みなさんは旅行や出張で長距離を移動する際に、どのような交通機関を利用することが多いですか?本州以南の地域であれば新幹線を利用できますし、大都市周辺であれば多数の就航先へひとっ飛びできますよね!スピーディーに移動できる新幹線や飛行機もいいですが、たまにはのんびり船に乗って、海を眺めながら目的地を目指してみるのはいかがでしょうか?
今回の記事では、筆者が旅行の際に利用した「新日本海フェリー」についてレポートしています。北海道の小樽から新潟へ向かうおよそ10時間の船旅を振り返り、乗船の手順や気になる船内の設備をご紹介します。
今回利用した「新日本海フェリー」について

今回利用した「新日本海フェリー」は、北海道の小樽や苫小牧、秋田、新潟、敦賀、舞鶴を結ぶ日本海航路のフェリーを運航する会社です。今回は北海道の小樽港から新潟県の新潟港へ向かう船に乗り、初の宿泊を伴う船移動を楽しみました。

今回の旅は船旅に慣れている両親のナビゲートで乗船。あらかじめネットで購入しておいたチケットを持って、小樽フェリーターミナルから今回乗船するフェリー「らべんだぁ」へ。

フェリーチケットはネット購入だけでなく、定員に達していなければフェリーターミナルで購入することができます。しかし、車を持ち込んでの乗船時は収納スペースに限りがあるため、事前に空き状況を知ることができる事前購入がおすすめ。車の持ち込みがない場合も客室の数に限りがあるため、希望の部屋タイプを確保するならば断然事前予約の方が有効です。
乗船後はハイテンションのままさっそくデッキへ

これまでに短距離を移動する高速船やイベントで運行されたフェリーに乗船したことがありましたが、ちゃんとした船旅は今回が初めて。いい大人が思わずテンションが上がってしまい、客室に荷物をぶん投げてさっそくデッキへ出てみました。
この日は小雨が降っていましたが、波の様子は比較的穏やか。念のため酔い止め薬も服用して、長い船上生活に備えます。

飛行機だと離陸の際に大きく重力を感じますが、船の出航はとても穏やかで、いつの間にか船体は港を離れて少しずつ沖合へ進んでいました。
これまでに何度も訪れていた小樽のまちですが、海の上から眺めるのはもちろん初めて。よく知っているまちなのにまるで知らないまちのように錯覚してしまうほど、見る場所が違えばその景色も変わります。
暇つぶしに船内の設備をチェック

17時に小樽港を出港し、新潟港へ到着するのは翌朝9時すぎの予定。ずっと客室にこもっていても暇を持て余すので、まずは船内のさまざまな設備を見に行ってみることにしました。
まずは、乗船したときに初めに訪れたロビーへ。この日はパフォーマーの方が演奏会を行っており、乗船時から出航までずっと音楽が聞こえていました。

ロビーの一角には乗船記念の撮影ができるフォトスポットが設けられており、自由に利用できるInstagramのフィード画面をモチーフにした小道具や船員の制服などを配置。目立つ場所にあるため堂々と記念撮影をするのはちょっぴり恥ずかしくなってしまうかもしれませんが、勇気を出して記念撮影を行ってみてはいかがでしょうか。

長時間の航海中は大人でも暇を持て余してしまうのだから、もちろん小さな子どもはもっとストレスを感じることでしょう。
船内には可愛らしい水生生物が壁にデザインされたキッズルームがあるので、元気なちびっ子もここで遊んでたっぷり発散できますね♪

大人向けの遊び場はこちら。これまでに乗船した高速船やフェリーにもあったゲームコーナーは、やはりこちらのフェリーにもありました。

船内ツアーをしていて一番驚いたのは、なんと、フェローの中にカラオケールームがあったこと。利用するには別途利用料がかかりますが、溶けるように時間が過ぎ去るカラオケは良い暇つぶしとなるのではないでしょうか。

肉体派の方には、デッキに面したフィットネスジムの利用がおすすめ。決して広くはない船内で体を動かせる場所は貴重なので、ぜひ利用したいですね!

そして、乗船した多くのお客さんが利用するのであろう施設がここ。そう、大浴場です。
筆者は大浴場が苦手なため今回利用しませんでしたが、乗船中暇を持て余した両親は何度もここへ入浴しに行っていました(笑)。
グレードによって広さも構造もさまざま! 船旅中の拠点となる船室

フェリーの乗船料は時期によって変動することは割と知られていますが、意外と知られていないのは部屋タイプによる価格の違い。宿泊を伴わないフェリーや高速船の乗船料は一律のため、筆者もその違いを実感したのは今回の船旅がきっかけでした。
初めての船内宿泊ということで、今回両親が予約してくれたのは、個室タイプのグレードの高い洋室。基本は2名部屋として利用する客室なのでしょう。1名分は簡易ベッドとなっていました。

多くの客室はお手洗いや洗面所などが共用となっているのに、こちらのお部屋にはシャワールームとトイレ、簡易洗面台が備えつけられていました。いちいち部屋を出なくても用を足せるのはとてもありがたい!

客室には窓がついているので、外の景色をここで確認することができます。就寝時はカーテンを閉めることで、外の明るさも気になりません。
フェリー乗船中の食事はどうする?

船内には簡易カフェとレストランがありましたが、これらの飲食店は利用できる時間が限定されていました。特に団体客が乗船している場合は、一般客とは別の時間にまとめて利用するため、なおさらタイミングをあわせてレストランを利用しなければなりませんでした。

食事のオーダーはタッチパネル式。船内レストランなので品数はさほど期待していませんでしたが、意外とバリエーション豊富でびっくりしました。

肝心な料理のお味は、やはり地上のレストランのクオリティには劣るものの、期待していた以上の美味しさでした。
フェリーが就航している地域にちなんだ名物グルメも楽しめるので、普段の居住地ではあまり見かけることのない珍しい料理に出会えることがありますよ♪

レストランでは食事だけでなく、ビールをはじめとするアルコールの提供もしています。あまりお腹が空いていなくても、ちょい飲み利用でレストランを利用するのも良いかもしれませんね!

その他軽食やお菓子、飲みのものなどは、船内の売店や自動販売機で購入することができます。

売店にも就航地にちなんだご当地商品がたくさん並んでいるので、見ているだけでも面白いですよ! 道産子の筆者には見慣れたものではありますが、北海道明のソウルフード「やきそば弁当」も複数の種類を取り揃えていて思わずワクワクさせられます♪
目覚めてカーテンを開けたらそこには新潟県の風景が

朝方雨が降り、局地的に降った強い雨の音で目覚めた翌朝。早速カーテンを開けてみると、窓の先には新潟県の離島「粟島」が間近に迫っていました。
そのまま窓の外を眺めていると、あっという間に新潟港へ。この日は無事に、定刻の9時15分に下船開始となりました。
車で下船できるのかはその日による

乗船時は運転手のみ車とともに乗船しましたが、下船時はその日によって、同乗者も一緒に車で下船できるかどうかが異なります。
この日は同乗者もともに車に乗って下船することができたので、荷物をまとめてさっそく車庫階の車へ乗り込みました。

誘導員の指示に従って順次下船へ。初めは長時間の航海で暇を持て余していましたが、いざ下船となるとちょっぴり寂しい気持ちになりました。

船を降りたのは新潟港の新潟フェリーターミナル。ここからは、車による陸の旅が始まります♪
時間にゆとりができれば心にもゆとりができる!? ゆったり船旅を楽しもう

普段は飛行機での移動が多く、飛行機に乗っている間はネットが使えずただボーっとしているしかなかったのですが、フェリーの移動時は、電波は微弱ながらも携帯電話の利用が可能でフリーWi-Fiも快適に利用できるため、長い乗船時間もその環境に慣れていくうちに快適なものだと思えるようになりました。
短時間でさくっと移動するなら飛行機や新幹線には敵いませんが、たまにはゆっくり船で移動して、ゆとりのある旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
●新日本海フェリー