正真正銘タダで楽しめる中国美術館で中国の新しい一面を見る。
中国

「タダより怖いものはない」とは、言い古された例えだ。タダと思って飛びつくと、裏に隠れた出費があったり却って高くついたりすることがある。そのため我々は、タダと聞くと、つい「裏があるのか?」と構えてしまうものだ。

しかし、本当にタダで楽しめるとしたらどうだろうか。中国には「免費」、つまりタダで入れる美術館がある。それが今回ご紹介する「中国美術館」だ。

入場する


タダと言ってもフリーに誰でも自由に出入り出来るわけではない。入場券売り場があり、入場券が発行される。身分証明書の提示も必要で、外国人の場合はパスポートを見せなければならない。

そして館内に入る前に荷物検査もある。けっこう手間だが、入場料はタダ。職員の給与はどこから?とどうでもいいことを考えてしまう。

いざ館内へ


館内は写真も、キャンバスを持ち込んでの写生もOK。米国のメトロポリタン美術館などでもそういう風景をみたが、日本の美術館では見ない光景。

ここでは常に特別展をやっているので、それを見て回ることになる。作家の名前は知らないが、印象に残る絵画、創造物が多かったのも事実だ。

この中国美術館は、30年前に初めてきた。まだ、改革開放が緒についたばかりの頃だったが、工場労働者を描いた絵画が強く印象に残っていた。ほとばしる汗が隆々とした筋肉に光っていた。あいにく同じ絵はなかったが、近代的な創造物がそこかしこに配されていた。目の保養にもなる。まだ美大の学生が創作にかかっていたり、新しい中国の一面をみた思いがした。

アクセス


この美術館。交通の便が今ひとつ。わかりやすいといえばわかりやすいのだが、王府井からまっすぐに伸びた道を20分ほど歩くか、地下鉄の駅から20分近く歩くことになる。図は、天安門広場から中国美術館に行くまでのルートを示したもの。

本当にタダだった

中国美術館に入って出てくるまで財布からは1元のお金も出て行かなかったことは、最後に付け加えておく。タダより怖いものはない?

中国美術館
1 Wusi St, Dongcheng Qu, Beijing Shi, 中華人民共和国 100010
公式HPはこちら

この記事を書いた人

Songben

Songben

「この世界の片隅に」の舞台、広島県呉市の出身。18歳、予備校進学のために上京。大学時代は、都内の名画座の顔になるほど映画漬け。5年の時(?)国境が解放された報を聞き、北京発モスクワ行き国際列車に乗る。これが初めての海外。仕事は全く旅行とは関係ない経理職。毎年のようにどこかに出没。といっても、中国が多く訪中は20回。

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