マレーシアの森の人(オランアスリー)のテントを覗いてみるべき理由
マレーシア

マレーシアには「森の人(オランアスリー)」と呼ばれる人がいます。彼らは、マレー民族がマレー半島に移住して来るずっと以前から森とともに生きてきた原住民です。

 

今でも森とともに住み、森のことをよく熟知しています。

彼らは道端にテントを張り、そこに店を出していることがあります。彼らが売っているものがとても興味深く、私たちはついつい車を停めてテントの中を覗いてしまいます。

テントで売られていた素敵なものをご紹介します。

オランアスリーって?

森とともに生き、森と共存しているオランアスリーのことを多くの人は「森の人」と呼んでいます。オランアスリーとはマレー語ですが、直訳すると「オラン=人」「アスリ=元々」という意味があり、オランアスリーが原住民であることを示しています。

 

マレーシアはマレー人が移住し建国した国ですが、マレー人が移住してくるずっと以前からオランアスリーたちは森の中に住み、森と共存して生きていました。

 

現在は、周囲の近代化に伴い、オランアスリーの生き方も少しずつ変化してきているようですが、それでも多くのオランアスリーは森とともに住んでいます。そして、街に下りてきて、森で採れたものなどを売っています。

オランアスリーの道端テント

クアラルンプールなどの都会から少し離れた街へ行くのに、ジャングルハイウェイといわれる道を通り抜けて行くのですが、その道端にテントが張られているのを見かけます。

オランアスリーたちがそのテントの中でものを売っているのです。

道端に車を停めてテントの中をのぞいてみると、面白いものが売られていることがあり、思いがけない掘り出し物を見つけることができます。

例えば、吹き矢!

この吹き矢本物なんです! オランアスリーたちは、今でも森へ出て行く時にこの吹き矢を持って出かけ、狩りをするのだそうです。

野菜やきのこ、はちみつ

森で採れた食料を売っています。特に私は森で採れたハチミツが大好物です。酵素がたっぷりと入っているので、買ったハチミツを家にある瓶に移し換えるときに、爆発しそうなくらいに泡があふれ出ます。

 

そんなハチミツは酸味があります。トーストしたパンにバターと共に塗ってハチミツバターにすると絶品です!

一枚板

一枚板が無造作に置かれていることがあります。

とても味のある模様です。これを綺麗に洗ってサンディングをかけ、ワックスで磨いたら素敵なテーブルができるだろうなと思いながら見てしまいます。

まな板

その中でも特に私のお気に入りの品物は、オランアスリーの作ったまな板です!

 

ローカルは、チキンを丸ごと料理することもあり、大きな包丁で肉を捌く必要があります。その時に厚くて丈夫なまな板が必要になりますので、ローカルの家ではこの手のまな板はよく見かけます。

 

初めてこのテントの中をのぞいてこのまな板を見つけた時には、「オランアスリーたちが作っていたまな板だったのか!」と、興奮してしまいました。

このまな板は、1つ1つの木の特徴を生かして作られています。手作りなので形、大きさ、厚さが全て違い、1つ1つに味があります。

 

とても分厚くてしっかりしています。ちゃんとサンディングされスベスベのまな板には木の模様がしっかりとついていますが、この模様も色や形が全て違います。

 

私はこのまな板の魅力に惹かれて購入することにしましたが、たくさんあるまな板の中から、お気に入りのものを探すのには一苦労でした。

長い時間をかけて選んだまな板を購入する時、オランアスリーは大幅におまけしてくれました(元々張られていた値段は基準にならないようです)。

マレーシアでは普通に使われているまな板ですが、「日本でこの手のまな板を買ったらどれくらい高いだろう?」とつい考えてしまうくらいしっかりとしたまな板です。

 

キッチンに置くだけでも、とても可愛く映えます。

また、まな板としてだけでなく、切った食べ物をそのまま載せてプレートがわりに出すこともできます。すごくおしゃれです。

 

少し重いですが、変わったマレーシアのお土産にするのも楽しいと思います。何より、世界で1つだけの自分のまな板というのは特別感があります。

まな板が作られるまで

偶然通りかかったテントでまな板を作っている様子を見ることができました。その人は、サンディングの機械を使って作業を行なっていました。

ゴツゴツした分厚い木の塊が、数分でツヤツヤ、スベスベのまな板に変わって行く様子は見ていて飽きませんでした。同時に機械を使っていることに対して少し驚きました。

全て手作業で行われているものだと思い込んでいたからです。

 

森と共に生きて来たオランアスリーも、現代の文化の変化に合わせて少しずつ生活スタイルを変えているのかな、と思った出来事でした。

 

また別の日に、別のテントでまな板を作っている様子を見る機会がありましたが、その人たちは手作業で行っていました。同じように見えるまな板ですが、作り方にはその人たちのこだわりがあるようです。そう思うとますます味わい深く感じます。

再びテントを訪ねて

私が買ったまな板は、6年ほど経った今でも愛用しています。厚みがあり、使いやすくて気に入っています。何より、形、大きさともに気に入って買ったものなので愛着もあります。

 

最近、我が家に来てくれた友達が私のまな板を見て気に入り、一緒にオランアスリーのテントに買いに行くことになりました。どんなデザインのまな板が置いているのかはその時のお楽しみです。

 

その際、自分のまな板も磨き直してもらおうとついでに持って行きました。友人がまな板を選んでいる間、私はまな板をサンディングしてもらいます。

快く引き受けてくれた女性は、とても力強く、丁寧にまな板を磨いてくれました。また見違えるように綺麗になりました。大切に手入れし長年使っていきたいと改めて思いました。

テントに並んでいるのは、まな板だけでなく、木のしゃもじなども……。

家で使うのが不可能なくらい大きなサイズのものや、家で使うとおしゃれだなと思う形のものも。これも全てデザインが違うので本当に味があります。

オランアスリーの今

今まで森の中で生きて来たオランアスリーの中には、森での生活にピリオドを打ち、政府の提供する住宅に住み、現代生活に適応しようとする人もいます。現代生活を拒み、昔ながらの生活を送ることを望む人もいます。

 

どっちが正しいなどと言うことは、私にはできません。ただ私に言えるのは、彼らのシャイで素敵な笑顔が好きだということです。彼らの作ったまな板が好きですし、森を愛し、自然を熟知している彼らのことをとても尊敬しています。

 

(普通の旅行ではなかなか見かける機会も少ないかもしれませんが、)マレーシアをドライブ旅行する機会があった時に、ジャングルハイウェイの道端にちょっとしたテントを見かけることがあるかもしれません。

 

その時にはぜひ車を停めてテントをのぞいて見てください。思いがけない掘り出し物を見つけることができるかもしれませんし、シャイで素敵なオランアスリーとの交流を楽しむことができるかもしれません。

ガソリン(ディーゼル)がない!

先日オランアスリーのテントに立ち寄ってみると、その日はなぜか品数が少なく、テントの人たちもゆったりした様子でした。

どうしたのかと尋ねると、ガソリン(ディーゼル)がないので機械を動かせないとのこと。その人たちは機械を使って物を作っていたので、ディーゼルが手に入らないことにはどうにもならないのでした。森の中で機械を使うというのは以外と大変なことなんだなと感じました。

この記事を書いた人

yazu

yazu

九州出身です。
今はマレーシアに住んで数年になります。旅行も大好きでマレーシアを拠点に、東南アジア周辺の旅行にもよく出かけます。

マレーシアで、夫と共に、発展途上国ならではの思いがけないハプニング満載の生活を送っています。そんなことをしていたら、段々たくましくなってきました。東南アジア旅行では、いろいろな文化の違い、食事、地元の人との出会いを楽しんでいます。

そんな中で、自分たちが経験したこと、感じたことを記事にしたいと思います。だれかに楽しんでもらえたら嬉しいです。

チャンネル

チャンネルをもっと見る