こんにちは! 南米ボリビアに在住しているZICです。ボリビアはペルー、アルゼンチン、チリ、ブラジルに囲まれた国です。
四方を海に囲まれた日本では考えられないことですが、隣接する国境の町ではお互いに自由に行き来することができる、フリーゾーンの様な状況が起こります。
なので、ボリビアに居ながらパスポートなしでブラジルの町に入り、ブラジルで買い物をしてボリビアに帰るという事が日常的に行われます。
それは、ボリビアからペルー、アルゼンチンの国境沿いでも同じです。そんな国境ならではの独特の体験を、ボリビアからブラジルへの移動を通じてご紹介します。
ボリビアとブラジルの国境、プエルト・キハロ
ボリビア第2の都市サンタクルスから東へ約650km。バスで10時間、電車で18時間進んだところに、プエルト・キハロという小さな町があります。
ここはブラジルとの国境線が隣接していて、国境の町として知られます。山に囲まれた盆地で灼熱の熱帯地帯にあり、真夏には気温が50度にも達します。本当に、何もない町です。
ブラジルに隣接しているため物がよく流通していて、ボリビアの中でも比較的ショッピングは楽しめる場所でもあります。しかし、ボリビアの田舎町らしく少し殺伐としている様子を見て取れます。
実はこのプエルト・キハロはボリビア人にとってのちょっとした観光スポットとなっています。というのも、この町を通してブラジルのコルンバという町に入ることができるからです。
プエルト・キハロとコルンバは、ボリビア側からもブラジル側からもパスポートの提示など求められることなく、さながらフリーゾーンの様にして自由に行き来できます。
ブラジルで物を仕入れてボリビアで売りたいボリビア人、物価の安いボリビアの生活用品を買いに来るブラジル人という2つの構図が生まれます。国境ならではの面白い文化や生活リズムが育まれています。
ボリビア人にとってブラジルはあこがれの場所でもあります。あるボリビア人が自虐的に言っていたのですが、ブラジルに入った途端に、道はきれいになるし、車は新しくなるし、ゴミは落ちていないし、町がすごくきれいになる、とのこと。
確かに、ジャングルの中に造った町であるボリビアのプエルト・キハロの町から考えればそう思います。
そして、写真に見える赤い建物、あれがボリビアとブラジルの国境になり、あれを超えるとボリビアからブラジルへ入国することができます。さて、国境を越えてみましょう。
ブラジルへ入国! コルンバの町へ
さて、早速ボリビアから国境を越えてブラジルに入国。もちろんこの時、入国機関を通らなければなりませんが車でさっと通ることができます。
もしくは歩いてこの国境を渡ることもできとても新鮮な気分です。こちらはもうブラジルですが、さっきまでの砂埃の混じる殺伐とした空気とはうって変わります。
ボリビア人が語っているように、突如として舗装されたきれいなコンクリートの道があらわれ、一気に近代化したような気分になります。
国境線を超えただけでまるで別世界に迷い込んだような気持ちになるのがこの国境越えの面白いところです。ブラジルと途上国のボリビア、隣り合わせの国同士ですが、ここまで差があるのかと実感します。
そして、ボリビア人が開いている市場ですが、プエルト・キハロの市場と比べてとてもきれいです。これが、ブラジルの市場なのでしょう。ボリビア人が少し自虐的に語るのもわかる気がします。
ボリビア人があこがれるブラジルの町
このボリビアと隣接するブラジル側の町、コルンバにはパンタナル(大湿原)と呼ばれる観光スポットがあり、ジャングルクルーズができることでも知られています。
また、ボリビア(特にサンタクルス県内)では味わえない都会の空気を味わえることで、多くのボリビア人が旅行にやってきます。
フリーゾーンとして入国でき、両方の国を自由に行き来できるこの国境沿いの町、プエルト・キハロとコルンバ。国境を越えて急に景色が変わるのも本当に興味深いです。
もし、ブラジル、ボリビアを旅行される方はこの国境越えをぜひ、体感してくださいね。