2017年4月、大阪がザワついた。「新今宮に星野ができるってよ」。このウワサは大阪中を駆け巡り、「ガセやろ」とまで言われる始末。
なぜそこまでザワつくのか。それは新今宮という場所。ここは日雇い労働者が多く集まる「あいりん地区」のすぐ近く。25年以上前ですが、日本とは思えない火炎瓶が飛び交う暴動が起こった街(第22次釜ヶ崎暴動)。
もちろんマイナスな面ばかりではありません。この一帯・新世界は、昔ながらの大阪の雰囲気が楽しめる大阪の下町ならではのディープなエリアでもあります。今回は“楽しい”新世界に焦点を当ててご紹介します。
新世界&通天閣
新世界といえば通天閣。今の通天閣は2代目で、1956年に完成したものです。5階部分は展望台になっていて、ビリケンさんが鎮座。毎年恒例の「干支の引き継ぎ式」が行われるのもここなんですよ。
地下には「通天閣わくわくランド」があって、こちらは入場無料。大手食品メーカーのアンテナショップが入っているのですが、筆者の一押しは「パイン飴」コーナー。大阪に来たなら是非買って帰ってほしい大阪のソウルスイーツです。
今や観光スポットの「ジャンジャン横丁」ですが、昼間に訪れてもワンカップ片手にヨロヨロ歩いている人や、そこまでの年齢ではないのになぜか前歯がごっそりと抜け落ちている人が歩いています(笑)。
ジャンジャン横丁は人気串カツ店が軒を連ねます。昔はここだけにしかなかたお店も、今ではキタやミナミに支店ができるほどの人気となっています。もちろん今でも「二度付け(漬け)禁止」です。
スパワールド 世界の大温泉
「スパワールド 世界の大温泉」はその名の通り世界各国のお風呂が楽しめる施設。筆者も2度ほどお世話になったのですが、「世界のお風呂」を楽しむためではなく、別の用途で利用させてもらいました。
筆者は串カツやさんで髪に付いた臭いを落として電車に乗るため、楽しむためではなく実用的な入浴をさせていただきました(笑)。
次回はもっと余裕を持って楽しみたいですね。
グリル梵の本店
通天閣のすぐ近くの細い道にヘレカツサンドで有名な「グリル梵」の本店があります。銀座や北新地に店を出すようなお店の本店とは思えない店構えに衝撃です。
実は筆者が訪れた日は定休日(なんと、6の付く日が定休日!)でしかもプチ改装中……?といった雰囲気。諦めきれず北新地のお店へ。
こちらでも同じクオリティのものがいただけます。画像で赤くしたのではないかと思われるかもしれませんが、本当に赤いんですよ。しかもジューシー。少食の女性ならハーフサイズでも満足できますよ。
新今宮駅と星野建設予定地
さて、いよいよ星野建設予定地へ。建設地はちょうど新今宮駅の北側。だだっ広い空き地が広がっている場所です。このJR新今宮駅の高架下もなかなかディープなんですよ(カメラを向けることさえできず)。
完成は2022年が目標だとか。「星のや」「界」「リゾナーレ」とは異なるスタイルのホテルだそうで、新ブランドの「OMO」になりそうですね。
確かに関空にも梅田にも難波にもアクセスは抜群! 市内中心部でこれだけまとまった土地(約14,000平米)が入手できるというのも大きいのでしょうね。
先入観を持たない大阪以外の会社だからこそ決断できたというのもあるでしょう。とにかく大阪人としてはめっちゃ期待しています!
天王寺動物園
さて、お近くの平和なエリアもご紹介しておきましょう。星野ができたら、この辺りにも観光客が流れそうですよ。まずは天王寺動物園。写真は新世界側のエントランスです。天王寺側のエントランスは「てんしば」にあります。
おしゃれに生まれ変わった「てんしば」
こちらがその「てんしば」。昔は入園するのに料金が必要だった天王寺公園が無料の市民の憩いの場に生まれ変わりました。
昔はこの辺りはブルーシートやら段ボールやらで生活される方が多くいたのですが、今では見る影もありません。平日は小さなお子さんを連れたお母さん、休日はファミリーやカップルで賑わっています。向こうに見える背の高い建物は「あべのハルカス」です。
「新世界は観光スポットとしては楽しかったけど、ランチはオシャレにゆっくりと楽しみたい」と思われている方は、てんしば内のカフェやレストランへどうぞ。
オシャレなお店がいくつかありますが、晴れた日はテラス席のあるカフェがおすすめ。
こちらの「スプーンビル」はテラス席もあるし、店内はグリーンやフラワー、雑貨など、お茶をしながら空間も楽しめるのでオススメ。さっきまでコテコテの通天閣・新今宮にいたのがウソのよう(笑)。