新年あけましておめでとうございます。今年は皆様に喜ばれる文章を書けるよう、精進していきたいと思います。
と、今回は元日に初詣に行ったことを書くにあたって、新年の挨拶も冒頭に入れてみました。改めて今後ともよろしくお願いいたします。
今年は熱田神宮に初詣に行ってきました。
三種の神器である草薙の剣を祀る熱田神宮
名古屋市民が初詣に行くと言ったら、熱田神宮。と言われるほどで、この人の多さを見ると理解できると思います。
主際神は熱田大神なのですが、この神様は草薙の剣に宿る天照大神を指すと言われています。「神宮」とつくお宮は天照大神を主際神としていると聞いたことがありますが、本当のようです。さて、天照大神が宿っている草薙の剣というのは、ご存知の通り三種の神器の一つで天皇の武力の象徴だそうです。
熱田神宮はそれをご神体としているので、人が集まるのも納得します。そのような尊いものをご神体としている上に、日本人の総氏子神である天照大神が鎮座しているところには、ものすごいパワーがあるような気がするものです。
神様は心が広い
いつからいるのかはわかりませんが、去年もキリスト教の布教活動をしている団体がいました。その他にも核反対活動家などもいます。彼らの根本は「平和」だと思うのですが、教義の垣根を越えて熱田神宮の前で布教や啓発活動をしている様子を見ると、神様の心の広さを見習いたいと思います。
また、伊勢神宮と異なり、熱田神宮の境内には屋台が並んでいました。伊勢神宮は宇治橋を渡ると、粛々とした神様の領域で俗っぽいものが全くないのですが、熱田神宮は参拝する本宮ぎりぎりまで屋台が並んでいるのが印象的でした。
人に押されて参拝へ、そして熱田神宮の深部であるパワースポットへ。
元日の初詣となると、人の多さに覚悟しなければなりません。このような黒山の人だかりを見ていると、私のささやかなお願い事が、群衆に紛れてしまうのではないかと心配しました。
黒山で本宮がよく見えません。もとは尾張造りの社殿だったそうですが、三種の神器が奉斎されているということで、明治26年に伊勢神宮の同じ様式である神明造りに変わったそうです。
やっと参拝を終えきよめ餅でも買って帰るか。と思いましたが、せっかく熱田神宮に来たので散策してみることにしました。
熱田神宮の最も神聖な場所「一之御前神社」(いちのみさきじんじゃ)
本宮の裏手に「こころ小径」という場所があります。ここには本宮を左側に沿って歩くと、「一之御前神社」という場所に着きます。このお宮のご際神は熱田神宮の本殿にお鎮まりになっている熱田大神の「荒魂」です。先にも紹介しましたが、熱田大神=天照大神であり、熱田大神の「荒魂」とは天照大神の「荒魂」になります。
この「荒魂」とは時にのぞんで活動的勇猛的なご神威をあらわされる御魂のおはたらきのことをさすそうで、要するに天変地異が起こったり、人々の心を荒ませて争い事を導く神様のお姿とされているとのことです。ここが最も熱田神宮の神聖な場所とされており、後に調べてみるとここは神聖な場所なので、撮影禁止だそうです……。撮っちゃた。てへぺろ。とお茶目に舌を出して取り繕っても、神様は許してくれるわけないので、ここでは写真をアップしません。これは神様に対しての最低限の配慮です。
私も新年早々罰当たりたくないですし、伊勢神宮で神罰の存在を身をもって体験しているので、進んで神様の気を悪くするようなことはしたくないです。また、ここは2012年から一般人の参拝を許可されたところで、本来は入れるような場所ではないのです。それを知らずにふらふら入って、写真まで撮って……。本当に礼儀知らずな行為をしてしまいました。神様ごめんなさい。
「清水社」と「お清水」
本殿の後ろを東側に進むと清水社というお宮と、その側に清水が湧き出ているお清水と呼ばれている場所があります。
清水社に祀られている神様は、罔象女神(みつはのめのかみ)です。この神様は日本書紀においてイザナミから生まれたとされ、日本の水の神様の一人です。
その昔、平家の武将・平景清が目の病気になりました。その際に清水社でお祈りをし、そばに湧き出ている清水で目を洗ったところ、眼病が治ったという言い伝えがあります。
先月、ものもらいの種類の一つ霰粒腫が運悪く連休中に痛み出し、泣きながら担当医の病院に走って切開してもらいました。これの他にも目の縁にニキビのようなものもらいがあり、これは油脂の分泌するマイボーム線が詰まった状態だそうで、自然と芯が出るまで何もしなくてもよいといわれていたので、これがきれいに治ってくれるように祈願しました。
清水が湧き出ているところの真ん中に苔むした石があります。その石は「楊貴妃の石塔」の一部という説があります。石塔とは墓石のことです。よって苔むした石は楊貴妃のお墓になります。なぜ、熱田神宮に絶世の美女である楊貴妃の墓があるのでしょうか? ちょっと調べてみました。
昔々、今の中国が唐と呼ばれていた時代。当時の皇帝・宗玄は日本侵略を企てました。そのことを知った八百万の神々は、その企てを阻止するために熱田大神を美女に変身させ、玄宗に取り入らせました。楊貴妃は「傾国の美女」の代名詞的な存在なので、唐が後にどうなったかはここでは説明を省きます。神様たちのハニートラップ作戦は成功を収めました。
そんなわけで、苔むした石に清水を三回かけると願いが叶うといわれ、また楊貴妃に縁があるためか、ここの水で顔を洗うと肌が美しくなると言われています。
熱田神宮を代表するパワースポットだけあって、行列ができていました。よって、楊貴妃の石塔の写真を撮ることをためらってしまいました。なので、石塔の写真がないことを許してください。最初石塔を見たとき、「えー、そんなとこにあるの!」と思うほど離れた距離にあり、あまりにも遠いので水をかけるというより、柄杓で水を投げると表現したほうが適切です。
人様の墓に水を投げかける。これって罰が当たる行為ではないですかね? 私なら、腹を立てます。
酉年が始まってすぐに鶏を見た
熱田神宮の神聖な場所を巡り、宝物殿の前に差し掛かったところ、何人もの人達が茂みに向かってキャーキャー言いながら、スマホで写真を撮っているではありませんか。耳をそば立ててみると、かさかさという音が聞こえます。
目を凝らしてみてみると、鶏がいる……。まあいいや、酉年が始まって間もないのに、鶏が見られるなんて、縁起がいいや写真撮っておこう。と当時はかるーく考えていました。
鶏は神様の使いです
鶏をよく見ると、足ががっしりしています。軍鶏みたいだなと思っていたら、名古屋コーチンだそうです。お肉になった姿はたびたび拝見しています。愛知県を代表する名物がなぜ、熱田神宮にいるのでしょうか? なぜなら名古屋コーチンは熱田神宮の神鶏様だからです。
日本書紀に天照大神が引きこもったお話があります。有名な「岩戸隠れ」ですね。天照大神の気を引くために、アメノウズメが踊ったり、八百万の神々が大笑いしたりと色々試しますが、その方法の一つに鶏をたくさん集め鳴かせたという件があります。
よって、鶏は神様の使いということになりました。天照大神を祀っている神宮には鶏を飼っているそうです。よって、伊勢神宮にもいるそうです。
おわりに
初詣に行ったその夜、ご飯を食べてお風呂入って。とリラックスしていた時に、妙に目のものもらいが気になり、手鏡を見ながらニキビを潰すみたいに目の縁をいじりました。以前もこんなことをしていましたが、ものもらいが治ることはありません。
しかし、するりとニキビの芯のようなものが出てきて、ものもらいが治りました。眼病平癒で有名なお宮に参拝した当日に、ものもらいが治ったのです。
神鶏見れて、ものもらいが治って。とても幸先の良い年の始まりに正直ビビっています。このように熱田神宮に参拝に行ったその日に、いいことが起こり熱田神宮のご利益を身をもって体験したわけですが、荒魂を祀った神社の前の粗相を許してくれたかを知りたいです。