スペインは世界遺産の数では世界3位(1位はイタリア、2位中国)! スペイン南部のアンダルシア地方は昔イスラムの勢力下におかれ、今でもイスラム建築、アラブ風の雰囲気が残っています。
コルドバにはキリスト教とイスラム教が融合した珍しい建築物が残されていて、唯一無二の存在から世界遺産に登録されています。それが今回ご紹介するメスキータです!
昔はモスク、現在は大聖堂!
メスキータはいわゆるイスラム教のモスクのことです。昔はイスラム教のお祈りを捧げるモスクとして使われていたのですが、レコンキスタ(国土回復運動)が終わった後、キリスト教徒はコルドバに大聖堂を造りました。
こちらがメスキータの地図です。詳しい日本語パンフレットもありますので、必ず入口でゲットしましょう!
黄色→薄いオレンジ→中くらいのオレンジ→濃いオレンジの順に、4回にわたり拡張されました。緑の部分は中庭で、オレンジの木がたくさん植えてあります。
入口は黄色の部分の右下です。
外はこのような感じ。モスクとして使われていた時代は馬蹄形のアーチの部分は外に向かって開かれていました。たくさんのイスラム教徒がどこからでも入れたのですね。
こちらは中庭にある鐘楼。イスラムの時代にはミナレットとして使われ、イスラム教の5回のお祈りの時間を知らせる塔として使われていました。現在は大聖堂の鐘楼になっています。
内部は円柱の森!
さぁ内部に入りましょう! まさに「円柱の森」です! 内部はフラッシュありで撮影が可能です。柱は花崗岩や大理石、石化石膏など様々。
こちらは地図でいうと㉑番にあたる部分で、最初に造られたキリスト教の教会部分です。柱を取り除き空間を作ったというのがわかりますね。
そしてここにはモスクには絶対にないステンドグラスのバラ窓があります。
馬蹄形アーチの奥にキリスト像……
こちらは地図でいうと⑬番にあたるいわゆるメスキータの中で一番大切な場所「ミフラーブ」です。つまりメッカの方向を向いている礼拝所です。イスラム教徒の人はここに向かってお祈りを捧げていました。装飾もひと際細かく素晴らしい!
よく見るとアラビア文字が描かれていますね。
天井まで素晴らしい! ぜひ見上げてみてください
ここはもうイスラム色が強い部分ですね!
⑭宝物館のお宝はこちら!
ガラッと雰囲気が変わりました。こちらは地図でいうと⑭番の部分。宝物館になっていてここの大聖堂のお宝が展示してあります。
この絵は13世紀にレコンキスタを完了させた時の絵。フェルナンド3世が中心に立ち、ひざまついているのがイスラムの人々。
この宝物館を出た所にある柱には当時の石工職人達のサインがのこされています。ぜひ見つけてみてください。
石膏で型をとったものですが、こんなにたくさんサインを残しているんですね!
中心部は大聖堂!
中心部には柱を取り除き作られた立派な大聖堂があります。天井も高くゴシックからバロックにかけての華やかな装飾様式です。
現在、メスキータは大聖堂として使われているので、ちゃんと毎朝ここでミサが行われます。
いかがでしたか?? ここ最近、宗教絡みの戦争などが起きていますが、この建築をみると、昔は宗教に対して寛容だったのかな、なんて考えさせられます。唯一無二の建築です! 世界遺産に登録された理由もわかりますよね。