世界でも人気の高いベトナムコーヒー。
エスプレッソやカフェラテなどが世界中で人気になってきている中、相変わらずローカルの間でも、根強い人気を誇っています。
時代の変化とともに、ベトナムコーヒーも少しずつみんなの需要に合うように変化してきているように感じます。
今回は、ベトナムのあちこちでみることができるベトナムコーヒーを、現代風にアレンジしたカフェについてご紹介します。
ベトナムコーヒーとは?
イタリアではエスプレッソ、アイルランドではアイリッシュコーヒーがあるように、一言にコーヒーと言ってもその種類や飲み方は世界中様々です。
濃いめのコーヒーに甘い練乳(もしくは砂糖)がたっぷりと入ったベトナムコーヒーは癖になる美味しさなので、ベトナムに行った時には必ず飲みます。
専用の小さなガラスコップに氷をたっぷりと入れ、その上から専用のフィルターをちょこんと乗せ、コーヒーが抽出されるのを待ちます。
そんな独特の抽出の仕方もとても可愛く、マグネットのデザインにもなっているほどです。
ただ、このコーヒーの抽出、本当に時間がかかるのです。
通常ドリップコーヒーの抽出は2分30秒から3分ほどで行われるのが理想だとされていますが、ベトナムコーヒーはたった1杯のコーヒーを入れるのに、3分どころか2〜3倍の時間を必要とします。
そのため、「時間がかかりすぎる!」と思ってしまうこともあります。
ベトナムコーヒーの本当の目的とは?
実はベトナム人にとって、コーヒーを飲む時に別の目的があったことはご存知でしょうか?
彼らはコーヒータイムのことを「みんなとおしゃべりを楽しむ時間」と捉えています。
それで、「コーヒーが抽出され氷が溶けるまでの時間、とにかく仲間との交流を楽しむ」というわけです。
そう!コーヒー抽出の長い時間そのものが、彼らにとって、とても貴重なものだったのです。
trung nguyen coffee
今回、ホーチミンに行った時、ローカルにとって大切なコーヒータイムの意味合いを残しながら、現代風のカフェでコーヒーを楽しむことができるカフェを発見しました。それが、「trung nguyen coffee(チュングエンコーヒー)」。
通りかかった時にとても雰囲気が良かったので入ってみることにしたのですが、中に入るととても明るく、落ち着いた内装でした。
ベトナムコーヒーを注文すると、早速出てきました。
おしゃれなコーヒーフィルタがガラスコップの上にちょこんと乗っています。コーヒーが抽出されるのをじっくり待ちながら一緒に行った友人たちと楽しくおしゃべりをすることができました。
普段ローカルは道路の端に置かれた低めの椅子に座りおしゃべりを楽しみます。
そんなローカルのベトナムコーヒースタイルは「ちょっとハードルが高い!という人にとって、おしゃれなカフェで、ベトナムコーヒーとその目的を楽しむことができるのは、嬉しいポイントです。
忙しい毎日に合わせたコーヒースタイルのカフェ
ベトナムのホーチミンはベトナムの中でもかなり大きな都市。みんな毎日忙しく働いています。
そんな人たちにとって、ベトナムコーヒーをじっくり楽しむ時間がない!ということもあります。
そんな中でも、ベトナムコーヒーを楽しむことができるカフェがいくつか存在しました。
例えば、「KATINAT」。
いわゆるスターバックスなどのようなコーヒーショップをベトナム風にアレンジしたようなカフェです。
注文すると比較的早くベトナムコーヒーを淹れてくれます。コーヒーをテイクアウトすることも可能です。
急いでいる時にコーヒーを購入し、飲むのにぴったりです。実際多くの若い人たちが次々にやってきてコーヒーを注文し、持ち帰っていました。
私たちも観光の途中でちょっと立ち寄り、コーヒーを購入しました。
このよう「KATINAT」は現代の生活スタイルに適応しながら、ベトナムコーヒーを楽しむことができるカフェです。もちろん店内にはテーブルと椅子もありますので、ゆっくりとコーヒーを楽しみたい人も利用することができます。
ベトナムコーヒーはベトナム人の大切な文化?
もちろん今でも昔ながらのローカルのカフェがあります。それに加えて、コーヒータイムの意味合いを残しながらも、現代の人や海外から来る人にベトナムコーヒーを受け入れやすいようにしたカフェもあります。
反対に現代の生活スタイルに合わせながら、ベトナムコーヒーの味を楽しむことができるようにしたカフェもあります。
ベトナムコーヒーの歴史の中で、人々の暮らしにより調和していけるようにと少しずつ変化している様子を垣間見ることができ、興味深く感じました。
どちらにしても、ベトナム人にとってベトナムコーヒーはとても大切な文化で、誇りに思うドリンクの1つなんだということが伝わってきました。