渉制となるので、バックパッカー街でプロパガンダアートを買うなら、事前にほかのエリアの店で相場をチェックしておくといいでしょう。

 

RICE OLD PROPAGANDA POSTERS
住所:183 Bui Vien Street, Pham Ngu Lao Ward, District 1, Ho Chi Minh City

 

ビーフシチューフォーが食べられる「フォークイン」

ベトナム料理といえば、真っ先にフォーを思い浮かべる人も多いことでしょう。フォーは本来ベトナム北部の名物なのですが、ホーチミン以外ではほとんど食べられないという変化球フォーがあります。

それが、ファングーラオ通りに面した交差点に位置するフォーの有名店「フォークイン」で食べられるビーフシチューフォー「フォーボーコー(Pho Bo Kho)」。柔らかく煮込んだ牛肉が入った洋風フォーで、濃厚なのにさっぱりとしていて、ちょっと変わったベトナム料理を食べてみたいときにおすすめです。

 

フォークイン(PHO QUYNH)
住所:323 Pham Ngu Lao, Ho Chi Minh City
公式ホームページ:http://phoquynh.restaurantsnapshot.com/

 

評判のインド料理店「ババズキッチン」

世界各国からの旅行者が集まるため、ホーチミンのバックパッカー街はベトナム料理以外のグルメも豊富。なかでもお店の数が多いジャンルのひとつがインド料理です。いくらベトナムの食事がおいしいとはいえ、ベトナム料理はさっぱりとした優しい味が主流なので、それが続くとパンチのきいたインド料理がちょうどいいのです。

ブイビエン通りのインド料理の人気店が、「ババズキッチン」。バックパッカー街にありながら、店内は落ち着いていて、外の喧噪を忘れてリラックスできます。ランチタイムなら、ボリューム満点の本格インド料理の定食が約700円からというお手頃価格で楽しめます。

 

ババズキッチン(Baba’s Kitchen)
住所:274 Bui Vien | Pham Ngu Lao, District 1, Ho Chi Minh City
公式サイト:https://www.babaskitchen.in/saigon/

 

絶品ジューススタンド「ファイブボーイズナンバーワン」

バックパッカー街の路地裏にたたずむ、人気ジュース屋台が「ファイブボーイズナンバーワン」。びっくりするほどローカルな場所と店構えでありながら、どこからともなく次々と旅行者がやってくるほどの有名店です。

メニューによって異なりますが、複数のフルーツを混ぜたミックスジュースは200円前後というお手頃価格。さまざまなフルーツを組み合わせることができ、とても選択肢が豊富です。しかも、仕上がったジュースの上にはフルーツがトッピングされ、見た目もゴージャス。インドカレーの後はフレッシュジュースで口直しというのが、筆者のおすすめコースです。

 

ファイブボーイズナンバーワン(Five Boys Number One)
住所:84 Bui Vien Street, Pham Ngu Lao Ward, District 1, Ho Chi Minh City

 

バックパッカーでなくても楽しめるバックパッカー街

ホーチミンのバックパッカー街は、派手なバーやレストランなどもありますが、バンコクのカオサンほどには観光地化されておらず、日中はどこかゆるい雰囲気があります。旅行者と地元の人々の日常が入り乱れている様子が独特で、人間観察にはもってこい。バックパッカーでなくても、ユニークな風景と雰囲気に興味をそそられるはずです。

ただし、夜になると怪しげなバーなどもオープンし、女性にはあまりおすすめできないので、散策が目当てなら日中に出かけることをおすすめします。

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼ旅するライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野でドイツ人夫に出会う。5ヵ月間のアジア横断旅行と2年半のドイツ生活を経て、2018年7月日本に帰国。これまでの海外旅行歴は60ヵ国240都市。特に目がないのが、「旧市街」「歴史地区」と名のつく古い街並みを歩くこと。旅のリアルな「ワクワク」をお伝えします。

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