2016年5月1日にリニューアルした小田原城。今回、初のイルミネーションが開催されています。通常のイルミネーションとは異なる「踊る光と飛ぶサウンド」で、これまでにない体感型の空間を演出しています。
他のイルミネーションとは一線を画する小田原城のイルミネーションのすごさをみなさんにお伝えすべく、極寒の中凍える手で写真のシャッターを切りまくってきました。筆者の汗と涙の結晶をとくとご覧あれ。
小田原のシンボル小田原城でイルミネーション!
伊豆の実家に帰る際にいつも小田原を経由している筆者にとって、小田原城はとても身近な存在。今までに何度も足を運ぶ機会がありました。
お恥ずかしながら歴史的背景はあまり詳しく分からないまでも、小田原のシンボル小田原城を無条件に愛している筆者は、その優雅で荘厳な佇まいに魅せられ続けています。
そんな小田原城がリニューアルしたのは昨年(2016年)5月1日のこと。なぜ今回初のイルミネーション開催の運びになったのかというと、一般社団法人小田原市観光協会の主催で、小田原城の新たな魅力を創出し、小田原市を訪れるより多くの人々に感動してもらえる観光まちづくりのためなんだとか。
「踊る光と飛ぶサウンド」で体感型の空間を演出するということで、実際行ってみるまではあまりピンと来なかったのですが、イルミネーションを目前にすると期待を遥かに上回るその光景に不覚にも感激してしまいました。
小田原城ファンの筆者としては、他のイルミネーションとは一線を画する小田原城のイルミネーションのすごさをみなさんにお伝えしないわけにはいきません。
小田原城「天守閣」の展望デッキからはどんな景色が見えるのか?
小田原城のイルミネーションは、小田原城本丸広場と「天守閣」の展望デッキ、どちらからでも楽しむことができます。
期間中「天守閣」は19時まで開館しているのですが、取材当日私が小田原城に到着したのは18時半ちょっと前。「天守閣」の最終入場時間は18時半までなので、滑り込みセーフで「天守閣」の中へ入ることができました。
階段を駆け上がり「天守閣」の展望台へやってきたはいいものの、実は高所恐怖症だということをすっかり忘れていた筆者。
小田原の夜景を一望することができるスポットであるにも関わらずほとんどまともに見ることはできず、ひとまず多様な光を放つムービングライトの下に立ってみました。
するとこんなものを発見。体感型演出「北条のキズナ」とは、2人が手をつなぎあい互いにセンサーにタッチすると、周辺で光や音の短いパフォーマンスが展開されるというものです。
尚、パフォーマンスは5種類でそれぞれ約15秒ほど。どのパフォーマンスが始まるかはわからない仕組みになっているようです。
上から見た「北条のキズナ」の演出がこちら。柵越しではあるのの、上からだと絵柄がとてもわかりやすいのがいいですね。写真にはうまく納められませんでしたが、私の記憶が正しければハート形の絵柄もあったような……。
上から見た「花 ODAWARA」の演出は、素晴らしいの一言でした。四季折々色鮮やかに咲き乱れる小田原城の花々が地面の上を踊っている様子はあまりにもドラマチックで、シャッターを押す手が止まってしまいました。
※「小田原城 冬桜イルミネーション」のタイムスケジュールは「天守閣」入口に掲示してあります。
「小田原城 冬桜イルミネーション」光と音が一体となったプログラム3曲を全てお見せします!
「小田原城 冬桜イルミネーション」とは?
冬の桜や梅、藤、花菖蒲、紫陽花など小田原城を代表する花々をモチーフにした、華やかな”光”と”音楽”のプログラムです。「小田原城 冬桜イルミネーション」は、建築物などを美しくライトアップする景観照明にイメージが似ていますが、静的な景観照明とは違って、光は大きく動き、立体的な「光の絵」を描き出します。
-一般社団法人 小田原市観光協会 プレスリリース資料より-
まずはタイムスケジュールを確認
「天守閣」入口に掲示してあった「小田原城 冬桜イルミネーション」タイムスケジュールでは19時以降のスケジュールが分からなかったため、本丸広場に掲示してあったタイムスケジュールを再確認します。
私が「天守閣」から降りてきた時間がちょうど19時頃だったため、約1時間ほど滞在すれば全てのプログラムを見ることができそうです。
タイムスケジュール横には先ほどもご紹介した「北条のキズナ」コーナーがありました。
「冬の桜」にウットリ
ひとまず何も演出がない状態のイルミネーションがこちら。曲が始まると一体どんな世界が広がるのでしょうか? 先ほど見たのはお城の上から見おろした光景だったため、全体を見渡すのが楽しみで仕方がありません。
春、小田原城の桜が美しく咲き誇るとき。寒い冬を乗り越えて花びらく桜の気高さや生命力の強さに想いを託して制作されたこちらのプログラムは鳥肌ものです。
驚くべきなのは、躍動感のある「光の絵」なのにも関わらず、かなりくっきりと絵柄がお城に映し出されているので、1つ1つのシーンをしっかりと噛みしめることができるということです。
地面に映る桜の花びらもダイナミックで存在感たっぷりです。
幻想的な雰囲気を醸し出す「ジュピター」
グスターブ・ホルスト作曲 組曲『惑星』より木星(ジュピター)は私の大好きな楽曲ですが、まさか小田原城とのコラボレーションがこんなに神秘的な空間を生み出すなんて考えもしませんでした。プログラムを見たときに「えっ、ジュピター?」と思ってしまった自分を恥じます。
このとき本丸広場に立って約20分が経過。手はかじかんで震えていましたが、この唯一無地の贅沢な瞬間をカメラに収めたいという衝動にかられた筆者の体は自然と動いていました。
とびきり華やかな「花 ODAWARA」
最後にご紹介するのは、先ほど少し触れさせていただいた「花 ODAWARA」です。このプログラムは春・夏・秋・冬の4つのシーンの音楽で構成されています。
四季の花にたとえて、ここODAWARAの賑わいと人々の温かさを表現した仕上がりとなっているということで、心の奥底まで染み渡る深い感動を味わうことができます。
筆者のかじかんだ手はもはや限界に近いですが、そんなことは忘れてしまうぐらい、気が付けばエモーショナルな曲と「光の絵」が織りなす独特な世界観に入り込んでいる自分がいました。
渋さが癖になるイルミネーション
正直なところ、新しい試みだから面白そうという興味本位で訪れたこちらのイルミネーション。まさかのクオリティに最初は戸惑いと驚きが隠せませんでした。
しばらく見ていると、煌びやかなイルミネーションにはない渋さが癖になってしまいました。筆者は煌びやかなイルミネーションも大好きですが、味わい深い日本らしいイルミネーションも趣があっていいなと思います。
それにしても西洋の文化も日本ならではの文化も楽しめる日本のイルミネーション事情ってかなり贅沢ですね!
神奈川県小田原市城内6番1号
・期間 2017年12月9日(土)~2018年3月4日(日)
・時間 17:00 ~ 21:00
・会場 小田原城天守閣と本丸広場
※天守閣は12月13日(水)と12 月31日(日)の2 日間は休館ですが、イルミネーションは実施
※期間中は天守閣を19:00まで開館延長(一般 500 円、小中学生 200 円 最終入場 18:30)
※本丸広場でのイルミネーション鑑賞は無料
※2018年1月1日は天守閣を開館
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