最近のトレンドとして注目されている『Bean to Bar(ビーントゥバー)』チョコレート。世界的にブームとなりつつあるそうですが、札幌にも『Bean to Bar(ビーントゥバー)』を実践しているチョコレートショップがあります。
それが、札幌市東区にお店を構える『CacaoLab Hokkaido(カカオラボ・ホッカイドウ)』。こちらはオーナーがカカオ豆の仕入れから選別、チョコレートの製造、店頭販売までをひとりでこなすため、平日製造作業を行い週末(金・土曜日14:00~18:00)に販売するというスタイルを取っています。
つまり、1週間の中で販売時間はたったの8時間!! どのようなお店なのか、実際に訪問してみました。
カカオ豆ついての豆知識
そもそも『Bean to Bar(ビーントゥバー)』とは、カカオ豆の仕入れ・豆の焙煎から始まり、板チョコレートに成型するまでのすべての工程を一貫して行う事を指すそうです。
ちなみに世界でのカカオ豆生産国トップ3は、1位:コートジボワール、2位:ガーナ、3位:インドネシアとなっており、現在アフリカの生産量がダントツです。
チョコレートの原料になるカカオ豆はもともと中南米発祥で、そこからアフリカなど世界各地に広がっていったのが始まりなのですが、日本国内に輸入される原料の産地はガーナが大半を占めるそう。
期待を胸に、いざ訪問!
周辺は飲食店が多いのか、訪問した土曜午後の時間帯はシャッターが閉まっているお店が多いです。ホントにこの辺でいいのかな?と不安に思っていると……ありました、お店を発見です。
外の看板だけではチョコレートを販売しているお店だとは想像できないと思います。
オープンと同時に入店させていただきました。店内は3人ほどお客が入ったらいっぱいになってしまうくらい、こぢんまりとした佇まいです。
チョコレートのパッケージは至ってシンプル。あくまでも主役はチョコレートです。
壁には製造工程などの説明があり、とても勉強になります。種類が豊富な事と、初めて聞く産地があったりするので目移りしてしまいますが、それぞれの産地の特徴を丁寧に教えてくださいます。もちろん試食もOK。
私は最初に「タンザニア」を試食させていただきましたが、普段食べ慣れているチョコレートとはあまりにも違っていて衝撃を受けました。とてもフルーティーで、「ホントにチョコレートだけ?」と疑いたくなるくらい、果実のような爽やかな風味が口の中に広がります。
他のチョコレートも、産地ごとの個性がはっきりと伝わってくるので、「チョコレート」という言葉だけで一括りに出来ません。こちらのお店のチョコレートは、口の中で溶かして味わいながら食べるべきチョコレートです。
他にも希少価値の高いカカオ豆を使用したチョコレートや、テイスティング・ボックス(6枚入)もあります。
最近、大手菓子メーカーでは産地別を謳ったチョコレートを発売しており、実際いくつかを買い、味の違いを楽しんでみようとしたのですが、それぞれの産地の特徴が分からず落胆したことがありました。この経験から正直「産地の違いは大差ない」と思っていたのです。
しかし、全然違いました! カカオ豆の産地によってこんなに違うなんて!! 感動すら覚えます。産地ごとの特性を熟知し、表現するということは本来とても難しいことだと思いますが、きちんと買い手側に伝わってくるチョコレートでした。
チョコレートは奥が深すぎる……。
『カカオラボ・ホッカイドウ』のチョコレートは、乳化剤や植物性油脂などの添加物を一切使用していないため、温度変化に弱く冷蔵保存が必要との事。冷蔵保存をすれば1年ほどは日持ちするそうです。
そして、余分なものが入っていないチョコレートなので、少しずつ熟成が進み風味も変化するそうです。まるでワインのようですね。
私もどれにしようかと迷いながら、数種類お買い上げして来ました。しかし数ヶ月先まで熟成させるための忍耐が足りないので、おそらくあっという間に食べてしまうと思います。
ラッキーな事に、カカオ豆を焙煎した状態のものを試食させて下さいました。カカオ豆を間近で見るのは初めてです。小さめのかけらでも、かじった瞬間にカカオ豆の爽やかな香りが口いっぱいに広がりましたよ。
この日購入したチョコレートは、翌日自宅でゆっくりいただきました。至福の時間に大満足! ご馳走様でした。
札幌市東区北9条東7丁目1(地下鉄東豊線・東区役所前駅4番出口から徒歩5分)
金・土曜日(14:00~18:00)のみ店頭販売
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