いま韓国では、韓服(チマチョゴリ)を着ておさんぽするのが流行していた…!
韓国

毎日何万人もの観光客が訪れる、500年の都・ソウル。ソウルを訪れる観光客は外国人とは限りません。ソウルには毎日地方からもたくさんの観光客が訪れます。せっかく韓国に来たのなら、チマ・チョゴリを着て写真を撮ってみたい! そういう方も多いでしょう。

もちろん以前から外国人向けにそういうコンテンツはありました。宮殿や、宮殿の正門が見える広場で洋服の上から軽く伝統衣装を羽織って、カメラマンがインスタントカメラでパチッと……というスタイルのが。

筆者も昔試したことがありましたが、期待はずれでがっかりした記憶があります。せっかくだから、着心地も含めて楽しみたいですよね。そう思ったのは、どうも外国人だけではなかったようです。

実は今の韓国、日常生活の中で伝統衣装を着る機会はほとんどないんです。しかし最近、伝統文化に対する関心の高まりと共に、伝統衣装を楽しもうとする韓国人も増えているんです。

韓屋には韓服がよく似合う

韓国の伝統衣装、韓国語で「韓服(ハンボク)」といいます。伝統家屋は「韓屋(ハノク)」といいます。高層団地や高いオフィスビルと韓服を組み合わせてもいいけど、やはり韓服と韓屋の相性は抜群です。

こちらは景福宮(正宮)の西側に広がる、王室御用達の職人さんたちが住んでいたといわれているエリア。

宮殿内の広い庭園や……

王宮の荘厳な建物と一緒に写真を撮る人はたくさん。

一昔前のソウル市内を再現したエリア。これも王宮内にあります。

王宮周りはいろんな色の衣装を着た人たちが普通に歩いています。

夏場には王宮を夜間も開放するのですが、夜間観覧時期には、韓服を着て夜間のお散歩をする人も少なくありません。男性用の衣装もありますから、カップルやグループで楽しむ人もたくさんいます。子供たちから年配の方まで楽しんでいます。

外国人観光客の姿も。この人たちはおそらく中国のおばちゃんたち。文化圏によって好む色やデザインが少しずつ違うんですよね。

お手軽レンタル

せっかくだからとびっきりかわいい韓服を着たいけど、着付けの方法もわからないし……という人におすすめなのが韓服レンタルです。韓服をもっていない韓国の人からも人気です。やり方はとても簡単。

1.お店を選ぶ

ソウルについたら、宮殿のエリアを探してください。地下鉄の駅で言うと、3号線の「安国」駅か「景福宮」駅がいいかも。どちらの駅も、駅を降りると道沿いに韓服を看板のように置いている店がたくさんあります。

例えばこんなふうに。

こんな看板も一緒に出ています。

子供用もあります。

お店によって若干テイストが違うので、好みのデザインをここで大体絞るのが得策。

なかには頭の上にあったりもしますから、上下きょろきょろしてくださいね。

2.衣装を選ぶ

これ!という店が見つかったら店内に入りましょう。事前予約することもありますが、だいたい飛び込みでもOKです。

入るとフロントのようなところで、料金やシステムの説明をしてくれます。外国人観光客が多いこともあり、韓国語以外に日本語の説明書きや日本語のできるスタッフによる説明があることも。

納得したら、ロッカールームへ。

たいていのお店はロッカールームを完備しています。なので、荷物や着替えた服はこちらに保管します。貴重品は後で持ち歩き用のバッグを貸してもらえるので手元に置き、重いものは全部ここに置いていってしまいましょう。

コートやカバンを置いたらいよいよ店内へ。

目移りするほどの衣装の数々です。衣装のランクによって料金が変わりますが、衣装棚ごとに値段がはっきり書いてあるので安心して選べます。

「テーマ韓服」2時間約1,500円。4時間約2,000円。最近は、「テーマ韓服」とか「コンジュ韓服」とかいうドレスみたいなデザインのアレンジ韓服が人気なのだとか。

オーソドックスな伝統的なデザインのものも、もちろんあります。

色もデザインもとにかくたくさんあるので迷ってしまいますよね。

そんな時はまず、チマを選んでください。チマというのはこの写真に写っているようなスカートです。面積の大きいチマは韓服の中で一番目につくものです。

選ぶときは好きな色味のチマの中から候補を絞っていくのがお勧めです。それでも絞れない場合はお店の人に手伝ってもらいましょう。例えば……

「私、紫系の色が好きなんです」と言ってみると、お店の人が紫系の中からいくつかのチマを選んで持ってきてくれます。

気に入ったチマが見つかったら、それに合わせたチョゴリを選んでもらいます。チマがカラフルなのでチョゴリ(上半身に着るブラウスのような服)は、白にチマとの相性のいい刺繍がしてあるものなどがお勧め。

こうやって、イメージしやすく合わせてくれます。納得のいくまでチマとチョゴリを組み合わせてみます。

3.いよいよ着付けを

決まったら、着付けに入ります。ふんわり感を出すためにペチコートを着るように言われることも多いです。伝統スタイルの場合はワイヤー入りのペチコートではなく白くて長いワンピースのような下着を着ます。

そして、チマ、チョゴリの順に着ていきます。ちゃんとお店のお姉さんが着付けをしてくれるので安心して任せちゃってください。着付けが終わったらヘアメイクが待っています。

ヘアメイク台にはいろんな髪飾りがあって、見ているだけで楽しくなってしまいます。花冠もあるし、

かんざしの種類は圧倒されるほど……。

無難なパール系のものが特に多かったように思えます。

髪型は希望をもとにお店の人が素敵な感じに仕上げてくれます。伝統的な髪型はテンギモリといって、頭の後ろで1本みつあみをした後に、赤い太めのリボンで止めるスタイル。

衣装がアレンジ韓服の場合は、髪型も伝統スタイルを取り入れながら現代風にアレンジしたスタイルが人気のようです。

こんなふうに。

最後に貴重品を入れるバッグを選んで、いざ、出発です。

3.西村、宮殿、北村……伝統的な街並みを散歩する

衣装のレンタル時間はほとんどが2時間か4時間。なので、たっぷり楽しめます。

宮殿を背景に写真を撮ってもいいし、

路地裏散歩も楽しいです。

韓国伝統家屋が連なるあたりは雰囲気のよい写真が撮れます。アレンジ韓服はインスタ映えします。

この界隈のお店は韓服を着ての来店を歓迎してくれています。なので、比較的気軽に、お茶したりご飯食べたりもできます。こんなカフェで伝統茶を楽しむのはいかがでしょうか。

お店によっては自前のスタジオを持っているところもあります。スタジオでなりきり写真も面白いですよ。時代劇で時々見かけるあのシーンを再現……。


いかがでしたか。韓国人たちにも人気の韓服お散歩体験。なんと、韓服を着ていると宮殿の入場料が無料になるという特典もあります。ソウルに来たら一度は試してみてもらいたいものです。

この記事を書いた人

エナ

エナライター / エナツアー主催

横浜出身のソウルっ子。2000年から2002年、ワーホリ滞在。その後横浜での10年間を経て2011年、再度渡韓。本業は日本語教師。ソウルの博物館、市場、路地が主な生息地。普通の町を普通じゃなく感じさせるエナツアーなるものを企画していました。最近は日本家屋の残る町にはまり気味。現在は本業の都合でソウルと山の中にある地方都市との二重生活中です。ソウルの穴場のお店や、地方とソウルで生活しながら見えてきたものなどをブログやSNSなどで紹介するのが趣味。

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