毎年「行くべき52カ所」を発表しているニューヨーク・タイムズ紙が、2025年版を発表。過去2年の盛岡市や山口市の選出は記憶に新しいところ。2025年は大阪市と富山市が選出されました。こうなると富山市だけでなく富山県内の各所も訪れるインバウンドが増えて混雑しそうな予感…。今回はまだバレていない高岡市の伝統工芸体験をご紹介します。
ニューヨーク・タイムズで選ばれた富山市ってどんなところ?
ニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2025年に行くべき52カ所」に、なんと…富山市が選出!
「え…、、それは困る」と思った旅人は私だけではないはず。富山県はまだまだインバウンドが少なく静かに過ごせるうえに、富山湾の新鮮なお魚や、歴史ある伝統産業・文化に触れられる貴重な場所。
「お隣の石川県の金沢の陰にかくれてずっとこのまま平和であってほしい…」と願っていたのに、とうとう見つかってしまいましたね。
特に今回注目されているのは、世界的建築家・隈研吾氏が手がけた「富山市ガラス美術館」や、毎年9月に実施される幻想的な踊り「おわら風の盆」など。他にも魅力は沢山ありますが、「立山黒部アルペンルート」などはすでにインバウンドには知れわたっていて国内外問わず大人気のスポットです。
そこで、今回はまだしばらくは静かに観光できそうな富山県高岡市の伝統的建造物群保存地区「金屋町」をご紹介します。
高岡市金屋町
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている金屋町は、もともとは前田利長公が大阪の河内から鋳物師を呼び寄せて開設した場所で、鋳物産業が栄え高岡鋳物発祥の地とされています。
金屋町は約500mにわたって石畳の道が続き、千本格子造りの家々が軒を連ねる情緒ある町並み。いくつかの工房やショップでは、観光客でもアクセサリー作りやうつわ作りなどの簡単なもので、高岡鋳物の製作を体験することができます。
今回は、そのデザイン性の高さから、現代のライフスタイルにも気軽に伝統工芸品を取り入れることのできる「KANAYA」で、自分だけのうつわ作りに挑戦してみました。
錫(すず)のうつわ製作体験
製作体験は当日でも空きがあれば可能ですが、予約しておくのが間違いないのでおすすめ。私はじゃらんの「遊び・体験予約」から予約を済ませ、指定した時間に訪問。
伝統工芸とはいっても、ギャラリーには今の暮らしにとけこむような洗練されたインテリア小物やアクセサリーが並んでいます。写真の動物たちにはショップカードなどを持たせることができるんですって。鹿の場合は角に置くそうです(笑) かわいいですよね。
体験は、和紙で美しい模様を付けた平らな錫を木槌で打ちながら、木型の四面を使って徐々に丸くしていくものです。硬そうに見えますが、錫は少しの力で加工することができるので、ちょっとした体験にはぴったり。上の写真は最初に使う①の面。この後②、③④と進めていきます。
②で少し丸くなり、③ではさらに深さが出てきますよ。焦らずに細かく木槌を動かすほうが良さそう。
深さは④までありますが、私は③で終了。このように深さもお好みでOK。
平らな錫の板が、丸みをおびて素敵なうつわに! スプーンで縁を磨けば光沢が出てキラリと輝きます。ここまでで20分くらい。情報過多の時代、何も考えず無心で金槌で打つのはなんだかとっても気持ちが良くて頭もスッキリ。
アクセサリー作りもできるみたいなので、気になる人はお店に確認してみてくださいね。指輪はイニシャルなども刻印できるみたいですよ。
富山県高岡市金屋町2-5
070-5630-9206