美しすぎるカフェ「V&A」ミュージアムカフェでお茶をする
イギリス

V&A

ロンドンで必見のミュージアムのひとつが、ヴィクトリア&アルバート博物館(通称V&A)。

あらゆる装飾美術が集結した展示品の充実度はもちろんのこと、美しい内装のカフェも有名で、「ロンドンで一番素敵なカフェ」、「ロンドンで最も豪華なカジュアルカフェ」との評判もあるほど。

その実力やいかに……実際に行って確かめてみました。

デザインの殿堂「V&A」

V&A
ヴィクトリア&アルバート博物館(通称V&A)は、若手デザイナーや芸術家を支援する目的で1852年に創設された博物館。装飾美術とデザインの博物館としては世界最大で、400万点もの膨大なコレクションを誇ります。

ギャラリー数145、通路の全長13キロメートルという、大英博物館にも負けない広大な館内に、服飾品や絵画、彫刻、家具、ガラス細工、陶磁器など、世界各地から集められた装飾品や工芸品がずらりと並ぶ光景は圧巻。

まさに「デザインの殿堂」と呼ぶにふさわしい、貫録たっぷりの博物館です。

世界初のミュージアムカフェ「V&Aカフェ」

V&A
いまや美術館や博物館にカフェやレストランがあるのは当たり前ですが、世界初のミュージアムカフェがここ、V&Aにある「V&Aカフェ」なのです。

当初は「ギャンブル・ルーム」「モリス・ルーム」「ポインター・ルーム」の3つの異なるダイニングスペースに分かれていましたが、現在ではそれらがひとつにまとまって1つのカフェとして営業しています。
V&A
飲み物やペストリー、ケーキはもちろんのこと、サラダやキッシュ、サンドイッチ、ローストチキンなど、品揃えは豊富。お茶はもちろん、食事もできる便利なカフェです。

華麗なる装飾に目を奪われる「ギャンブル・ルーム」


V&Aカフェでもっとも大きく華やかな空間が「ギャンブルルーム」。

ギャンブルといっても賭けのことではなく、デザイナー・画家であったゴドフリー・サイクスが晩年にデザインし、彼の死後、弟子のジェイムズ・ギャンブルが仕上げたことから、その名が付きました。

古典的なモチーフをあしらった天井や壁、柱、ステンドグラスなどの室内装飾と、モダンなデザインのライトを組み合わせたクラシック・リバイバル様式の空間です。
V&A
精緻な装飾が施された重厚かつエレガントな柱、まばゆくきらめくステンドグラスや天井のライト……その壮麗さは圧巻。ピアノの生演奏も行われるこの部屋は、非日常感たっぷりの空間で優雅なひとときを楽しみたい人にぴったりです。

ギャンブル・ルームについて特筆すべきは、その豪華さだけではありません。素材には洗うことができるものが使われていて、天井には耐火性のエナメル加工が施されています。

まるで王様の宮殿のように華麗なる空間でありながら、実用性も兼ね備えた、19世紀当時としては非常に革新的な部屋だったのです。

ウィリアム・モリスがデザインした「モリス・ルーム」


2番目の部屋が、「モダンデザインの父」と称されるウィリアム・モリスが手がけた「モリス・ルーム」。オープン当時は、その色彩から「グリーン・ダイニング・ルーム」と呼ばれていました。

19世紀のイギリスにおいて最も影響力のあったデザイナー、ウィリアム・モリスがまだ若く無名だったころ、初めて公共スペースのデザインを手掛けた記念すべき部屋がこのモリス・ルームなのです。

隣接するギャンブル・ルームとは対照的に、ずいぶんと落ち着いた渋い空間。ギャンブル・ルームを見た後では、地味にも感じられるほどですが、手の込んだ職人技が行き届いた、よく見れば見るほど味わいの増す部屋です。

装飾タイルとステンドグラスが美しい「ポインター・ルーム」

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3つ目の部屋は、画家の画家のエドワード・ポインターがデザインした「ポインター・ルーム」。当時は肉料理を焼く部屋だったことから、「グリル・ルーム」と呼ばれていたとか。
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壁一面に貼られたポルトガル伝統の装飾タイル「アズレージョ」や、幻想的なステンドグラスが印象的な、小さいながらも重厚な高級感が漂う空間です。

当時流行していた日本風のモチーフを取り入れた暖炉にも注目。

豪華な空間なのにセルフサービスでお手頃

V&A
ただでさえ物価の高いイギリス。これほど豪華な内装を見れば、さぞお高いのではと思ってしまうかもしれません。

しかし、V&Aカフェはなんとセルフサービスで、お茶やコーヒーなどのホットドリンクは2.65~2.95ポンド。ケーキやスコーンなどの焼き菓子は2.8~4.5ポンドです。

同じセルフサービスのスターバックスなどと比べても決して高くなく、この値段でこれほど豪華な空間が堪能できるならむしろ安いのではないでしょうか。

V&Aカフェが「ロンドンで最も豪華なカジュアルカフェ」といわれるのは、そういうわけなのです。

観光客はもちろんロンドンっ子にも人気で、友人とのおしゃべりや軽い打ち合わせなど、普段使いのカフェとして愛されていることがわかります。

セルフサービスでも侮れないクオリティ

V&A
セルフサービスだから、味には期待できない? ……いえいえ、そんなことはありません。

当日仕入れたばかりの新鮮な食材を館内のキッチンで調理しているV&Aカフェは、セルフサービスといっても侮れないクオリティ。特にスコーンがおいしいと評判です。

V&Aカフェのスコーンは、小さめスコーンの倍ほどの大きさがあるビッグサイズ。ナイフで半分に切って、クロテッドクリームとジャムを付けていただきます。
V&A
中はフワフワ、外はサクサクのミルクの風味豊かなスコーンは、なめらかなクロテッドクリームとフルーティーなジャムとの相性抜群。セルフサービスのカフェでこんなにおいしいスコーンが食べられるとは!

スコーンと一緒にいただいたのはもちろん紅茶。アールグレイティーを飲んだ瞬間、ベルガモットの香りがストレートに迫ってくる混じりけのない味わいに驚きました。やっぱり、本場イギリスで楽しむスコーンと紅茶は格別ですね。

芸術作品そのものの美しい空間で、手軽に、しかもおいしいスイーツや料理が楽しめるV&Aカフェ。「ロンドンで一番素敵なカフェ」、「ロンドンで最も豪華なカジュアルカフェ」との評判にもうなずける、魅惑のカフェでした。

V&Aカフェ
Cromwell Rd, Knightsbridge, London SW7 2RL イギリス
公式HPはこちら

カフェだけでも足を運ぶ価値あり

ファッションの殿堂にふさわしい、華やかでデザイン性に富んだV&Aカフェはそれだけでも足を運ぶ価値があります。一度訪れれば、何度も通ってV&Aカフェのすべての部屋を制覇したくなるかもしれません。

夏には屋外のテラス席も開放されるので、天気のいい日には開放的な中庭でお茶を楽しむのも粋です。

ちなみにV&Aは入場料無料。入場料無料の博物館といい、セルフサービスのカフェといい、ロンドンではアートは万人にとって身近な存在なのです。それって、とっても素敵で幸せなことだと思いませんか。
カフェだけでも足を運ぶ価値あり

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼドイツ在住ライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野で9歳年下のドイツ人夫と出会う。
2015年11月、ドイツ移住を機に、トラベルライター&ブロガーに転向。ドイツを拠点に、各国を飛び回りながら執筆中。特に目がないのが、旧市街など、歴史を感じる街を歩くこと。
これまでの訪問歴は54ヵ国220都市。旅の「ワクワク」をお伝えします。

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