ウズベキスタンでピザブームが起こった。もちろんこれは私の勝手な見解で、単なる偶然だったのかもしれないが、行く先々でピザを食べた年があった。
それまでは、滞在中にウズベク料理のスパイスの香りに飽きることが度々あり、食事のバリエーションに悩まされることがあったのだが、そこに大きな変化をもたらしてくれたのがこのピザだった。
ボリュームたっぷりのピザたち
ピザブームが起こったのは数年前。
こちらは首都タシケントのドライブインのようなレストランで食べたピザ。トマトとチーズのシンプルなもの。
タシケントのイタリアンレストランで食べたピザ。生地は日本で食べるピザに一番近かった。
タシケントにあるレストラン「Efendi」で食べたもの。写真左にある細長いものは、生地の中にチーズが入っていてハチミツをかけていただくデザート風の料理で、私のお気に入り。
こちらはウズベキスタン東部にあるフェルガナ市にあるレストランで出されたピザ。チーズたっぷりでボリューム満点。
こちらも同じフェルガナでテイクアウトしたピザ。日本にあるピザパンを薄味にしたような味と言えばなんとなく想像していただけるだろうか。
砂漠のピザ
ここまでご紹介したものは、味は別として見た目はいわゆるピザらしいピザ。このピザの登場で、かなり救われた思いがしたものだった。
そして中でも特に印象的だったのが、ウルゲンチ(ウズベキスタン西部)のユルタ式レストランで注文した「ピザ」である。
このユルタに宿泊することもできる。
レストランのすぐ近くでラクダにも乗れた。
ロシア人のご家族がレストランを切り盛りしている。
ピザがあると言われて注文したものの、いったいどんな料理が出てくるのかと想像しながら待つこと数十分。やっと出てきたのがこちら。
写真ではわかりにくいかもしれないが、実際は丸いという点以外ピザらしい雰囲気はない。いただいてみると、クセがなくて食べやすく、かなり私好みだったが、ピザというより薄い生地の上にじゃがいもなどの野菜がたっぷり乗ったオリジナル料理といった方がしっくりくる。
いずれにしても、このような不便な土地で、観光客を喜ばすべく工夫して作られた料理たちは、その雰囲気も含めて味わい深いものだった。
現在、特に首都のタシケントでは年々オシャレなレストランが開店し、もちろんピザだけでなく、おいしいハンバーガーやお寿司も食べられるようになっている。発展めまぐるしい中でなぜか時々不便だった頃が懐かしくなることがあって、人間ってワガママだなぁと思うのだ。