ビールやサッカーでお馴染みの国、ドイツ。日本人にも親しみやすいと思われる国、ドイツですが、ふと見まわしてみると結構意味不明な習慣があるもの。ガイドブックには載っていない、知って楽しい不可思議なドイツの習慣をご紹介致します。
フォークinケーキ
お高いカフェでも庶民のカフェでも、ケーキはいつもフォークが突き刺さった状態で提供されます。気楽なイートインから、高級なオシャレカフェまで、ケーキを注文すれば突き刺さったフォークは必須。
インパクトのある見た目ですが、理由は至って合理的。「フォークを刺しておけば、ケーキが横に倒れず運びやすい」と言う合理性を重視するドイツ人魂なのです。
ちなみに、ミルフィーユなどのフォークを突き刺す事が難しい形状のケーキは、あらかじめ横に倒した状態で皿に乗せて提供されます。
最初から倒しておけば、倒れる心配もない……哲学ですね。
一方で、ドイツ料理の肉の塊にナイフが突き刺さって来る事もしばしばです。こちらは「混ぜものの無い本物の肉の塊だぞ!!」という意味合いですが、もしかすると、単にダイナミックな行いが好きな民族性なのかも知れませんね。
どこにでもいる人類最良の友、犬
▲ロンネブルクの中世祭りにて、飼い主に中世っぽい服装で付き合う犬
スーパーにも、デパートにも、レストランにも、市役所にも。ドイツでは、犬はどこにでもいます。
デパートを飼い主と一緒に悠々と散歩する犬を見ると、びっくりしてしまうかも知れませんね。しかし、これも合法なのです。
ドイツ人は犬を愛する人々です。ドイツの犬権は手厚く保護されており、日本人の人権よりも恵まれています。ドイツの犬権に基くと、罪のない犬を一人ぼっちにして、寂しい思いをさせるのは虐待と言う訳です。
そのため、犬は飼い主と一緒にどこにでもお出かけする事が出来ます。レストランでごちそうを食べるのも一緒です。ドイツのレストランで人間が水を注文すれば有料ですが、犬には無料の水が差しだされます。
ドイツ人は、子供と犬に「は」優しい人々として有名なのです。
健康の秘訣は「日光」にある、そうに違いない、と思う
カフェテラスはオシャレですが、11月のドイツはご覧の通りの空模様です。
たとえ雪が積もっていようと、氷点下だろうと、晴れている限りはテラス席に座り、冷め切ったお茶(凍りそうなビールでもよい)を飲むのがドイツ人です。寒さを感じない訳ではないので、やや震えながら外に座っているドイツ人の姿は、外国人にとっては不思議な存在となるでしょう。ですが、これには切実な理由があります。
ドイツの経度は北海道とほぼ同じ位にあり、一年のおおよそ半分は冬です。日照時間も短く、人々は日の光に飢えています。
また、人間は日光によってビタミンDを合成します。長期間日光を浴びない場合、神経痛や冬季鬱を始めとする具体的な病気にも罹患してしまう為、ドイツ人は少しでも長く日の光を浴びようとするのです。
日光を補う国民食的タブレット、ビタミンD
寒さに耐えてテラス席に座る覚悟があろうとも、ドイツの冬は暗く、雨、雪、霧でひと月以上晴れない事も珍しくありません。こうなると日光によるビタミンDの合成は望めず、そろそろ神経痛や冬季鬱の症状が出始めてきます。
つらい症状が出始める前に、ドイツ国民にお馴染みのサプリメントが「ビタミンD」。
子供は必ず摂取するよう勧められており、乳幼児健診の際にはビタミンDが配られる程です。
ドラッグストアに行けば気軽に何種類も購入する事が出来ますが、筆者のおススメは水に溶けるタイプのタブレット。駄菓子屋で買うような粉ジュースの味がします。ビタミンCやマグネシウムなどを含むものもあり、サプリメント感覚で気軽に冬季鬱を予防する事が出来ます。ビタミンDは脂溶性のビタミンのため、過剰摂取も健康に良くありませんが、既に神経痛などの症状が出始めている場合には、高濃度の薬剤タイプが良いでしょう。
おわりに
国変われば常識も変わり、ドイツにも日本人から見れば風変わりな習慣がいくつもあります。そこは合理性好きの国民性、何故かと問われれば習慣に理由を説明出来るのが流石です。
理由を聞けば納得の謎の習慣、ぜひドイツ人に混じってお試し下さい。