「青森屋」VS「奥入瀬渓流ホテル」青森の2つの星野リゾートはどう違う?
日本

青森県にある「星野リゾート 青森屋」と「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」。両者は似ているのかと思いきや、まったく異なる個性をもつリゾートホテルです。

青森屋と奥入瀬渓流ホテル、どちらに泊まろうか迷っている人に向けて、両方に宿泊した筆者が違いをわかりやすくお伝えします。

青森三昧が楽しめる「青森屋」

青森県三沢市に位置する「星野リゾート 青森屋」は、「のれそれ青森~ひとものがたり~」がコンセプト。「のれそれ」とは、青森の方言で「めいっぱい」の意味。その言葉通り、青森屋は、全国的に有名な青森のお祭りを疑似体験したり、青森の郷土料理に舌鼓を打ったり、青森の伝統工芸品に囲まれて過ごしたりと、「青森三昧」が楽しめる宿なのです。

 

その様子はまさに、「青森文化のテーマパーク」。青森には、知られざる独自の文化や習慣がたくさんあります。

青森屋では、日本にいながらにして、外国にやってきたような新鮮な体験の数々が待っていますよ。

青森の文化にどっぷり浸かるなら「青森屋」

「のれそれ青森~ひとものがたり~」のコンセプト通り、青森屋は徹底的に「青森らしさ」に浸かれるのが特長です。

エントランスでは雪ん子がお出迎え。着いた瞬間から、青森屋ワールドに突入です。

インテリアは、もちろん青森づくし。

夜間にショーが開催されるステージには、迫力のねぶた。

通路には、りんごや八幡馬の灯篭が並んでいたり、青森の地酒の樽や瓶が展示されていたり……。

客室も、南部裂織などの青森の伝統工芸品をあしらった、居心地の良い空間です。

2019年には、「ねぶたの迫力で寝かせない」という「青森ねぶたの間」がオープン予定。そんなお部屋に泊まったら、いっそう忘れられない滞在になりそうですね。

※館内装飾は季節により異なります。

青森の郷土料理を堪能するなら「青森屋」

「みちのく祭りや」は、「青森ねぶた祭」「弘前ねぷたまつり」「八戸三社大祭」「五所川原立佞武多」の青森四大祭りを再現したショーレストラン。

海の幸と山の幸をふんだんに使った「お祭り御膳」の郷土料理とともに、青森屋のスタッフが演じる躍動感あふれるショーが楽しめます。

ショーの終盤では、ゲストも花笠をかぶって跳人(はねと)に変身。祭りの音色に合わせて跳び跳ねれば、青森のお祭りに参加しているかのような興奮が味わえますよ。

離れにある「南部曲屋」は、豪農の屋敷を移築した古民家レストラン。

しっとりとした情緒漂う青森南部地方の伝統家屋内で、「古民家の田舎ご膳」の朝食や、「七子八珍会席」の夕食など、青森の自然の恵みをいただきましょう。

※仕入れ状況や季節により、メニューは変更になる場合があります。

施設内で色々楽しみたいなら「青森屋」

奥入瀬渓流ホテルと違って、青森屋は有名観光スポットがすぐそばにあるというわけではありませんが、そのかわりに施設内でさまざまなアクティビティが楽しめるエンターテインメント性の高いリゾートです。

約22万坪もの敷地には、客室棟に加え、お堂のある池や古民家のラウンジ、温泉、足湯、ポニーのお家などが点在し、公園内を散策するだけでもリラックス。

季節ごとの体験プログラムや特別イベントが用意されていて、冬季のこの時期は「ストーブ馬車」や「ねぶた雪灯り」を開催中。

薪ストーブで温まるストーブ馬車は防寒具がいらないほど暖かくてびっくり。雪化粧をした公園内をゆっくりと進む馬車は、情緒満点でした。

 

これが春には「花より団子馬車」、夏には「冷(しゃ)っこい果実馬車」、秋には「紅葉りんご馬車」と名前を変え、四季折々の公園の風景が楽しめます。

「ねぶた雪灯り」は、雪化粧したお堂の前で、4人のねぶた師の手によるねぶたの山車がライトアップされる冬季限定のイベント。

夕闇に浮かび上がる色とりどりのねぶたと銀世界のコントラストは、ひときわ幻想的です。

館内で賑やかに過ごすなら「青森屋」

青森屋は「静」と「動」の空間に分かれていて、「八幡馬ラウンジ」や「南部曲屋」など落ち着いて過ごせる場所もあります。

施設全体がいつもどこでも賑やかというわけではありませんが、奥入瀬渓流ホテルに比べると、お祭りのような賑やかな雰囲気が際立ちます。

青森屋の賑わいを象徴しているのが、「じゃわめぐ広場」。

青森の地酒が楽しめる「ヨッテマレ酒場」にほたてを釣ってその場で食べられる「ほたて釣り」などに加え、ステージでは毎晩「じゃわめぐショー」を開催。南部民謡や津軽三味線、ユニークなスコップ三味線などが披露される時間は、青森屋の盛り上がりが最高潮に達するひとときです。

 

家族やグループで宿泊すれば、青森屋らしい賑わいがさらに楽しめることでしょう。

青森屋は、それ自体がコンテンツ。まる一日をホテルで過ごしたとしても、非日常の特別な体験ができるはずです。スタッフも青森出身者が多いといい、青森への愛や「もっと青森を盛り上げたい」とう思いが伝わってくる、あたたかさに満ちたリゾートなのです。

スローな癒しタイムが過ごせる「奥入瀬渓流ホテル」

青森県十和田市に位置する「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」は、奥入瀬渓流沿いに建つ唯一のリゾートホテル。国の特別名勝にして天然記念物でもある奥入瀬渓流の観光には、理想的なロケーションです。

コンセプトは「渓流スローライフ」。

四季折々の自然風景とともに大人のくつろぎタイムが過ごせるリゾートで、奥入瀬の自然を間近に感じられる渓流に面した客室もあります。

アートと自然美にふれるなら「奥入瀬渓流ホテル」

お祭りのような賑わいが感じられる青森屋とは対照的に、奥入瀬渓流ホテルは、よりしっとりとした雰囲気が漂うリゾート。

ラウンジや客室から、みずみずしい緑の木々、あるいは雪化粧した木々を眺めながら、スローな時間を満喫することができます。

 

奥入瀬渓流ホテルの顔ともいえる空間が、岡本太郎作のアートワークが印象的なラウンジ「河神」と「森の神話」。河神はロビーの役割を果たしているラウンジで、中央の暖炉には、岩にあたった水しぶきが妖精になる様子が躍動的に表現されています。

一方の「森の神話」は、カフェ・バーとして利用できるラウンジ。自然からインスピレーションを受けた岡本太郎が、森の神話を描いたブロンズ製の暖炉が目を引く空間です。

いずれのラウンジからも、絵画のような外の風景を眺めることができます。

青森のりんごを満喫するなら「奥入瀬渓流ホテル」

青森屋が青森の郷土料理を前面に出しているのに対し、奥入瀬渓流ホテルの売りは、青森のりんごをふんだんに使った食事。

ビュッフェレストラン「青森りんごキッチン」では、前菜からメイン、デザートまで、新鮮な青森のりんごを使った見た目にも美しいメニューの数々に加え、青森の海の幸や郷土料理もあわせて楽しめます。

 

津軽びいどろを使ったりんごの木のオブジェなど、インテリアもりんご尽くし。りんご好きにはたまらない、いるだけでワクワクする空間です。

アウトドアを楽しみたいなら「奥入瀬渓流ホテル」

奥入瀬渓流ホテル滞在中のお楽しみといえば、なんといっても奥入瀬渓流の観光。

奥入瀬渓流ホテルでは、季節ごとのツアーやアクティビティを実施していて、アウトドア初心者でも無理なく奥入瀬渓流の自然に親しむことができます。

冬季の人気イベントが「氷瀑ライトアップツアー」。

馬門岩、千筋の滝、三乱の流れという冬の奥入瀬渓流のハイライトを幻想的なライトアップとともに楽しめるイベントで、2018年の開始以降、たちまち人気ツアーとなりました。

 

雪と氷、そして時間とともに白、青、ピンクなどと変化していく色彩の競演は、冬だけの幻想風景です。

もっとアクティブに過ごすなら、スノーシューツアーもおすすめ。

スノーブーツとスノーシューを装着すれば、深い雪のなかもどんどん歩いていけます。フワフワの新雪を踏みながらのウォーキングは、体力を要しますが、寒さも忘れるほどの新鮮な体験です。

館内で静かに過ごすなら「奥入瀬渓流ホテル」

奥入瀬渓流でのアクティビティを楽しんだら、ホテルではすっかりリラックスタイム。

岡本太郎作の大暖炉が印象的な「ラウンジ 森の神話」で、名物スイーツ「幸福りんごのミルフィーユ」やお茶を楽しむのもよし、夜にバーとして利用するのもよし。

外ではちょっとアクティブに、館内ではゆったりと。奥入瀬渓流ホテルは、そんな過ごし方がぴったりです。

※「ラウンジ 森の神話」は、2019年3月11日~2019年4月12日まで、リニューアルのため営業休止を予定しています。

 

同じ青森にある星野リゾート系列のホテルとはいえ、青森屋と奥入瀬渓流ホテルは、まったく異なる個性をもつユニークなリゾート。

どちらも魅力的で決められない、そんな人は両方のリゾートをはしごしてみてはいかがでしょうか。

星野リゾート 青森屋
住所:青森県三沢市字古間木山56
電話:0570-073-022(星野リゾート予約センター)
公式サイト:https://noresoreaomoriya.jp/

 

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
住所:青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
電話:0570-073-022(星野リゾート予約センター)
公式サイト:https://www.oirase-keiryuu.jp/

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼ旅するライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野でドイツ人夫に出会う。5ヵ月間のアジア横断旅行と2年半のドイツ生活を経て、2018年7月日本に帰国。これまでの海外旅行歴は60ヵ国240都市。特に目がないのが、「旧市街」「歴史地区」と名のつく古い街並みを歩くこと。旅のリアルな「ワクワク」をお伝えします。

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