下町で落語を味わってみる
日本

下町で落語を味わってみる_浅草は東京の娯楽の殿堂だった_浅草演芸ホール

テレビやラジオで最近は落語の番組も少なくなりました。思い浮かぶのは日曜日夕方の「笑点」ではないでしょうか? ただ、メインは大喜利で落語そのものは時間の制約もあり、充分に楽しめないですね。落語家さんは出演していますが、あくまでもバラエティ。でも、東京には毎日落語をやっている寄席があります。そこで生の落語を下町の浅草で味わってみませんか、です。

浅草は東京の娯楽の殿堂だった

大正時代の浅草は凄い賑わいでした。コロナ期に劇場上映で大入りになったアニメ鬼滅の刃。若者が鬼退治に活躍するアニメですが、主人公竈門炭治郎が鬼の元締め(?)鬼舞辻無惨と会ったのが、この浅草でした。大正時代は映画を見る、お芝居を見るなら浅草という意識もあったのでしょうね。東京中の人が娯楽を求めて浅草にやってきたわけです。この写真は大正時代、浅草の繁華街である浅草六区の賑わいを写した絵葉書です。幟が立って賑やかそうです。映画館、芝居小屋が軒を連ねていました。

下町で落語を味わってみる_浅草は東京の娯楽の殿堂だった_浅草演芸ホール

出典:『東京名所写真帖 : Views of Tokyo』[1],尚美堂,明43.7. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/764232 (参照 2024-10-10)

ところが令和のいま、浅草に映画館は一つもありません。そんななかいま頑張っているのが、浅草演芸ホールです。

下町で落語を味わってみる_浅草は東京の娯楽の殿堂だった_浅草演芸ホール

東京には落語が楽しめる場所、定席が4つある

東京には落語の定席が4つあります。新宿末廣亭、上野鈴本演芸場、池袋演芸場、そしてこの浅草演芸ホールです。浅草演芸ホールは、落語を主体に、漫才や曲芸を楽しむことができます。

11時から16時半までが昼の部。16時半から20時半までが夜の部。入場料金は大人3000円。高いなあと思うかもしれませんが、多くの場合、午前の部と午後の部が通しになっているので、時間が許せば11時から夜20時半まで落語、漫才を楽しむことができます。映画料金が2時間で2000円ですから、1000円足すだけで9時間も楽しめるわけです。コスパ、タイパともに最高のエンターテインメントです。

一番最初に演ずるのは前座。若手の落語家さんです。まだまだ修行中の若手の方です。そして二ツ目、真打となり最後に出てくる落語家さんはトリまたは主任といい、実力者がつとめます。ここにTVなどでよく知る方がトリを務めるときは大変混雑します。

9時間の間の食事は?

食事はどうしたらいいのでしょう。午前11時から夜までとなるとお腹が空いてしまいます。浅草演芸ホールには売店もあり、お弁当も売っていますが、早めに売り切れることが多いようです。途中退場で外に買いに行くことはできません。長丁場を楽しむ時はあらかじめお弁当を仕入れておく方がいいかもしれません。

なお、アルコールは禁止のようです。見つかったら退場になると館内放送がありました。

浅草演芸ホールへの行き方

浅草演芸ホールは浅草と名ついているので地下鉄浅草駅が最寄りのように思うかもし れませんが、一つ手前の田原町駅が便利です。3番出口を出て国際通りをまっすぐ行くと右手に浅草ROXという複合施設がありその裏手が浅草六区になります。その一角に浅草演芸ホールはあります。浅草駅からだと浅草寺など賑やかな場所を通るので時間はかかります。

下町で落語を味わってみる_浅草は東京の娯楽の殿堂だった_浅草演芸ホール


これは今の浅草六区の様子です。

下町で落語を味わってみる_浅草は東京の娯楽の殿堂だった_浅草演芸ホール

まとめ

浅草演芸ホールは浅草という土地柄に深く馴染んだ落語の定席です。落語で楽しんだあと老舗のお店で食事をしたり、浅草寺にお参りしたり、観光船で川下りを楽しむこともできます。そのほかの都心の定席では味わえない下町情緒あふれる寄席と言えるのではないでしょうか。


浅草演芸ホール

この記事を書いた人

Songben

Songben

「この世界の片隅に」の舞台、広島県呉市の出身。18歳、予備校進学のために上京。大学時代は、都内の名画座の顔になるほど映画漬け。5年の時(?)国境が解放された報を聞き、北京発モスクワ行き国際列車に乗る。これが初めての海外。仕事は全く旅行とは関係ない経理職。毎年のようにどこかに出没。といっても、中国が多く訪中は20回。

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