こんにちは! 南米大陸の真ん中の国、ボリビア在住のZICです。南米大陸と言えばかつてインカ帝国が栄えていたことで有名です。
ボリビアの隣国ペルーにはインカ帝国の超有名な遺跡、マチュピチュがあり日本からも多くの人が訪れます。でも実はボリビアには、そのインカ帝国以前ともいわれる古い歴史を持つ遺跡があります。
首都ラパスの郊外、標高4,000mの場所にひっそりと存在するその遺跡の名は、ティワナク遺跡。2000年に世界遺産に認定されていながら、発掘がまだ30%ほどしか進んでいない遺跡です。
今回、未だに謎に包まれたティワナク遺跡をご紹介したいと思います。
まずは首都ラパスを出発! ティワナクへ
そのティワナク遺跡は、ボリビアの首都ラパスの郊外にあります。ティワナク行きのミニバスが市内から出ていますので、それに乗って一気にティワナクまで行くことが可能。
ラパスを出発するときに見えるすり鉢状の町の景色は圧巻です。
そして、ラパスの都市部を超えてゆくとひたすら何もない、家がぽつぽつ現れる郊外の景色が広がります。
ラパスからティワナク遺跡までの道のりはミニバスで1時間30分ほど。アンデス山脈の郊外の景色を楽しみながら、バスは進みます。
マチュピチュより古い歴史! ティワナク遺跡
ひたすらアンデスの荒野を進み、変わり映えしない景色が続くと思いきや、その遺跡は突然に現れます。そこで、バスを降りると、ようこそティワナクへと書かれた入場門が。
これがティワナク遺跡の入り口になり、この後もこの道をずっと歩いて遺跡へと入場することができます。が、この入場門の前に面白い景色がありました。
この遺跡の入場門のすぐ近くにある民家ですが、遺跡の銅像をモチーフにしたモニュメントを飾っています。この時、一緒にいたボリビア人の友人の話ではこの近くに住む人たちは遺跡の石を盗んできて家を建てることがあるとのこと。
さすが、ボリビアなんでもありです。この家が遺跡の石で建てられているのかどうかは定かではありませんが、やはり古い歴史を持つ古代遺跡の価値に対する日本人とボリビア人の考え方のギャップを感じました。
そして、入場門をくぐってしばらく歩くと、遺跡が姿を現します。
なるほど、確かに30%の発掘状況というのがわかります。
マチュピチュのようなはっきりとした遺跡ではありません。まだまだ、発掘段階の遺跡です。
少し肩透かしをくらってしまいますが、インカ帝国以前の歴史を持ち、発掘段階であるにもかかわらず世界遺産にも認定されています。では、もっと近づいてこの遺跡を見てみましょう。
謎が謎を呼ぶ、プレ・インカ時代のティワナク遺跡
プレ・インカ時代とはインカ帝国以前の時代のことです。なので、このティワナク遺跡にはマチュピチュよりも古い歴史があり、インカ帝国にも大きな影響を与えたと言われています。
しかし、この標高4,000m近い場所に、どの民族が何のためにここに住んでいたのかその理由は全く解明されていません。発掘自体がまだまだ進んでいない状況ですから、まさに謎だらけの遺跡だと言えます。
遺跡の案内図です。この遺跡のハイライトとも呼ばれる、3、4番の神殿とカラササーヤと呼ばれる場所に行ってみましょう。
さっそく入り口が見えてきました。遠景では感じなかった遺跡らしさが出てきます。
カラササーヤの建造物をぐるりと囲む壁、古代遺跡の神秘さを体感できます。
積み上げられた石の1つ1つに歴史の重みを感じます。そしてさらに建造物の内部へ。
石の間にはこうして顔のモニュメントが埋め込まれていることも。
建造物の内側にはこうしていくつもモニュメントがあります。そして、この遺跡の中でも特にハイライトと呼ばれる太陽の門があります。
この時、ボリビア人の小学生たちが見学に来ていました。校外学習の様なものでしょうか。
ポンセと呼ばれるモニュメントですが、小学生たちもじっと見学しています。これもこの遺跡の中のハイライトです。
さらに建造物をよく見ると、水路までしっかりと再現されています。
再現? そうです、現在のこのティワナク遺跡は1970年代にボリビア政府が復元したもの。そこから発掘がまだ30%しか進んでいない謎多き遺跡です。
モニュメントの位置も結構適当に置かれたものが多く、本来の場所にあるのではないのだとか。随所にボリビアらしさを感じることができます。
再現された遺跡、日本でいうなら大阪城や熊本城といったところでしょうか。それでも、インカ帝国に大きな影響を与えたともいわれる古き歴史を持ち、世界遺産にも認定されているティワナク遺跡。
これから発掘が進み、マチュピチュ以上の観光地になることを願います。一見の価値ある謎の遺跡ですので、ボリビアに来られる際はぜひ訪れてください。