長野県・大町温泉の奥に佇む「星野リゾート 界 アルプス」。
雪よけの通路・雁木(がんぎ)の凛とした姿が印象的なこの宿は、信州だからこそできる体験が詰まった、まるでテーマパークのような旅館だ。
今回筆者はモデルの杉浦加奈さんと共に、1泊2日で星野リゾートを体験しに行ったのだが、そこには女子力がアップするような仕掛けがたくさん詰まっていた。
腸内編ー女子力がアップする「星野リゾート 界 アルプス」
「宿に泊まって女子力アップ?」と脳内が「?」に包まれた人は多いと思う。
旅館に泊まると、自分のキャパシティ以上の食事が振る舞われ、それをついつい全部食べてしまう。あまり動かずゆったりとできるので癒されはするものの、女子力がアップするかは疑問である。
しかし、この「星野リゾート 界 アルプス」は違う。ここに来ておもてなしを受けるだけで、まず腸内からキレイになるしかけが用意されていた。
万能薬と言われるフルーツ・りんごが朝昼晩、振舞われる
長野と言えばりんご。りんごはペクチンが多く含まれ、整腸作用を促すと言われている、あなたの腸が泣くほど欲しいフルーツだ。
その他にも美肌効果や疲労回復など、さまざまな効果が期待できると言われているりんごだが、そのりんごを朝昼晩と用意してくれる。
・夕食のデザート「林檎とシャーベット はちみつと山葵の香り」
・食後の囲炉裏体験「焼きりんご」
・朝食前のおめざめ粥とりんごの漬物 ※漬物体験を行なった場合のみ
こんなにも体に良いと言われるりんごをたっぷり食べられるなんて。たった1泊2日でも腸が軽やかな気分になること間違いなしだ。
発酵食品、漬物がウェルカムフード
ウェルカムドリンクのりんごジュースで、十分おもてなしをしてもらえたと思うだろう。しかし、ウェルカムはこれだけでは終わらない。
チェックインが終わり、部屋に通してもらった後にいただいたのは、なんと「ウェルカム漬物」だ。野菜、ビタミン、乳酸菌とたっぷりと栄養が含まれている漬物。
王道の野沢菜や大根だけではなく、えりんぎや小なす、ほおずきの漬物など、普段ではなかなか見かけない物も食べられる。
実は漬物が苦手な筆者だが、ここでの漬物は食べられた。おいしいし体に良い。とてもありがたいウェルカム漬物である。
腸から目覚めの良い朝を。おめざがゆ
十分な食事と睡眠をとった次の日の朝は、腸もいきなり朝ごはん!というわけにはいかない。
そんな我々の腸をいたわって、朝の6時から7時まで「おめざがゆ」を振舞ってくれる。
しかも囲炉裏で頂けることから、「昔の信州は、こんな感じで1日を始めてたのか」という朝を体験できる。
また、前日に漬物体験をした人は、このおめざがゆを食べる際に漬物の味見もすることができる。
自分が作った保存料が一切入っていない、体にやさしい漬物とおめざがゆで最高の朝を迎えられるであろう。
フォトジェニック編ー女子力がアップする「星野リゾート 界 アルプス」
女子力に欠かせないのが素敵な写真。自分が映った”いい感じ”の写真を持っておくのも女子力の一つなのは、暗黙の了解だ(と思う)。
もちろん「星野リゾート 界 アルプス」には、最高のフォトジェニックスポットがいっぱい。ちょっと大人な自分を演出させてくれる場所で、女子力を発揮しよう。
薪ストーブと和の色があたたかい、アットホームな客室
今回お邪魔させていただいたお部屋は、「離れ」。2階建ての「離れ」には4つのベッドが設置されており、家族やグループで宿泊する人が多い。
中庭を見渡せる一面ガラス張りの入り口から入ると、和色でフォトジェニックなクッションが並ぶ心地の良い掘りごたつ式ソファや、薪ストーブが用意されている。
寝室には落ち着きのあるライトに、広々としたベッドが1階と2階に2つずつ。
一瞬にして眠れにつけそうな肌触りの良い寝具だ。実際、筆者もこの夜は3秒で寝た。
吹抜でストレスなく過ごせるこの空間は、とても温かみがあり過ごしやすい。
見た目のかわいさと居心地の良さを兼ね備えた、ちょうど良いお部屋だった。
囲炉裏でおやき、焼きりんご、野沢菜、そして地酒を嗜む
フロントの隣にあるこの囲炉裏。
人々が集まりやすいように広めに作られたこの場所では、おやきを振る舞う時間と、地酒や漬物、焼きりんごを振舞ってくれる時間がある。
おやきは長野県の名物で、中身はあんこやかぼちゃ餡などもあるが、その中でも代表的な野沢菜を入れたおやきを振舞ってくれる。
15:00~18:30がおやきタイム(冬季の場合。時間は季節によって異なります)。スキーやスノーボードで疲れた体をいたわるために、囲炉裏に腰掛け食べるおやきは格別だ。
また、夜には同じ囲炉裏で日本酒・野沢菜・焼きりんごを、なんと無料で提供してくれる。
日本酒は地元大町市に酒蔵がある地酒。そして野沢菜と焼きりんごを酒のつまみがわりに食べれば、これはもう完全に「信州田舎体験」だ。
とても立派な囲炉裏なので、写真を撮りつつ、お酒などを振舞ってくれるスタッフの方や他のお客さんと、おしゃべりに花を咲かせるのも醍醐味である。
露天風呂は、アルプスの山々や星空を眺めながら。
「星野リゾート 界」ブランドのメインとも言える温泉。
「界 アルプス」では、アルプス山脈を望みながらゆったりと入ることができる、露天風呂と檜が香る内風呂が用意されている。
夜には星空を眺めながら露天風呂に入ることもでき、記憶に深く残る温泉タイムとなるだろう。
近年流行っているプチ湯治。湯治とは治療を目的に温泉地に長期滞在することだが、現代では週末にそれを行う人が増えている。
特に病気があるというわけではなくても、心身の疲れはなかなか日常では癒せないもの。
「星野リゾート 界 アルプス」は、そんなプチ湯治を必要とする人々にぴったりだ。
約400年前に発見された、北アルプスの麓に位置する秘湯・葛温泉の引湯で、心身ともに癒されていってほしい。
また女子力アップポイントの一つでもある、このアメニティ。
和漢生薬成分を用いたアメニティは、「いつも温泉にあるシャンプーを使用すると、髪がパサパサしてしまう」という加奈さんも、次の日「髪の毛がしっとりしていた!」と驚いていたほどのクオリティ。シャンプー、コンディショナー、化粧水、洗顔、クレンジング、フェイスローション、ボディローションと、一通り揃っているので、ぜひ試してみていただきたい。
また、星野リゾートでは小さなアメニティを包んでいる風呂敷をお持ち帰りすることができる。
他の「界」に宿泊すると色が違うそう。さまざまな「界」に宿泊して、風呂敷を集めるファンも多いようだ。
運動編ー女子力がアップする「星野リゾート 界 アルプス」
さまざまなアクティビティが用意されている「星野リゾート 界 アルプス」。
周辺には白馬や仁科三湖、立山黒部アルペンルートがあるので、冬には雪の大谷を見たり、スキーやスノーボードを楽しんだり。春以降はウィンドサーフィンやカヌーができたりと、自然のアクティビティが目白押しだ。
そんな中、「星野リゾート 界 アルプス」がオリジナルで用意しているアクティビティがとても良かったので、紹介したいと思う。
銀世界を散歩、和かんじきハイキング
人の足跡がほぼないような銀世界を、和かんじきを履いて歩いていく「和かんじきハイキング」。
森の中に入れば、聞こえるのは自分が雪を踏む時の音。
うさぎやしかなど、森の動物たちの足跡を探しながら歩いていく。途中には急斜面があり、そこを滑り台として遊ぶこともできるのだ。
大人も子どもも関係なく、本気で遊べるこのツアー。適度な運動量なので、日々あまり運動しない人でも参加可能だ。
ツアーの途中ではランチ用にと、用意してくれたけんちん汁を食べることができる。
雪で作ったオリジナルの机と椅子に、けんちん汁が入った鍋を置いて、その場で温め食す。こんな経験は、都会ではなかなかできないであろう。
真っさらな美しい雪の世界で、適度な運動と体に良いけんちん汁を食べれば、なんだか体も軽やかになるはず。
また、和かんじきハイキング後でも宿に戻って温泉に入ることが可
フォトジェニックな景色を見て、運動をして、最後は心身ともに温められる、大変素晴らしいプログラム内容だった。
朝6時からのオリジナル体操
朝早起きが苦手な人でも、「星野リゾート 界 アルプス」に宿泊したならぜひ早起きをしてみて。
「星野リゾート 界 アルプス」では6:15から15分間、アルプス体操を行なっている。
山登りをイメージしたオリジナルの体操は、まだ完全に起きない体を起こしてくれ、爽やかな朝に仕上げてくれる。
朝の早起きは三文の徳。
朝からきちんと体の調子を整えれば、気持ちよくすっきりとした1日の始まりだ。
料理編ー女子力がアップする「星野リゾート 界 アルプス」
星野リゾートと言えば食事だが、「星野リゾート 界 アルプス」の食事はおいしいだけでは終わらない。
長野県ならではの食事を頂き、さらに長野の名物である漬物を自分たちで作ることもできる。
カラダに良いものを食べ、なお自分でそれを作れたら……。そんな最高の体験を、ここでは行うことができるのだ。
体にイイ。地産地消の食事
大町温泉付近や長野県内で取れた食材をふんだんに使った食事を用意してくれる「星野リゾート 界 アルプス」の食事。
夕食は豪華でおいしいのはもちろんのこと、食事のバランスが取れていて、さらに目で見て楽しめるようになっている。
人気なのは、雪どけをイメージした綿あめが上に乗ったすき焼き、「雪鍋」。
たっぷりと綿あめが乗っているので甘いのかと思いきや、砂糖を入れて作るより、甘さが控えられていてちょうど良い。
宝楽盛りは、約10種類ほどの小鉢が乗っており、馬刺しや信州サーモン、大岩魚など、長野だからこその食材がずらり。
木から雪を避ける「雪吊り」をイメージしたものなど、信州の田舎がワンプレートでたっぷり演出されているので、食べるのも楽しい。
その他、安曇野の生わさびなど、新鮮な地の食材を使った料理がたっぷり堪能できる。
昔ながらが新しい、漬物体験
冬季限定ではあるが、「星野リゾート 界 アルプス」では漬物体験を開いている。
こちらは1日1組の限定プランで、幸運にも我々は体験させてもらった。
漬物を漬ける人はどんどん少なくなっていると思うが、自分で漬物を漬けることができれば、味の調節もできるし、自分が好きな材料を入れられる。良いことづくめだ。
こちらのプランでは、専用のレシピを使って味噌漬けと酒粕漬け、2種類を用意。また、材料もキュウリや大根だけではなく、りんごやエリンギなど、あまり見たことのない漬物もある。漬物を作ることができるなんて、女子力高い!とはしゃぎつつ、おいしい漬物を作ることができた。
また、1日寝かしてできあがった漬物は、後日郵送で送ってくれる。家でも保存料なしの手作り漬物を食べることができるのは、嬉しいことこの上ない。
心も体も楽に、きれいになれる
体を動かしいっぱい食べて、疲れもあったが、なんだかすっきりしてきれいになれた気がする1泊2日の旅。こんな1つの旅館でたっぷりと楽しめるのは、「星野リゾート 界」だからこそ。
心も体も楽になれる、そんな旅は、他にはないかもしれない。