緑が豊かなことは良い意味で使われることが多い表現ですが、実は鳥取砂丘は緑豊かに草木が茂る“草原化”に悩まされています。放置しておくと、砂丘の美しい景色が損なわれるのだとか。実際に鳥取砂丘で雑草駆除のお手伝いをしながらお話を聞いてみました。
砂丘についてお勉強
今回は、除草体験に先立って、鳥取砂丘の現状と鳥取砂丘で見られる植物を「鳥取砂丘フィールドハウス」でお勉強。フィールドハウスは、2023年4月に誕生した新しい施設で、鳥取砂丘西側の観光拠点として休憩スペースや足洗い場を設け、砂丘に関する案内などを行っています。あまり足を運ぶ機会のない鳥取砂丘の西側エリアですが、マリオットホテル建設の計画もあるのだとか…!
近年、鳥取砂丘は外来種の雑草による“草原化”に悩まされていて、砂丘本来の景観の破壊が危ぶまれているらしい。大陸では“砂漠化”が問題になっている国もあるのに、我が国の砂丘は反対に緑化に悩まされているなんて、なかなか奥深いものですね。樹木や雑草で砂が動かなくなると、砂丘特有の美しい砂紋も見られなくなるそうですよ。
オオフタバムグラ、コマツヨイグサ、メヒシバ…、、「え? 除草していい雑草、覚えられない!」と焦ったのですが、基本的に砂丘に生えている草はどんどん除草してしまって大丈夫だそうです。
いよいよ除草体験
鳥取砂丘の植物といえば「鳥取砂丘らっきょう」が有名ですが、らっきょうは鳥取砂丘の周辺の畑で栽培されているので、「間違って除草しちゃったらどうしよう…!」という心配は不要です。
ただ、雑草を駆除していたのに、なぜか大根を引き抜いてしまいました…。市の職員さんに聞いたところ、「ハマダイコンかなぁ…」とのこと。調べたところ、薬用として栽培されていたダイコンが野生化したものらしい。
その後、再び大根に遭遇することはなく、ひたすら枯れたように見える雑草をお掃除。枯れたように見えているのに、根がすごくしっかり張っているんですよね。まさに雑草!
鳥取砂丘では第二次世界大戦後から、農地を確保し集落を守るために植林が進んだのだとか。その結果として砂の移動が制限され、草原化が始まったそうですよ。1972年からは砂丘本来の姿を取り戻すべく保安林を伐採。平成6年からは本格的に除草作業に着手。平成16年からはボランティアによる除草作業も取り入れて、砂丘の草原化を食い止めるべく活動をしています。
鳥取砂丘を散策
除草作業のあとは、鳥取砂丘を散策。登るのが大変な「馬の背」ですが、除草エリアから市の職員さんの案内で登ったルートは驚くほど楽チンでした。流石によくご存じです。
美しい砂紋や砂丘の向こうに広がる日本海、オアシスを見学しながら除草作業完了!
いつもの鳥取砂丘とは違った側面を知ることができて、とても興味深い体験でした。砂丘にとっても参加者にとっても一石二鳥。
除草ボランティアに関して
砂丘の除草作業は果てしないですが、みんなで協力して取り組むと結構な量の雑草が集まりました。
私が参加したものとは内容が異なりますが、鳥取砂丘では除草ボランティアを募集しているので気になった方はぜひ参加してみてくださいね!
参加者募集!鳥取砂丘ボランティア除草について
●https://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1591942902433/index.html