臭豆腐のふるさとで、臭豆腐を食べまくる
台湾

台湾の街をぶらぶら歩いていると、時折、どこからともなく独特な匂いが漂ってくることがありませんか?

あたりを見回すと、附近におそらく「臭豆腐」という文字の入ったお店の看板を見つけることができるでしょう。まず間違いなく、匂いの元はその「臭豆腐(チョウドウフ)」の店から漂ってきているものです。

名前に「臭」とつくだけあってこの豆腐、率直に言ってしまうと、ちょっと臭いです。調理中の匂いを嗅いで「え、これを食べるの……?」と敬遠してしまっている方も多いはず。

でも実はこの料理、実際に注文してみると、思ったよりは臭くないんですよ(全然臭くないとは言いませんが)。

臭豆腐のふるさと「深坑老街(シェンコンラオジエ)」

臭豆腐自体の発祥にはいくつか説があるらしいですが、台湾の臭豆腐自体は1950年頃、中国大陸から台湾に移り住んだ人たちが持ち込んだのだそう。

台湾の至る所で食べることができるこの臭豆腐、実は台北市の隣の新北市に、台湾の臭豆腐のふるさとと呼ばれているところがあるんです。

せっかく台湾に来たんですから、この名(迷?)グルメ臭豆腐にもぜひ挑戦してみてほしい!というわけで、この臭豆腐のふるさと「深坑老街(シェンコンラオジエ)」で臭豆腐を色々食べてみたレポート、お届けします!

1.深坑老街ってどうやって行くの?

深坑老街は、台北市の隣の新北市にあります。

行き方はいくつかあって、MRTは動物園駅の1つ手前、木柵駅から660番、666番、679番、795番、819番のバスに乗るか、市政府駅付近から出ている912番のバスに乗りましょう。

結構早く着くので、市政府駅付近から出ている912番のバス(市政府駅の近くの「消防局(松仁)」という名前のバス停から乗ります)に乗るといいですよ。

どちらも深坑というバス停まで行きますので、バスの前方に表示されるバス停の表記に注意してくださいね。バスを降りたらバスの進行方向に進んで、1本の大きな木と赤煉瓦建物が見えたら、そこが深坑老街の入り口です。

2.臭豆腐ってどんな料理?


臭豆腐の調理法はさまざまですが、大別すると、揚げる、煮る、蒸す、焼く、などの形で調理されます。初めて挑戦する方にオススメするのが、「揚げる」もしくは「煮る」のうちの麻辣味です(「煮る」は他の味もあります)。

好家園の「炸臭豆腐」


揚げ臭豆腐は、厚揚げのようなものを想像していただくといいかと思います。白菜の漬物と一緒に提供されるのをよく見かけます。

一緒に食べると、外はカリカリ、中はふわふわの豆腐の食感に、漬物のさっぱりした味が加わって美味しいです。飲み込む時にちょっと臭うかな?くらい(個人差はあるかもしれませんが……)。白菜と一緒に食べます。

好家園
No. 141, Shenkeng Street, Shenkeng District, New Taipei City

王水成の「麻辣臭豆腐」と「紅燒臭豆腐」



王水成は臭豆腐の老舗さんです。深坑老街の入り口とは別、バスが通る道沿いにあります。おじさんの看板が目印の店です。

辛いのが好きな人には、麻辣(辛い)味で煮た臭豆腐がオススメです。辛味が強いのでそこまで臭いを感じないので(笑)。比較的しっかりした歯ごたえのある豆腐にじっくり味が染み込んでいて美味しいですよ! 一緒に煮込まれている野菜類と一緒に食べるとまた違った味がして楽しめます。

辛いのはちょっと……という方は、「紅燒臭豆腐」をどうぞ。同じ煮込みでも、醤油で煮込んだものです。しょっぱさが強めの臭豆腐になります。テイクアウト版をお椀にあけていせいで、スープがたっぷり。

王水成
No. 204, Section 2, Beishen Road, Shenkeng District, New Taipei City

老地方の「清蒸鴨血臭豆腐 」


臭豆腐は、鴨血(ヤーシエ)といって、鴨の血を固めた物と一緒に煮込まれることもあります。味はレバーにちょっと似ています。

臭豆腐を注文すると鴨血を入れるか入れないかも聞かれるので、ついでにこちらもぜひ挑戦してみてください!(鴨血も結構好き嫌いの分かれる食べ物です)

老地方
No. 143, Shenkeng Street, Shenkeng District, New Taipei City
公式FBはこちら

大樹下串焼臭豆腐の「串焼き臭豆腐」

今回本当は「焼き臭豆腐」も食べたくてあらかじめ店を調べて行ったのですが、目当ての「串焼き臭豆腐」の屋台が閉まってました。2回行って、2回とも開いていませんでした。おそらくですが、夜に行ったのが悪かったようです。

深坑老街を入ったすぐのところにある大きな木のそばにある店で、なので名前が「大樹下串焼臭豆腐」。深坑老街を入って右側の方にある、屋台のお店です。焼き臭豆腐の情報をお届けできなくてすみません……。

食べ歩きするなら2人以上がおすすめ

また今回1人で行ったため、1回につき豆腐を2~3種類食べるのでいっぱいいっぱいでした。臭豆腐って、1つ大体50元〜80元くらでそんなに高くないんですが、量は結構多いんです。

というわけで色々な臭豆腐を食べ歩きたいのであれば、2人以上で深坑老街を訪れることをお勧めします。

3.挑戦はしてみたけどやっぱりだめだった人へ

以前に臭豆腐を食べてみて飲み込んだ時に、うっ……となった方、あるいは臭いを嗅いだだけでもうだめという方へ。

そんな私は深坑老街で食べれる物はないの……!? ということに関しては、心配しなくても大丈夫です! 深坑老街には、臭豆腐以外にも色んな食べ物がありますからね。

深坑老街は「臭」のつかない豆腐の産地としても有名なところなので、普通の豆腐の料理もたくさんあります。というわけでちょっぴりですが、臭豆腐以外の食べ物をご紹介いたします。

金大鼎の串焼豆腐


深坑老街を入ってすぐのところにある、金大鼎の串焼豆腐。

こちらのお豆腐は臭豆腐ではありません。なので食べても特に臭みはなし。豆腐の中にキムチが挟まってて、外にたっぷりピーナッツの粉がかかっています。お豆腐と香ばしいピーナッツ粉、キムチの辛味が絶妙にマッチして美味しいです。

金大鼎
No. 162-1, Shenkeng Street, Shenkeng District, New Taipei City

歐里人文咖啡の深坑豆腐冰淇淋

また豆腐料理はいっぱい食べたから、次はデザートも食べたいな……という時には、老街のやや奥の方にある、アイスクリームのお店がオススメです。

「歐里人文咖啡」の「深坑豆腐冰淇淋」(冰淇淋は、アイスクリームのこと)はいくつか種類がありますが、中でも「招牌(お店の看板メニューのこと)」と銘打たれたアイスの味は本当に不思議な味。

アイスなのに、スモーキーな味がするんです。甘みが強すぎずあっさりしていて美味しいです。

ちなみに深坑老街って、以前の大陸の人々が台湾に移り住んだ頃の様子を再現しているそうなのですが、建物自体は古くなく、近年整備がされたそうです。

が、この「歐里人文咖啡」は、昔の建物をそのまま使用しているのだとか。そういう意味でも、入ってみたいお店です。

お店の外観。とてもアイスを売っているとは思えないような、重厚な造り……。

歐里人文咖啡
深坑街48號, Shenkeng District, New Taipei City
公式HPはこちら

さいごに

他にも、粽子(ちまき)を始めとする台湾の色々な小吃を食べることもできます。また食べ物以外にお茶屋さん、小物のお土産やさんなどもいくらかありますので、色んなお店を覗いてみていただければと思います。

この記事を書いた人

ほず

ほずライター/日本語教師

神奈川生まれの神奈川県育ち。大学の頃から中国語が好きで、2017年とうとう台湾に移住しました。新北市にある大学の言語センターで1年間中国語を勉強したのち、台湾で日本語の教師として就職を果たしました。
趣味は旅行と登山と古い建物巡り。交通手段がないなら歩けばいいじゃない、をモットーに、苦行のように歩き続けるタイプの観光をよくしています。主な燃料はコーヒーとミントです。

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