週末を中心にミニショップがオープンするspace1-15(スペースイチイチゴ)があるのは、シャトー・ル・レェーヴという賃貸マンションの中。元1DKの部屋をリノベーションして営業する21軒以上ものショップの総称です。
そのジャンルは実にさまざま。雑貨、洋服、ヴィンテージ家具、ジュエリー、レコードから、喫茶、軽食堂、などの飲食店。さらに、工房、和菓子教室、写真教室、整体……。
さまざまなジャンルのショップが点在する、ホビーファンにとってはたまらないスポットです。
始まりは小さな石鹸のお店
始まりは2009年。賃貸マンションのシャトー・ル・レェーヴは、札幌市営地下鉄西18丁目駅から徒歩3分という好立地にもかかわらず、築30年(当時)という古さがネックとなり、空き部屋が目立つようになっていました。
そこで空室対策のためよばれたのが、space1-15の発端となった助っ人プロデューサー。まだ世に出ていない新人の手作り作家に、工房とショップを併設した空間を”スタートのきっかけ”にするよう声をかけたのが最初でした。
こちらの空室を「自分の城を持ちたいクリエイター」に貸し出すということは、もともと住んでいる人もいる中で開業するということ……。住人に迷惑がかからないよう、住居スペースは上層階、ショップは低層階と大まかなすみ分けをし、「週末中心」で「主に午後から」という営業に関するルールができ上がりました。
フル・リノベーションした部屋にまずオープンしたのは小さな石鹸ショップ。それから、真鍮と銅を扱う作家の店、道内で唯一のモノを扱うショップと続き、どんどんミニショップが広がってゆきました。
こうしてスタートしたプロジェクトが、sapace1-15です。
オートロックのボタンを押して
普通のマンション内に点在するショップを訪ねて行くには、オートロックを解除してもらわなければなりません。目指すお店のボタンを押し、ドアを開けてもらいます。これが、どきどきする瞬間。少しの勇気が必要です。
入ってしまえば、館内のショップを次から次へと巡ることができます。
作り手であり売り手・教え手でもあるオーナーたちとの距離が近いミニショップは、ダイレクトなやりとりが最大の魅力。作品が作り手から直接買い手へと渡る「HAND TO HAND」のカタチがここにはあります。例えば、工房ならば、創る過程を観ることができたり、そこで創られたものを買うことができたり。つくり方を教わることだって!
また、飲食店では調理の場が近いのでライブ感まで味わえるし、セレクトショップの場合はオーナーの価値観がストレートに伝わってきます。
そんな、館内にあるミニショップの中から、ちょっとだけお店紹介をしますね。
207号室:yurarika(ゆらりか)―布雑貨とソーイング
yurarikaは、布製の雑貨を扱うお店。予約制でのソーイングクラスをメインに営業しています。
甘すぎない色と柄のお弁当袋や巾着、ポーチ、バッグなど布製グッズが、白を基調とした明るい店内の棚に並んでいます。これらはみんなクリエイターでもあるオーナーのオリジナル作品。あると便利なアイテムばかりです。
401号室:KITCHEN TOROIKA(キッチントロイカ)―軽食堂
シチュウとパン、サンドイッチ、ハヤシライス、ごちそうスパゲッティなどが楽しめる軽食堂。台所からつくられたものがテーマのKITCHEN TOROIKA。
小さな灯が照らしだすテーブルやカウンターに合わせてあるのは、学校で使っていた生徒用のあの椅子。その他にもアンティーク調のレジスターなどがあって、懐かしさ全開の雰囲気。
ケーキやクッキー、パン、ベーグルなども焼いているので、ガッツリ食べたい人や軽く食べたい人、お茶したい人にも嬉しいお店です。
502号室:アドナイチーズ―オコッペの手作りチーズ
チーズ工房アドナイ(北海道紋別郡興部町 もんべつぐんおこっぺちょう)のアンテナショップです。
すっきりとした部屋にぽつりとカウンターがあって、その上には、リコッタ、モッツアレラ、マスカルポーネ、ミモレット、カチョカバロなどイタリアンチーズ中心のラインナップ。酪農王国北海道での地の利を活かしたチーズ作りをしている工房の自慢の品々です。また、ヨーグルトや発酵バター、それらを使ったタルトやクッキー類も扱っています。
space1-15って……
「こんなところで、お店を?」や「こんなお店も!」とサプライズ感にあふれているspace1-15。またまたニューショップがオープンしたり、ギャラリーができたり、巣立ってゆくクリエイターやオーナーがいたり。どんどん楽しい進化を続けています。目が離せません。
こちらが入っているマンション名はシャトー・ル・レェーヴ(フランス語で「夢の城」という意味)。ついつい、誰かに教えたくなってしまう館です。
公式HPはこちら