炭酸水で割っても美味しい!今こそドイツワインを深く知ってみませんか
ドイツ

ドイツワイン

「ドイツといえばビール!」と思っていませんか?

確かに、ドイツが世界有数のビール大国であることは間違いありません。しかし、ドイツはビール大国であると当時にワイン大国でもあるのです。

特にワインの産地ともなれば、「ビールよりもワインをたくさん飲む」というドイツ人も少なくありませんし、スーパーマーケットのワインコーナーはビールと同じくらい、場合によってはそれ以上に充実しています。

安くておいしい、実は優秀なドイツワイン

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ドイツにおけるワインの生産量は年間830万ヘクトリットル程度。量だけを見れば、ヨーロッパきってのワイン生産国であるフランスやイタリアの5分の1程度にすぎません。しかし、ドイツワインに対する評価は高く、特に白ワインは世界的に見ても最高峰の水準にあるといわれています。

ドイツに住む筆者が、ドイツワインを日本の両親へのお土産にしたところ、ワインにうるさい両親が「おいしい、おいしい!」と絶賛し、あっという間に1本が空いてしまいました。

ドイツワインの特徴は、フルーティーで繊細な味わいと豊かな酸。世界のワイン生産国のなかでもっとも北に位置するドイツでは、冷涼な気候のためにブドウがゆっくりと成熟し、果実の酸が時間をかけて分解されるため、ワインにも独特の果実酸が残るのです。

そんなドイツワインは、おいしいだけでなく値段が手ごろなのも魅力。ドイツのスーパーマーケットで販売されている大衆的なワインのボリュームゾーンは4~6ユーロ程度で、3ユーロを切るような安価なものも少なくありません。

ワンボトル5ユーロも出せばちゃんとしたワインが買え、10ユーロを超えたらちょっとした高級ワインといってもいいほどで、普通のスーパーではほとんどのボトルが1本10ユーロ以下。ドイツでは、毎日ワインを飲むことが必ずしも贅沢というわけではないのです。

ドイツワインの生産地域:ライン

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ドイツには13のワイン生産地域がありますが、特に覚えておきたいのがラインとモーゼル、フランケン、バーデンの4つの地域。

ライン川クルーズでおなじみのライン川流域はドイツ最大のワイン生産地で、さらにラインガウやラインヘッセン、ラインプファルツなどに細分化することができます。

ラインガウは辛口白ワインの名産地であると同時に、甘口の貴腐ワインの産地としても有名。ドイツ国内で最大の生産量を誇るラインヘッセンは、白ワインも多く造られますが、最近では辛口の赤ワインの産地としても注目されています。

ドイツで飲むなら、リューデスハイムやマインツなど、ライン川沿いの町で。

ドイツワインの生産地域:モーゼル

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ライン川の支流であるモーゼル川やザール川、ルーヴァー川の流域一帯を指すこの地域は、世界で最も洗練されたリースリングを生産することで知られています。「デボンシーファー」と呼ばれる急斜面の畑で栽培するブドウから造られるモーゼルワインは、味に張りがあるのが特徴。

デザートのように甘くフルーティーでさっぱりとした甘口のモーゼルワインは、ワインが苦手な人にもぜひ一度は挑戦してみてほしい逸品です。

ドイツで飲むなら、コッヘムやベルンカステル・クース、トリーアなどで。

ドイツワインの生産地域:フランケン

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ドイツの真ん中よりやや南に位置するフランケンは、シルヴァーナーというブドウ品種を使った辛口の白が有名。フランケンワインは「ボックスボイテル」と呼ばれる独特の平べったい丸い瓶に入っているので、ひと目でそうとわかります。

「ドイツで最も頑固なワイン」といわれるだけに、男性的で力強いコクがあり、通好みのワインとして知られています。

ドイツで飲むなら、ヴュルツブルクのワインレストラン「ビュルガーシュピタール」や「ユリウスシュピタール」などで。

ドイツワインの生産地域:バーデン

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ドイツではワインの総生産量の約60パーセントを白ワインが占めますが、ドイツ南西部のバーデンは赤ワインの名産地として知られています。

辛口ワインが中心で、しっかりとした重みのある赤ワインや、まろやかですっきりとした白ワイン、ロゼなどが楽しめます。

ドイツで飲むなら、バーデン・バーデンやフライブルクなどで。

ドイツワインの代名詞・リースリング

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ドイツワインの代名詞ともいえるブドウ品種が、白ワイン用のリースリング。

ドイツ国内のブドウ栽培量のおよそ20パーセントを占めるこの品種は、ブドウの完熟が10~11月と遅く、ゆっくりと甘みと酸味のバランスがとれた絶妙な味わいへと仕上がっていきます。

ドイツでは高級白ワインの多くはリースリングで、とりわけモーゼルの名セラーともなれば、新酒のオークションで10万円以上の値が付くものもあるとか。

ドイツでワイン選びに困ったら、まずはこのリースリングを試してみてください。ほかに、白ワインならミュラー・トゥルガウやシルヴァーナー、ケルナー、赤ワインならシュペートブルグンダー(ピノ・ノワールのドイツ語名)などがあります。

ドイツワインの最高峰「トロッケンベーレンアウスレーゼ」


ドイツワインの格付けにはテーブルワイン、地酒、上質ワイン、最上質ワインの4種類があり、最上質ワインはブドウの熟し度合いによってさらに6等級に分かれています。

そんなドイツワインの品質等級で最上級に君臨するのが、貴腐ワインとして知られる「トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese)」。ただしトロッケンベーレンアウスレーゼに分類されているものすべてが貴腐ワインというわけではありません。

トロッケンベーレンアウスレーゼは、最適な天候にある年にのみ造られるワインで、ほとんど干しブドウ状態になるまで乾いたブドウから造られる、凝縮した甘みをもつワインです。筆者も取り寄せて飲んで見たことがありますが、黄金色に輝く液体の芳醇な甘さと濃厚な味わいには本当にびっくりしました。まさに「極甘口」という表現がぴったり。

希少なワインゆえ、普通のスーパーではなかなか見つかりませんが、ワイン好きなら一度は試してみたいものです。

ワイン選びのために知っておきたいドイツ語

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レストランでワインを注文するとき、あるいはスーパーマーケットなどでワインを購入する際に知っておきたいのが、ワインの糖度を表すドイツ語。

ドイツでは、辛口ワインは「Trocken」、中辛口は「Halbtrocken」、甘口は「Süß」または「Lieblich」(「Süß」のほうが甘みが強い)と表現されています。

スーパーマーケットで購入する際も、ワインボトルまたは値札に必ず産地やブドウ品種、糖度が記載されていますので、それらをチェックしたうえで購入してくださいね。

気に入ったワインは産地で購入を

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ドイツは地域間の対抗意識が強いためか、ワインの産地で売られているドイツワインのほとんどがその産地のワインです。

たとえば筆者はバーデンワインの産地で暮らしていますが、地元のスーパーやワインショップで販売されているのはほとんどがバーデンワイン。その次に多いのはフランスやイタリア、スペインなどの外国産ワインで、バーデン以外のドイツワインを探してもその選択肢は非常に限られています。

荷物量との相談にもなりますが、ドイツを旅行していてとある産地のワインが気に入ったら、できるだけその産地で購入しておくことをおすすめします。

ワインを炭酸水で割った「ワインショーレ」

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ドイツ特有のワインの楽しみ方がありますが、ワインを炭酸水で割った「ワインショーレ(Weinschorle)」。日本のワイン通からは「邪道」といわれそうな気もしますが、ドイツではレストランのメニューにもワインショーレがあるほど一般的な飲み方です。

特に夏に人気の飲み方で、ショーレにして飲むなら味のはっきりした甘口ワインがぴったり。筆者も「ワインに水!?」と思いつつ飲んでみたところ、すっきりとしたのどごしで意外といける!軽く飲めるワインショーレは、ワインにあまり慣れていない人や、お酒に強くない人にもおすすめです。

ワインというと、どこか気取っているような敷居の高い印象をもつ人もいるかもしれません。ところが、ドイツはビールと変わらないカジュアルな感覚でワインを楽しめる国。

合わせる料理にもあまりこだわる必要はありませんし、自分の好きなワイン・気になったワインを気取らず好きなように楽しめるのがドイツのワイン文化の魅力なのです。

ドイツに住んでワインに開眼

今でこそワインを飲むようになった筆者ですが、ドイツに移住する前は「重い・苦い」というイメージがあり、ワインは苦手でした。そんな筆者がはじめておいしいと思ったワインが、なにを隠そうドイツワインだったのです。

相性の良い料理をお供にするとさらにワインがおいしく感じられるということもわかるようになり、「ワインに合う料理を」と躍起になる両親の気持ちも理解できるようになりました。

ドイツワイン、特に甘口の白は実に多彩。「ワインが苦手」と思っている人は、実は自分好みのワインを飲んだことがないだけなのかもしれません。ワインが好きな人はもちろん、そうでない人も、一度はドイツワインを試してみませんか。

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼドイツ在住ライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野で9歳年下のドイツ人夫と出会う。
2015年11月、ドイツ移住を機に、トラベルライター&ブロガーに転向。ドイツを拠点に、各国を飛び回りながら執筆中。特に目がないのが、旧市街など、歴史を感じる街を歩くこと。
これまでの訪問歴は54ヵ国220都市。旅の「ワクワク」をお伝えします。

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