炎のケーキ「フラムクーヘン」って? 甘くないけどサクサク食感が病みつきに!
ドイツ

フラムクーヘン

ドイツ料理といえば、豪快な肉料理やソーセージを思い浮かべる人が多いことでしょう。しかし、筆者の住むドイツ南西部には日本で一般にイメージされる「ドイツ料理」とは異なる名物があります。
それが、サクサクした食感が病みつきになる「フラムクーヘン」。
なにを隠そう、筆者がドイツで最もおいしい食べ物のひとつだと思っているのがこのフラムクーヘンなのです。

ソクたびソクたび

フラムクーヘンってなに?

フラムクーヘン

フラムクーヘン専門店も誕生し、日本でもじわじわと人気が高まりつつあるフラムクーヘン。とはいえ、まだまだ「フラムクーヘンなんて聞いたことがない」という人が多いのではないでしょうか。

「フラムクーヘン(ドイツ語: Flammkuchen)」とは、現在のフランス・アルザス地方で生まれた郷土料理。「Flamm(炎)」+「Kuchen(ケーキ)」で、「炎のケーキ」という意味をもっています。

フランス語では「タルト・フランベ(Tarte flambée)」といい、日本では「アルザス風極薄ピザ」とも呼ばれます。
「ケーキ」といっても、フラムクーヘンは基本的には甘くありません。
ごく薄くのばしたパン生地に、サワークリームまたはフロマージュ・ブラン(白いソフトタイプのチーズ)を塗り、スライスした玉ねぎとベーコンをのせて焼き上げたものが定番。

ドイツ南西部やフランスのアルザス地方では、郷土料理レストランや専門店など、あちこちで食べられる身近な存在です。ドイツのビールやワインとの相性も抜群ですよ。

フラムクーヘンの歴史

フラムクーヘン

フラムクーヘンがいつ生まれたのかははっきりしませんが、発祥の地は現在フランス領であるアルザス地方とされています。

フラムクーヘンは窯の温度が最も高くなったときにおいしく焼けるため、もともとは、アレマン語(ドイツ南西部の方言)を話す農夫が、窯の温度を知るために焼いたのがはじまりだといわれています。

アルザス生まれのフラムクーヘンがなぜドイツ南西部の名物なのか、疑問に思う人もいるかもしれません。

アルザス地方は今でこそフランス領として確立されていますが、第2次世界大戦のナチス・ドイツの崩壊でフランス領になるまでは、三十年戦争、普仏戦争、第1次世界大戦と、ドイツとフランスが戦った戦争のたびにドイツ領になったりフランス領になったりしていました。

歴史的にはドイツ領だった時代が長いために、アルザス地方とドイツ南西部は単純に切り離すことができず、アルザス地方もドイツ南西部も、どちらも「フラムクーヘン(タルト・フランベ)の本場」といえるのです。

スタンダードなフラムクーヘン

フラムクーヘン

サワークリームを塗った生地に、薄くスライスした玉ねぎとベーコンを散らして焼いたものが、最もスタンダードなフラムクーヘン。

伝統的なスタイルのこのフラムクーヘンは、ドイツでは「normal」または「classic」と表現されることが多いです。

伝統的なフラムクーヘンは四角い形をしていて、小さく切り分けて食べるのが一般的。

初めてフラムクーヘンを目にした人はその大きさに驚くかもしれませんが、ピザに比べるとずっと薄く軽いので、女性でも意外とぺろりと完食できてしまいます。

フラムクーヘンの特徴は、なんといってもサクサクした食感。

おいしい店ともなれば、とっても薄いのにミルフィーユのように生地が幾重にも層になっていて、軽ーい食感に病みつきになってしまうこと請け合いです。

シンプルなトッピングですが、なめらかな質感とあっさりした風味が特徴のサワークリームと、塩気のあるベーコンのハーモニーが絶妙の一品。

モダンなバリエーション

フラムクーヘン

スタンダードなフラムクーヘンに加え、店ごとさまざまにアレンジされたフラムクーヘンにも出会えます。

ほうれん草やコーン、パプリカ、マッシュルームがトッピングされたものや、サラミやパプリカがトッピングされたもの、エビとミニトマトがトッピングされたものなど、そのバリエーションは無限大。ピザのようにさまざまな具材のコンビネーションが楽しめます。

店によってはリンゴやシナモンなどのデザートフラムクーヘンに出会えることも。

ピザよりも軽く食べられるので、ぜひ色々な種類を食べ比べてみてください。

ハイデルベルク城で楽しむフラムクーヘン

フラムクーヘン

「どこでフラムクーヘンが食べられるの?」という人のために、ドイツ南西部の代表的な観光地のレストランをご紹介します。それが、ドイツ三大名城のひとつに数えられるハイデルベルク城に併設されたレストラン「Historische Backhaus」。

お城の敷地内という絶好のロケーションながら、意外にも値段は町なかのレストランと大差ないお手頃価格。

フラムクーヘンが看板メニューだけあって、見事なサクサク感が楽しめるおいしいフラムクーヘンに出会えます。

玉ねぎとベーコンを散らしたスタンダードなフラムクーヘンは定番メニュー。

ほかにも、時期によってカレー味のフラムクーヘンなどさまざまな変わりダネが用意されています。

クリスマスマーケットにも登場

フラムクーヘン

オーブンさえあれば簡単にできるフラムクーヘンは、クリスマスマーケットや中世祭りなどの各種イベントの屋台でもおなじみ。

屋台といっても侮るなかれ。その地域のフラムクーヘン専門店が出店しているケースもあり、昔ながらの窯で焼かれたアツアツのフラムクーヘンは絶品です。

見た目がピザに似ているので、実際に食べてみるまでは「ピザとどう違うの?」と思われがちなフラムクーヘン。でも、その食感や味はイタリア式のピザとは大きく違います。

クリーミーであっさりとしたサワークリームの風味と、サクサクした食感が決め手のフラムクーヘンは、一度食べるとまた食べたくなるおいしさ。

南西ドイツのあちこちで、香ばしく焼きあがったフラムクーヘンが待っていますよ。

フラムクーヘン

 

独特の食文化に触れられる南西ドイツ

フランスと国境を接しているドイツ南西部は、ドイツきってのグルメエリアとして有名。フラムクーヘン以外にも、「南ドイツ風パスタ」と呼ばれるシュペッツレや、「ドイツ風餃子」と呼ばれるマウルタッシェンなど、ドイツのほかの地域ではなかなかお目にかかれない名物料理があります。

そして、南西ドイツはバーデンワインやヴュルテンベルクワインの産地でもあります。ビールもいいですが、ローカルワインと合わせて地域の味をご堪能あれ。

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼ旅するライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野でドイツ人夫に出会う。5ヵ月間のアジア横断旅行と2年半のドイツ生活を経て、2018年7月日本に帰国。これまでの海外旅行歴は60ヵ国240都市。特に目がないのが、「旧市街」「歴史地区」と名のつく古い街並みを歩くこと。旅のリアルな「ワクワク」をお伝えします。

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