トロトロのチーズがクセに!南ドイツのパスタ「シュペッツレ」を食べてほしい
ドイツ

シュペッツレ

ドイツの名物料理と聞いてなにを思い浮かべますか? やはり、たいていの方はソーセージやステーキなどの肉料理をイメージするのではないでしょうか。確かにドイツ料理の神髄は肉にあるといえますが、肉だけがドイツ料理ではありません。

南ドイツを訪れるなら一度は試してみてほしい名物料理が、「シュペッツレ」。特にチーズとの相性が抜群なんです。

南ドイツ名物「シュペッツレ」ってなに?

シュペッツレ
南ドイツ、特に南西部のバーデン=ヴュルテンベルク州の名物料理とされるのが、「シュペッツレ」。小麦粉や卵、塩などをこねた生地から作った麵料理で、「ドイツ風パスタ」とも「すいとんのようなもの」ともいわれます。

文献上にシュペッツレが登場するのは1725年のことですが、それよりも早く中世の時代に挿絵としてシュペッツレが描かれていることがわかっています。

実は、シュペッツレが食べられているのは南ドイツだけでなく、フランスのアルザス地方やオーストリアの一部を含む広い範囲。シュペッツレ文化圏は、中世ドイツに興ったシュヴァーベン公国の領土とおおまかに一致します。

「シュペッツレ( Spätzle)」とは、方言で「小さなスズメちゃん」といったような意味。パスタのような料理が「スズメちゃん」と呼ばれるなんて、不思議ではありませんか? 語源については諸説あるものの、一説には「手で作った生地の形がスズメに似ていたから」ともいわれています。

シュペッツレの作り方

シュペッツレ
家庭料理であるシュペッツレの作り方は実にシンプル。小麦粉、卵、塩をこねて作った生地(ゆるくするために水を混ぜることも)を直接沸騰したお湯に入れれば、あっという間に茹で上がります。

もともとは「シュペッツレブレット」と呼ばれる木製のまな板から生地を削り入れていましたが、この方法は慣れていないと難しいため、今では大根おろし器に似た器具や裏ごし器のような道具を使うことが多くなっています。

一口に「シュペッツレ」といっても、耳たぶのように小さくて丸いものから、芋虫のようにやや細長いもの、スパゲッティのようにさらに細長いものなど、形はさまざま。

シュペッツレ界のアイドル「ケーゼシュペッツレ」

シュペッツレ
シュペッツレは、肉料理などの付け合わせとして出てくることもあれば、そのままメインディッシュとして食べられることもあります。

豚レバーのミンチが入った「レバーシュペッツレ」やホウレンソウが入った「シュピナートシュパッツェルン」など、いくつかのバリエーションがあるものの、「シュペッツレの代名詞」ともいえるのが「ケーゼシュペッツレ(Käsespätzle)」。

「ケーゼ(Käse)」とはドイツ語で「チーズ」を意味し、「ケーゼシュペッツレ」は、その名の通り細かく削ったチーズを混ぜたシュペッツレです。

短く不揃いな形のシュペッツレはソースがよく絡むのが特徴。トロトロ、アツアツのチーズと一緒に食べるシュペッツレはたまりません。バーデン=ヴュルテンベルク州では、しばしばクリスマスマーケットにも登場する地元の味です。

ハイデルベルク城で食べるケーゼシュペッツレ

シュペッツレ
バーデン=ヴュルテンベルク州にはいくつもの古城があり、世界的にも有名なハイデルベルク城やホーエンツォレルン城はレストランも備えています。

「お城のレストラン」なんていうと「高いばかりでおいしくないのでは」と思われるかもしれませんが、意外にも町なかのレストランとあまり変わらない値段でおいしい郷土料理をいただくことができます。

ハイデルベルク城の敷地内にあるレストラン「Historische Backhaus」のケーゼシュペッツレは、見た目も味も洗練された一品。濃厚なチーズと弾力のある柔らかい生地とのハーモニーが絶妙です。

「Historische Backhaus」
公式HP:http://www.heidelberger-schloss-gastronomie.de/backhaus/

フライブルクの郷土料理レストランで食べるケーゼシュペッツレ

シュペッツレ
バーデン=ヴュルテンベルク州の主要都市のひとつが、フライブルク。地元の人々に支持される人気の郷土料理レストラン「Gasthaus zum Kranz」のフライブルク風ケーゼシュペッツレは、グラタンのようなボリューム満点の一品。

麺の形もハイデルベルク城のものと違ってやや細長く、素朴でどっしりとした味わい。まさに「郷土料理」といった雰囲気を感じます。同じシュペッツレといっても、お店によってさまざまなバリエーションがあることが一目瞭然ですね。

「Gasthaus zum Kranz」
公式HP:http://www.gasthauszumkranz.de/

香ばしいチーズのおいしさが引き立つケーゼシュペッツレは、日本人の口にも合いやすい料理。なかには「これがいままで食べたドイツ料理で一番好き!」と絶賛する人もいるほどです。南ドイツを訪れたらぜひ一度はトロトロのチーズが絡んだケーゼシュペッツレをお試しあれ。

ちなみに、ドイツのスーパーならたいていシュペッツレの生麺を販売しているので、滞在先にキッチンがあればドイツ旅行中、自分で作ってみるのもいいかもしれません。

ドイツワインとのコラボレーションも楽しんで

ドイツといえばビールのイメージも強いですが、南ドイツはワインの産地でもあります。もちろんビールをお供にしてもいいのですが、濃厚なチーズが香るケーゼシュペッツレはワインとの相性が抜群。

せっかくなら、ケーゼシュペッツレにドイツワインという南ドイツならではのグルメなコラボレーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼドイツ在住ライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野で9歳年下のドイツ人夫と出会う。
2015年11月、ドイツ移住を機に、トラベルライター&ブロガーに転向。ドイツを拠点に、各国を飛び回りながら執筆中。特に目がないのが、旧市街など、歴史を感じる街を歩くこと。
これまでの訪問歴は54ヵ国220都市。旅の「ワクワク」をお伝えします。

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