グルメの国といわれるフランスには、本当に美味しいものがいっぱい。
昔ながらのフランス家庭料理だけでも、365日違うメニューが楽しめるレシピ本がありますし、パリでは世界各国から移り住んできたシェフたち・料理人たちの店が軒を連ねています。食べることへの愛情と好奇心がいっぱいな人に、実に多く遭遇します。
面白いのは、どんな国の料理のときにも”食卓にバゲットを欠かさない”という家庭や、”朝食だけは必ずフレンチスタイル”という人が、意外なほど多いこと。
今回はそんなフランス人たちのこだわりや、美味しいパンと朝食の過ごし方をご紹介しますね。
フランス家庭の朝食って?
フランスの朝ごはんといえば、クロワッサンにカフェオレ、あるいはバゲットにバターや蜂蜜・たくさんのジャム、といったイメージですが、通勤通学する平日や、子育てしている家庭では、毎朝そうともいきません。だから、シリアルだったりパンやビスコットだったりを、カフェやショコラに浸しながらちゃちゃっと口に放り込む、というのがよくある日常風景です。
ジュースやヨーグルトは加わっても、ハムや卵が並ぶことはまずありません。朝から甘いものを摂ることは、脳にもカラダにもいいと言われてきたフランスならではの食習慣ですね。
まだまだ廃れない! あこがれの「ベッドで朝食」
一方週末の朝は、男性が女性のために焼きたてのデニッシュ類を買ってきて用意してくれる……という嬉しい習慣もまだまだすたれていません。ベッドのミニテーブルに朝食を置いて食べるシーン、ハリウッド映画などで見かけたことありませんか? ベッド用の足つきトレイは比較的安価でポピュラーなアイテムなので、そこここの家庭用品売り場に並んでいます。
街でも優雅な朝食を!
さて、じゃあ短期滞在や旅行の時には?
選択肢はいろいろですが、フランスに訪れたらぜひ街でも朝食を食べてみてください。
カフェでデニッシュやバター&ジャム付きパンを食べるのもいいですし、通りのパン屋さんでもテラスや店内で食べられるところが増えてきているので便利です。
街でのフランス流の朝は?
自宅に招き合うのが習慣のフランスですが、朝待ち合わせて一緒に朝食を……というのも週末のちょっとしたフランス流・交流手段のひとつ。
何を話すということもなくて、テラスで陽射しを満喫する時間を共有するだけだったりもしますが、それが至福の時。
私にとっては、カフェでの朝食がちょっとしたON/OFFのスイッチの場にもなっています。たとえば、子どもを送り出してから少し時間に余裕のあるときには、夫とふたりでカフェかパン屋さんへ行き、クロワッサンや甘いデニッシュとダブルエスプレッソでひと息。そして、大事な仕事のあるときには、15分早めに家を出て立ち寄って、頭をビジネス用にシフトします。
それでは、そんなフランス流の朝を心優雅にすごせる、街の美味しいお店をご紹介します!
美味しいパンの行列が名物!モンマルトル(パリ18区)
朝食おすすめのエリアのひとつ、モンマルトルは、夏の時季なら特におすすめです!
メトロ12号線・アベス(Abbesses)駅を出てすぐ目の前を左右に広がる、駅と同じ名前の通りRue des Abbessesには、フランス人をうならせる美味しいパンのお店がいっぱい。毎年恒例の『パリで1番素晴らしいパン』のコンクールで賞を獲得したバゲットや、最優秀クロワッサンに輝いた店が軒を連ねていて、とても活気があります。
行列に参加するのが苦手なフランス人たちが、唯一、苦とも思わず順番を待つ光景が見られるのは、美味しい食材を買う時。どれだけ賑わっているかは、評判を知るバロメーターになります。
それではその評判のお店をご紹介していきましょう。
パリ一番のクロワッサンを「Le Grenier à Pain」
店構えこそさりげないものの、中はこの通り、レジまで長蛇の列。それもそのはず、ここのバゲットは何度も賞を獲っているだけでなく、クロワッサンはパリで一番知られているのです。
朝7時半から、夜8時まで開いています。
ただし残念ながら、イートインスペースはないので、ホテルやアパルトマンなどに持ち帰って食べてくださいね。
メトロの駅出口を背にして右側に進むと、すぐ右側の舗道に見つけられます。
店内でゆっくり食べたい方におすすめ。「Coquelicot」
お店でゆっくり美味しい朝ごはんを食べられるのは、こちら。
駅の出口を背にしてすぐ左手に、コクリコ(Coquelicot/花の名)のイメージそのままの真っ赤なテントが目に入ります。
テラス席も、2階にある店内席も充実している人気店です。こちらも、中は並ぶ人でいっぱい。グルメ本で紹介されているので、観光客にもよく知られている店のひとつ。欧州各国語が飛び交っています。
同じく朝7時半から、夜8時までです。
はちみつたっぷりのバケットが美味しい! 「ALEXINE」
今年2016年のパリで最も美味しいバゲットランキング4位だったお店、ALEXINE。残念ながら、8月はバカンス中でお休みです。
普段なら、朝7時から夜8時15分まで開いています。
我が家の週末の定番は、この記事の1番上の写真にあるように、バゲット、パン・オ・ショコラ、パン・オ・レザン。バゲットには、バターとはちみつ(または季節のジャム)をたっぷり塗りつけていただきます。カフェの濃さや種類はお天気次第。冬は、濃厚ショコラの日が多いかも。
駅を出て右側の舗道沿いを徒歩5分。
フランスには、通りの名前が途中から変わることがしばしばあります。通りの名前だけが、すぐ手前からアペスからレピックに変わるのでご留意を。こちらも簡単に見つかるはずです。
20 Rue Lepic, 75018 Paris
バゲットの焼き方は、お店によってはBien Cuit(きつね色のもの)とBlanc(白っぽくて歯ざわりがややソフトなもの)を焼き分けているとこともあって、好みを伝えて選ぶことが出来るところもあります。
私は焼き方よりも、なにより焼きたてを頬張りたいので、”Bien chaud S.V.P.!”(焼き立てアツアツをください!)とお願いします。
機会があったら、ぜひ! 美味しいパリ時間のスタートに、焼き立てパンはいかがですか。