「ネコノミクス」という造語も誕生し、ネコの飼育頭数がイヌを越す日も近い、と言われている日本。国中で空前のブームが起きている状況とは異なりますが、メキシコ人の「ネコ愛」も日本人に負けていません!
メキシコシティの流行発信地、ローマ地区とコンデサ地区から「ネコ愛」に溢れるこちらの2店をご紹介します。
イヌとネコ、どちらが人気?
「100家族中およそ70家族がなにかしらのペットを飼っている」。メキシコの某ニュースサイトが2015年に発表した記事にはこのような数字が言及されています。
別のニュースソースからペット飼育頭数の内訳を見ると「イヌ27,486:ネコ8,547」と圧倒的にイヌの数が多くなっています。
確かに、ペットショップや大型スーパーでのフード、グッズの売り場面積を見ても、ダントツに広いのはイヌ。ですが、もちろんメキシコシティにもアツいネコ派たちは存在しますよ!
ネコの里親探しを目的としたネコカフェ、Catfecito
メキシコシティ・コンデサ地区には、ネコの保護を行っている市民団体Gato Gazzuが経営しているCatfecito(キャットフェシート)というネコカフェがあります。
2016年4月にオープンと日は浅いながら、取材時は平日夕方にもかかわらず、ほぼ満席という人気っぷりです。
Catfecitoのネコたちは4匹の成猫をのぞき、里親募集中の若いネコが中心。捨てられたり、虐待されたり、という厳しい環境から救われてきたこのネコたち。
一度植えつけられてしまった「人間への警戒心」を解きながら、彼らが安心して暮らせるおうちを見つけたい。そんな思いで生まれたのがこのカフェなのです。
シェルターからやってきた当時より片目のネコ・アストロ。ハンデゆえに子ネコの時期に里親とのご縁には恵まれなかったものの、今ではカフェの看板ネコだそう。
カフェでは、ハンバーガーや「メキシコ風」巻き寿司、カップケーキなどを提供。飲食代はすべてネコの保護活動への寄付になります。
かくいう筆者もNo cat, no life。生まれたときからネコと一緒の生粋のネコ派です。自宅にも2匹いるのですが、猫カフェと家とは別腹。
久しくお触りしていない子ネコを撫で回したい!と思ったのですが、「触りたい」というオーラが出すぎていたようで、1匹たりとも近づいてきてはくれませんでした……。
Baja California 266, Hipodromo Condesa, Hipodromo, 06100 Ciudad de Mexico, CDMX, メキシコ
アーティストの作品を通して「ネコ愛」を啓蒙、Garros Galeria
キャットフェシートからメトロバスで3駅のところにあるのがGarros Galeria(ガロス・ガレリア)。2006年のオープン当初はネコに特化していたわけではなく、幅広くコンテンポラリーアートを扱うギャラリーだったそう。
ですが、元来ネコ好きのオーナーさんたち。2009年には日本の「ネコカフェ」をいち早くメキシコに持ち込むも、残念ながら時期尚早でカフェ部門はすぐにクローズ。
その後、ネコをコンセプトとしたアート・デザインにシフトし、アートを通してメキシコ人に根付くネコへの偏見(実際、メキシコ人はネコを自宅で飼うなど不衛生、アレルゲンであるなどと毛嫌いする向きが強い、と感じます)を払拭&ネコ愛を啓蒙するギャラリーとなり、現在に至ります。
オーナーの1人、ホエルさんとネコのフィデオ。人気者のフィデオは写真の撮られ方も慣れたものです。
取材時は、日本人アーティストの中島布美子さんの作品が展示販売されていました。
ギャラリー内にはアイスクリームショップ・DeliGATEssen(デリガテッセン)も。着色料や人口甘味料は一切使用せず、季節ごとの「メキシコの美味しいもの」をアイスやシャーベットにしてお届け。
場所柄、流行の「ビーガン」アイスなどもあります。